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瓦礫の中から頭蓋骨のようなものを拾った

東日本大震災から13年
この1年で行方不明が3人減ったようです。

このニュースを見てまず思い出すこと。

発災当時大学生として東北に住んでいた私は、時折南三陸町でボランティア活動に参加していました。
現在のような土地のかさ上げ工事がされる前、津波のかぶった広大な土地では、数年にわたり、日々全国からくるボランティアによってがれき拾いが行われていました。
建物の基礎しか残っていない土地の表面を掘っては、おもちゃや生活用品の破片が見つかり、ここにはきっと小さい女の子が住んでいたのかな?など、津波前の人の暮らしが垣間見えるかけらが見つかります。
がれきと呼ばれるそれらは、誰かの思い出の品であり、遺品でした。
でも、震災から1年が経ち、2年が経ち、、、と時を重ねる中で、また、繰り返しその活動に携わると、次第にそのがれきに慣れ、どこか作業のようにこなしているだけの自分がいました。

震災から3年後くらいのがれき拾いのこと。ある土地で、草取りや、土以外のかけらの拾い分別を行っていました黙々と活動をし続けた午後、土の中から頭蓋骨のようなものが出てきました。
破片というよりは、頭の形が分かるくらいの大きさです。自分ではそれが何かも分からず、周りの方に見てもらうと、頭だね、でも、よーく見ると骨ではなく模型だね、と言われました。その時とっさに、びっくりした、模型かと驚き、よく分からない感覚だったのが事実です。
だんだん時間が経つにつれ、本当にこの場所に今も行方不明となっている方々がたくさんいるということが、また、たくさんの方が犠牲になった現場なのだということが実感として湧いてきました。
私自身は、割と早い段階から、被災地と呼ばれる現場を訪れる機会があり、その被害の惨さについても理解した気にはなっていましたが、その時ようやく、なんの変哲もない普通の場所で、人が犠牲になったことがリアルに感じ、津波の恐ろしさを覚えました。

年々記憶や関わりが薄れるのを実感している中で記したくなった出来事

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