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フランスの挨拶「ビズ(bise)」が消えた話。

フランス人の挨拶ビズ(bise)を知っているだろうか?
そう出会い頭にこんにちはと言いながら両頬にチュッチュッっとキスするあれである。

キスとはいうが、実際には大半の場合ほっぺ同士を合わせ、耳元でチュッと音を鳴らし合い・聴かせ合うちょっと変な習慣だ。笑

初対面の人とほっぺたを合わせるだなんて、本当に人との距離感バグってるよなーと感じる私は根っからの日本人なのかもしれない。

▶︎ビズをみんなで見守る謎の時間

フランスには昼12時に毎日放送されている視聴者参加型クイズ番組がある。
「フランス版笑っていいとも!」とでも言っておこうか。
ミリオネアを彷彿させるような広いスタジオに観客がぐるりと囲むような形になっている。

ゲストは1人1人ポーズを決めてスタジオ後方から登場する。
司会者であるフランス版タモリは当然の如く、毎回エスコートのために1人つづお迎えに上がり、そこでも毎度の如くビズの儀式が執り行われる。

カメラはその司会者を後ろから追いかけ撮影する形になるので、当然毎度画面にお尻を向けられ日本ではなかなかないアングルになる。
そして会場に居合わせる100名くらい(?)居る観客もそれを当たり前のように見守っている。

ほっぺを往復するあれを約1分ほど幾度となく見せられるたびに、あぁ私は今外国に住んでいるんだなーとはっとする気持ちを味わったりする。

■les 12 coups de Midi 
毎回新たな挑戦者が4〜5名登場し、前日勝ち残ったクイズ王と対戦。勝ち抜くと賞金を得られると言った感じの番組。長年続く人気長寿番組のようだ。

▶︎3回?4回?知らんがな。

ビズは頬を合わせて何度かキスをし合うという形は全国共通だが、地域差個人差によって回数が異なってくるようだ。

大体3回だろうなとタイミングを合わせてチュッチュッとしているが、
相手がまさかの2回派なんて時にはとんでもない恥じらいを晒すこととなる。

ー想像できるだろうか?
お互いのほっぺをキスをするような尖った口で往復している最中、
いきなりほっぺを離され、恋人でもない人に恋人の距離でキス顔をまじまじと拝まれる地獄を。
一瞬の出来事だがかなり気まずい空気が流れる。

顔を話した瞬間これである。
「ohhhh〜うちの地域は2回なんだよぉぉぉ。」

『知らんがな!!!!』である。笑

▶︎ビズが消えた

当たり前のように毎日行われていたこの謎の儀式が消えたのは、そう世間を騒がすパンデミックからだ。
そう。政府からお達しが出たのだ。まさに「ビズ禁止令」である。
ロックダウンが溶け、商店も通常営業に戻りつつある今でも自粛気味と言った感じだ。

その代わりに出会い頭には、あの今はあれだからさ〜という会話から申し訳なさそうにエアキッスが送られることとなっている。笑。なぜに申し訳なさそうなのだ!?笑

そんなツッコミは置いておいても毎度見せられるキス顔。あぁこの国民は自分のキス顔を見せたいんだなぁとすら思えてくる。(忘れてくれてもいいんだけどなぁ。笑)

そんなキス文化がまたフランスに返り咲く日はいつかくるのだろうか…。
正直帰ってこなくてもいいけどなと心の底で思っていることは、ここだけの秘密にしておこう…。

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