星花の散る //211111四行小説

 冷たさが頬に触れ、湿った空気がのどを潤す。黒いアスファルトは濡れていて、街灯に照らされ光が点描で描いたみたいに円に浮かんでいる。
 金木犀の匂いがあまりしないと思ったら、咲いてから時間が経って色が薄くなり夕に降っていた雨に散ったらしい。散った花弁はアスファルトに散らばって、花弁は一等星、街灯は天の川を作り足下には宇宙が広がっていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?