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「FACTFULNESS」人口ピラミッド

こんにちは。うつ病休職エンジニアの三十郎です。

「FACTFULNESS」と言う本がベストセラーになりましたが、テレビで全然「FACTFULNESS」じゃない放送を見ました。評論家なる人が「インドの人口ピラミッドは三角形」と嘘を伝えてました。正解は「釣り鐘型」です。

ということで、今、世界の人口ピラミッドがどうなっているのか、確認すると共に、2050年頃から世界人口が減り始める可能性について見てゆきたいと思います。(扉絵の人口ピラミッドは、「WORLDLIFEEXPECTANCY」を元に作成、以降の人口ピラミッドも同データに基づく)

1.先ずはインドの人口ピラミッド

インド

ねっ、もう三角形じゃ無いでしょう。これには2050年の予測値まで載せていますが、予測なんて当てにならない? 経済予測や地震予測は、当てにならないけれど、人口予測だけは、かなりの精度で当たります。

国連は、MAX、MID、MINの3パターンを予測していますが、MINの方が当たる気配です。それどころか、もっと早くピークアウトを予測する「2050年 世界人口大減少」なる本が物議を醸しています。その本では2050年頃に世界人口は90億人弱まで増えるが、2100年には70億人強まで減るとのことです。

では、年代と共に人口ピラミッドの形が変わる理由を説明します。先ず、大前提は生き物は種を絶やさないために子供を産むことです。

ピラミッドが三角形の時は、子供がたくさん生まれても、成人するまでに死ぬ確率が高い状態です。それを見越して、子供を多めに産みます。

ピラミッドが釣り鐘型の時は、乳幼児医療が発達し、生まれた子供が成人するまで死ぬ数が少なくなるため、たくさんの子供が必要なくなります。また、農業中心の社会から、工業、3次産業へと産業構造が変化し、農家の人手としての子供も必要なくなります。学校へ行かせるのが当たり前になります。

ピラミッドの裾が細くなるとき(ローソク型)は、社会の都市化が進み、多くの子供を抱えることが経済的負担になるから子供の数を控えます。教育費負担が多くなり、子供の少数精鋭化が進みます。

この法則は、人種、宗教を超えて当てはまるそうです。社会が発展すると少子化になるのは、経済的理由と、そもそも出産は女性の体への負担が大きく、女性が多産を望まないからです。子供の数の決定権は女性の方にあるようです。

2.国連が2050年97億人と発表したのは?

発表当時の統計に基づいたMAXパターンですが、このままでは人類に危機が迫るのを煽る狙いだと思います。だから争いをせずに協力し合いなさいと。

しかし、人類の急速なテクノロジー変化までは、計算するときの変数に十分反映されていなかったため、現実の人口は国連推計よりも少なめに推移しています。都市化の勢いは増すばかりで、女性の社会進出も想定以上の速度で進行しています。また、医療の発展は全世界に高齢化をもたらします。

これらは人口増加の強力なブレーキになるので、国連予測を下回るのだと思われます。人類が永続的な繁栄を目指すなら、地球環境に、これまで以上の負荷がかからない人口とする必要があるでしょう。

今でも、世界中の人が、アメリカ人並みの生活水準を享受するには、地球の数が6個必要との試算があります。

3.日本の人口ピラミッド

日本

日本の人口ピラミッドは世界の先行指標とも言われています。1960年頃は三角形に近かったです。そして、釣り鐘型になり、ローソク型、棺型(ドラキュラの棺)へと変わります。戦争やベビーブームの影響で多少いびつですが、確実に少子高齢化となり、人口は次第に減ります。

以下は、総務省発表の日本の人口推移予測です。

日本の人口推移

1950年、約8400万人から2005年頃、約1億2千万人のピークを迎え、2060年には約8600万人へと減少します。社会保障費が払えないなどと問題視されていますが、誰にも止められないでしょう。

この社会現象は、自然現象の一つなのかも知れません。この狭い国土に今の人口は多すぎるのです。山間部まで生息域を延ばしているではありませんか。今後は、集落、都市部にまとまって住み、社会インフラのコストを抑えなければ生活できなくなるでしょう。山の中まで広げた居住地は、自然へ返すべきです。自然災害を恐れて、これ以上社会インフラを増強するのは無理です。「弱者切り捨てだ」と怒る方もいるでしょうが、切り捨てないと未来の日本は成り立ちません。

江戸時代は約3000万人の人口でした。そこまで減らせとは言いませんが、欧州各国並の5000~6000万人ぐらいがちょうど良いのでは無いでしょうか? 人口が右肩上がりを続ければ、いずれ自然界とのバランスが崩れ、生活が破綻します。現に人口が減り始めているのは、丁度良い人口を探り始めているのだと思います。

4.世界各国の人口ピラミッド

世界の人口ピラミッド3

ナイジェリアの左裾が切れてしまい、すみません。右裾とほぼ同じ形です。

USAは、移民の受け入れで人口が少しずつ増加しています。

中国は、いびつな形です。これは国策を反映したものです。下の年齢が少ないのは「一人っ子政策」の結果です。真ん中のくびれは、天安門に飾っている人の政策が影響しています。中国は「一人っ子政策」を撤廃しましたが、人口を増やすのは政策で操作できるほど甘くありません。日本の後を追うように、少子高齢化が進むと推測されます。

フランスは欧州の大国で唯一、女性一人あたりの出生率を2まで戻すのに成功しました。他の国は、日本より少し遅れて少子高齢化が進んでいます。そんなフランスも、2018年には出生率が1.88に減りました。財政支援で増やしていたのが、財政が持たなくなってきて支援を減らしたのが原因らしいです。

他の途上国は、インド型から日本型へと徐々に変わっています。現在、例外なのはアフリカ、サハラ砂漠以南の途上国です。ここの人口ピラミッドが三角形なので、世界人口を増やす原動力になっています。しかし、いずれはインドのように変わるでしょう。そして、そのタイミングは、我々の想像よりも早く到来する可能性があります。

5.世界は人口増の重みに耐えきれるのか?

答えは「No」です。途上国の人達にも豊かな暮らしを享受する権利があるからです。「発展を止めてくれ」と言ったどころで「お前達こそ、昔の生活に戻れ」と言われるだけでしょう。

特に世界でも最高に一人あたりの資源消費が多いUSA。「他の先進国レベルまで下げろ」と言っても「アメリカ・ファースト」と返してくるでしょう。

でも、徐々に変化の兆しが見られます。地球環境の保全に消極的だった中国が、世界の先頭に立って環境問題に取り組もうとしています。理由は、今年の大雨でしょう。中国内陸部や南部が壊滅的被害を被りました。やっと、このままではやばいと実感したのです。

USAは、現状、山火事程度の被害で収まっていますが、中国のような壊滅的被害を被らないとは思えません。地球温暖化は、海に囲まれた日本のような国では、海水温のおかげで被害が比較的少ないですが、内陸国は影響をもろに受けるため、無事では済まないでしょう。

現在、地球の大型動物の体重比は、人間:2、家畜:7、野生動物:1という、異常な状態です。人口減は、人間が暮らしやすい環境へと導いてくれることでしょう。これも自然の摂理なのかも知れません。





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