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ネガティブさえも包み込んで

先日のとてつもない威力のPMSに負けた私は、結果的に何も悪くない彼に不安感をぶつけてしまうこととなった。




その日はPMSに加え、厄日????って感じでとにかく最悪な1日だった。

そもそも厄週????って感じで月曜から様々な厄が降り注いでいた上にコンディションも最悪だった。

月、火と何もやる気が起きないし何かと不安だし、仕事でも小さなミスや事件が続く。
水曜日、ついに仕事で使用しているPCが壊れた。

機械音痴の私はしんど!だる!と萎えまくったが、PCはすぐに変えてもらえることになってデータが消滅することは無いとのことだった。

PCデータは救われても、私の心はかなりギリギリだった。最悪の極みが2日前から続いている。きっかけは無い。ただのPMSだから。


押し寄せる不安感。しんどさ。めんどくささ。

こんな日は、誰かに甘えてしまいたい…


「今日の夜、電話できない…??」

少しでも彼の声を聞けば心が落ち着くかもしれない。そう思ってのメッセージだったが、電話を頻繁にする私たちにとっては特に珍しくもない内容だった。

22時半に彼に送ったこのLINEの返事は、次の日の朝になっても返って来なかった。



返事が返って来ないなら、いっそ電話したいなんて言わなければ良かった。そんな後悔が押し寄せた。電話したいって言うことに、悪いことなんて一つもないのに。

不安感を消し去りたくて、朝っぱらから電車で無我夢中でnoteを書いた。それでも不安は消えない。

PCを新しく変えてもらってもスムーズに仕事が出来ないのに上に、超仲良しの先輩が意味のわからない理由で突然退職した。先ほどをもちまして退職しました、と上司が報告した。頭が真っ白になった。

こんな辞め方って社会人やっていいんか??って思ったけど、まあ、とにかく辞めた。先輩の仕事の何割かが、しばらく臨時で私の仕事になるらしい。

これはやばい、って思った。
パソコン使えない、先輩の急な退職、彼氏から連絡こない、不安。
アカン1日になる予感しかしない。てかもうアカン1日だった。


昼になっても、仕事が終わっても、家に帰っても、彼とのLINEは既読にすらならなかった。

LINEが返って来ないことに対して、怒っている訳ではない。ただただ余計に不安が募った。


もしかしたら脳卒中とか知らん病気で倒れてるんじゃ無いか。一人暮らしだから誰にも気付かれないだろうし、1番に気付けるとしたらそれこそ私じゃないか。家まで行ってやろうか。でもこれで何ともなかったとしたら頭のおかしい女じゃんか。そもそもLINEがマメな人じゃないんだからたまたま返って来ないだけじゃないか。いやでも22時半から朝8時半までLINEを返す余裕も無いことなんてあるのか。あるか。だとしても私の「電話できる?」に既読も付けないなんてするかな。そもそもいつも既読無視はよくしてるけど今回は既読すらつかないじゃないか。この間会った時に私は何かしてしまったのか。やっぱり倒れてるんじゃ無いか。あぁ。

彼が死んでたらどうしよう。


ついに私は頭の中で彼が死んだという結果に行き着いた。冷静に考えると心配の度が過ぎるし、多分そんな簡単に人は死なない。

PMSの不安感に全方位から包まれてしまっている私は、このド極端ネガティブ思考から逃れることが出来なくなっていた。

そして彼からの最後のLINEからほぼ24時間たった21:30。私の我慢は限界に達した。


「ねえ!
生きてるか心配になるから
既読だけでもつけて😭😭😭」


LINEを打つ手はおろか、送信を押す手も止まらなかった。気を紛らわすためにお風呂に入ったけど、ソワソワが止まらなくて頭がおかしかった。

いつもの私はこんな不安じゃないのに。
たかがLINEを24時間返さなかっただけで口調が強まる女。こんなの良くない。もし彼が情緒の安定した私を好きになったなら、嫌われたって仕方ない。そもそも嫌われたからLINEが返って来ないのかも。いや、そんな中途半端なこときっと彼はしない。そうなるとやっぱり、死んでるのかも。

そんな思いで髪の毛を乾かし、乾き切ってないのにLINEを確認したくて、部屋に戻るや否やiPhoneを見た。





「心配させてごめん!
バタついててLINE見れなかった!

今夜電話できる??」


いつも通りの、彼からの返事が来ていた。

…………生きてた。

生きてた〜〜〜〜!!!!!



「今夜電話する!!」と即効返事を返した私は、突如襲いかかる安心感と待ちわびていた電話をできる喜びで、さっきまでの不安感が90%くらい吹っ飛んだ。なんかもう電話しなくてもいいや生きてたんなら、とさえ思った。

電話で最初に「心配かけてごめんね」と謝る彼に対して、「ううん」と冷静に答えた。

一言目に「ねえ!」と入れたLINEは初めてだったから「やべ!怒ってる!!」とかなり焦ったらしい。

昨日の夜は早く寝ちゃって、今日は朝から仕事がバタついて既読を付けることも後回しにしちゃったんだ、と丁寧に説明する彼。私は怒ってたわけでは無かったから、あっさりした相槌に彼もホッとしたようだった。

私は私で、電話越しの彼のいつも通りさにホッとしていた。


本当に死んだかと思ったこと、この間会った時なにかやらかしたのかと不安になったこと、恐らくPMSだろうということ、今後もこういう精神状態の日が普通にあり得るということ。

全てを話すうちに、そして話を聞いてくれる穏やかな彼の相槌に、私の心は落ち着いていった。


「そういう辛い時はこれからもちゃんと言って。」

「そういうの分かった方が、それなら仕方ないってこっちも思えるし対応するから。」

「辛かったね、そんな日に追い討ちかけて心配させたりしてごめんね。」


そう言って静かに受け止めてくれた。

「いやぁ、でも愛を感じたなぁ。こんなに心配してくれるとは…」と最後に嬉しそう付け足された彼の言葉を聞いて、不安だった自分が馬鹿みたいだなあと笑ってしまった。


この一日、なんなら今週入ってから、私はずっと悶々としていた。

不安な気持ちはどんどん膨らんで、ネガティブがネガティブを呼び込んで、ひとり抱え込んでしまっていた。

「言い方に気をつけてなんでも言い合おうね」って最初に言ったのは私なのに、不安感に包まれた私はそんな自分の言葉も忘れて殻に閉じこもった。

ネガティブに覆われた私は、本音を言ったら嫌われるんじゃ無いかなんて被害妄想まで繰り広げていたし、伝える能力さえも失って「ねえ!」から始まるLINEを何も悪くない彼に送りつけた。最低だ。我を失っていたとしか言いようがない。

疲労もPMSも不安定な心も、ネガティブな気持ちはコミュニケーション能力さえも奪ってくる。

そんなネガティブに覆われて我を失った私を、彼は包み込んでくれた。

話を聞いて、受け止めて、ネガティブな気持ちごと包み込んで、最後は何故か勝手に愛を感じて嬉しそうにしていた。

優しくて穏やかな彼には、感謝しかない。



PMSが落ち着いた私は、あの日書いた自分のコラムを読んで「誰これヤバすぎ」とちょっと引きながらフフ、とニヤけるレベルまで回復した。

後に彼との会話で知ったのだが、一応男性も生理があるらしい。(女性よりも軽いらしいし、いろんな説があるらしいけど?)

「俺が生理の時も言うね」と冗談まじりに言う彼に、「辛い時は言って!優しくしてあげる!!」と答える私。

私もいつか、ネガティブな気持ちごと包み込んであげたい。
包み込みあえるような、2人で居続けたいと思った。




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