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#金木犀
金木犀の香り //211030四行小説
悠然と街を歩き、その匂いがすれば辺りを見回す。深緑の葉の間から見える小さい花の蕾はまだ開いていないが、どうやら抱いた匂いが漏れているらしい。花は明日にでも開き、満開になるのだろう。花は桜、匂いは梅と言うけれど、そろそろ秋はこの甘い金木犀の香りを季節の代表としてもいいのではなかろうか。
金木犀 //211004四行小説
空気が違う。好きな匂いが混ざっている。家を出た瞬間に気付くのは、待ち遠しかったその匂い。
今年も金木犀の甘い季節がやってきた。
空想の香り //210922四行小説
世では金木犀の話をし始めているから、咲いているところには咲いているのだなぁと思う。この時期の風物詩、金木犀は本州以南の人にとって親しまれる花の一つであろう。
とはいえまだ自分の住む地域には咲いていない。
どんなのだったろうかと去年までの匂いを記憶とともに思い出し、あの日の友人と空想の香りを嗅いでいる。