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読むTHINK_79/ゲスト:吉田ユニさん(アートディレクター)2016年6月16日

今回は,2016年6月に行われた79回目のTHINKを「読むTHINK」としてまとめました.ゲストは,独自の世界観で強烈な印象を残す広告ビジュアルのクリエイター,アートディレクターの吉田ユニさんです.

ーー定期購読マガジン THINK BOOK について
THINK BOOK は,読む "THINK" です.Suppose Design Office の谷尻誠が毎月魅力的なゲストを招き「"考える"ことを考える場所」として開催しているイベント"THINK"を読み物として再構成してまとめています. 多彩なゲストとの間で繰り広げられる本音のトークはここでしか聞けないヒントがたくさん詰まっています.過去100回以上に及ぶ記録資料などの掘り起こしを含め,月に2回程度,定期購読マガジンとして掲載していくので,よろしければ定期購読していただいて,皆さんの日常をTHINK するきっかけにしていただければ幸いです.(谷尻誠,西尾通哲:共同編集)

当時の告知資料より
79回目のTHINKはアートディレクターの吉田ユニさんにお越し頂きます!
吉田ユニさんの作品は、見る人を引きつける独特の世界観。広告・CDジャケット・装丁・ミュージックビデオなど活躍の舞台は幅広く、木村カエラさんや渡辺直美さん、星野源さんなど、様々なアーティストとのコラボレーションや、現在放送中のドラマ「人は見た目が100%」のポスターなども担当されています。その作品の特徴はCGを使わない実物主義。はっとさせられるような発想で、印象的な世界を表現されています。
次々とオファーが舞い込む多忙な吉田ユニさんですが、全てを把握・理解し自分の納得のいく形で進めたいという強い信念で、マネージャーもアシスタントもつけず仕事を進められているというストイックな一面も持ち合わせていらっしゃいます。
"一度見たら忘れられない"世界観を創り出す吉田ユニさん。その発想の源がどこにあるのか、一緒にTHINKしてみませんか?

THINK_79_吉田ユニさん
日時:2016年 6月 16日(金)
開場 19:00〜
開演19:30〜21:30
会場:広島市中区舟入本町15-1 サポーズデザインオフィス3階

Guest_吉田ユニ
1980年東京出身。女子美術大学卒業後、大貫デザイン入社。宇宙カントリーを経て2007年に独立。広告、CDジャケット、MV、装丁など幅広く活動中で、ラフォーレ原宿 、野田秀樹演出舞台「THE BEE」「半神」のアートディレクション、木村カエラやChara、Perfume、星野源のCDアートワーク、LUMINE“ IT'S NEW ”WEEKキャンペーンビジュアル、渡辺直美展のアートディレクション等で常に話題を集める。2016年東京ADC賞受賞。

存在してるけど見たことのない風景を表現する

谷尻誠さん(以下,谷尻)
今日のゲストは吉田ユニさんです.普段は喋るのが苦手だからトークはしないんですってね.

吉田ユニさん(以下,吉田)
はい.そうなんです.

谷尻
そういうことらしいので,今日はとても貴重な機会ですね.それと,トークを受けると,普段の仕事を全部一人でやっているそうなので仕事が止まるんだよね?

吉田
そうなんですよ.はい,でも今日はよろしくお願いします.

谷尻
今日は,スライドも用意してくれてるので,まずは作品の紹介から始めましょうか?よろしくお願いします.

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谷尻
不思議な感覚になりますよね.こういうのって,最初に頭の中に完成した絵として浮かぶんですか?それともコンセプトからビジュアルが浮かぶのか?

吉田
(少し考えて)同時ですね.

谷尻
羨ましい.

吉田
何か,同時にパッとつながる感じが来るんです.

谷尻
そんなに都合よくやってくるんですか?

吉田
いえ,いろいろやっているとそういう瞬間がやってくる時があって.

谷尻
なるほどね.

吉田
(渡辺直美のワールドツアーのビジュアルについて)
直美さんのお尻が床を突き破ってるっていうビジュアルなんですけど.ワールドツアーということで,世界の人が見ても分かりやすいようにビジュアルで伝えるように意識していますね.

谷尻
こういうビジュアルがぼんやり浮かんで作り込んでいく感じなのか,頭の中ですでに完成された絵が浮かんでいるのかが知りたい.

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