金木犀の香り //211030四行小説

 悠然と街を歩き、その匂いがすれば辺りを見回す。深緑の葉の間から見える小さい花の蕾はまだ開いていないが、どうやら抱いた匂いが漏れているらしい。花は明日にでも開き、満開になるのだろう。花は桜、匂いは梅と言うけれど、そろそろ秋はこの甘い金木犀の香りを季節の代表としてもいいのではなかろうか。

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