「男からプロポーズなんて時代錯誤じゃない？」って言っちゃう親友が結婚する話。
親友Nが結婚する。
数々の怪奇な旅行を共にして、月1ペースで会って喋り倒して、ゲラゲラ笑い合った大親友が、結婚するのだ。めでた過ぎる。
彼女との出会いは高校1年生。2年間偶然同じクラスになって、仲良くなった。
高校卒業間近の時にカフェのアルバイトを紹介してもらって一緒に働いた辺りから、私たちの距離はぐんと近づいた。
各々専門学校に進学してからは、バイト先でも会うし、しょっちゅうご飯に行ってはあり得ないくらい喋って、クリスマスには京都や広島に旅行に行った。もしや我らって付き合ってる？ってくらい一緒にいた。
19歳の時、彼女がオーストラリアに留学に行っている間も頻繁に連絡を取っていたし、留学から帰ってきたタイミングで2人でイタリア旅行に行った。
お互い初めての長期旅行で丸1週間一緒にいるのにも関わらず、特につらくも無く、疲れもせず、全く揉めず、永遠にご機嫌で喋り続け、飛行機に乗り遅れても数時間で笑いに変えて失敗を存分に楽しんだ。
お陰で私は海外の魅力を知って、その後もいろんな国に興味が湧いて世界が広がった。
初めての海外旅行がNとだったから。
私たちは多分、この辺りから「親友」だったんだと思う。
私は彼女に対して「ウチらって親友だよね？！」って小学生みたいな気持ちでいる部分があったようで(24歳11ヶ月)、先日まさかのインスタのストーリーで結婚を知った時はショックでちょっとだけ泣いた。
「なんで直接の言ってくれなかったの…？！ヒドイ…」と落ち込んで22時過ぎに布団に入ったら、そのまま寝て次の日には「まあ何で知ろうとどうでも良いか」と立ち直っていた。落ち込むという言葉を二度と使わない方が良いと思った。
そもそも彼女は以前から、結婚した方が金銭面のメリットが多いだのマンション買おうと思ってるだの、なんとなく結婚を考えている感は出ていたし、
言ってた通りに事を運ばせただけで、驚くのも変だな、と時間が経つほど府に落ちた。
後日、おめでとうと伝えたあと、「どうやって結婚の話に至ったの？」と聞いたら、
私から○月○日に入籍しよって言った！
彼氏は「…え？！俺からプロポーズしようと思ってたんだけど…」って言ってたけど、今どき男からプロポーズって時代錯誤じゃない？
なんで男の人のタイミングに合わせなきゃいけないの？って思うから、そう言ってやった！
とのことだった。
私はめちゃくちゃ笑ったし、「やっぱりサイコー！Nらしくいれる人と結婚できて良かった！！！」って、どの立場？みたいな安心感があった。
私は彼女のこういう頼もしいところに、とにかくたくさん影響を受け続けている。
「イランに行けないと死ねない！！！」って大騒ぎして調べまくったり、私や彼氏を差し置いて1人でトルコに行っちゃう逞しさ。
社会人4年目の頃には、ホテルマン→大手銀行の受付嬢→エステティシャンと、3つ目の職にありついている生き上手さ、努力家なところ。
節税のことや年金のことにまじでめちゃくちゃ詳しいこと。将来の事を考えてリスク回避を惜しまず、じっくり下調べして、ベストなタイミングで動くところ。
私1人では気づけなかった世界情勢やお金の知識をくれたのが彼女であった事は、数え切れないほどにある。
そしていつも、私好みの優しさと世渡り上手さを持っている。
旅行中にちょっと体調を崩しても必要以上に心配しないで放っておいてくれるところ。
電車やバスに乗り遅れても、予定通りに行かなくても、パリで私がスリにあっても、めちゃくちゃポンコツなミスをしても、笑ってネタにしてくれるところ。責め立てたり、感情的にならないところ。
くだらないことで文句を言わないところ、愚痴になる前に仕事を辞めるだの縁を切るだの、潔い取捨選択が出来るところ。
1人の時間も楽しんで、仕事も苦にならない事を選べるところ。めんどくさいことにも向き合って、ストレスを溜めない生き方を歩めるところ。スルースキルも抜群。
悩む時間がほぼ無くて、自分1人で解決してしまう私たちは、いつも事後報告。だから悩みを相談したり愚痴るんじゃなくて、全てを笑いに変えて喋るだけ。
こんなに尊敬できて、ベストな親友がいるだろうか？
だって私は、ヤバイ国に旅行に行くならばムキムキのSPより彼女の方が安心するし、
資産運用するならばどこのファンドマネージャーより彼女に任せたいし(絶対断られる)、
彼氏が良い男か第三者目線で確かめてもらうならば経験値の高いスナックのママより彼女が良い。
書きながら「親友とは？？」ってなってきたけど、とにかく私は彼女に対する信用度と安心度がめちゃくちゃに高いのだ。
彼女が競走馬なら全額賭けれる。
…ちょっと嘘だけど、そのくらい信じ切っている。
多分これを彼女に言ったら
「100%とか無いよ？」「人って何しでかすか分かんないからさ！」「てか馬にしないで」
とか言われそうだけど、そのくらい頼れる、信頼できる、ちゃんとした人なのだ。
もちろん怒らせたら一言も発せなくなるくらい論破するであろう怖さもあるし、気も強いし、普通の人間が旅行したいとは思えない国に行きたがるし、アメリカとイギリスの悪口をデカい声で言うし、カンジャンケジャンにハマりすぎて取り寄せて1人でお腹壊すし、犬に対してだけキャバクラに通うおっさん並に貢ぐ所もあるけれど、
そういう奇行も含めて、ネタが尽きない魅力的な親友。
そんなNに付いてきてれる、反発しないでいてくれる、穏やかに一緒にいてくれるようなパートナーが見つかって、本当に良かったね。
結婚したからといって幸せが保障されるわけではないと思う中で、「もし離婚した時に自分がいくら貰えるかとか調べ済み！」と言う彼女は逞しくて、この先どんなことがあっても幸せになると思うし、
たとえ不幸になっても、私と一緒に旅をしたら、きっと元気を取り戻してくれるという自惚れもあるから最悪の場合頼って欲しい。
「人妻になっても旅行行こうね遊ぼうね」って言ったら、「当たり前じゃーーーん！」と元気に答えてくれたから、私たちはお婆ちゃんになっても仲良しでいようね。
パートナーがいても、いなくても、
幸せでも、不幸でも、
私たちは永遠にお喋りが止まらない、唯一無二の親友でいよう。
結婚おめでとう。幸せになってね。
※この記事は、
親友Nに送る婚約祝いの気持ちで
書いたものです。
#日記 #エッセイ #コラム #結婚 #幸せ #親友 #ジェンダー #祝電
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？