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Will Can Must面談が上手くいかない理由

Will Can Must(略:WCM)は、キャリアを考える際に思考を整理する考え方の1つで、「自分にとってのWill(したいこと) Can(できること) Must(しなければならないこと(業務))を整理して、3つの輪が重なりができるだけ広くなるようにキャリアを考えていくといいよね」というような考え方です。


最近では、キャリア研修だけでなく、1on1面談、目標設定などでもこの考え方を使ってコミュニケーションをとる会社が多くなりましたが、

WCMの導入って、
考えていたより難しいなと感じています。


考え方は理解してもらえるのですが、
いざ導入すると、そのほとんどがWCMの考え方を利用した面談になってないのです。

それはなぜか?私なりに要因分析をしてみました。

WCM面談が上手くいかない管理職にありがちなこと

1.Canの抽出が粗い

悪い例:
「君のCanは…
・アポイントとれるよね
・商談できるよね
・契約周りの事務作業できるよね」
良い例:
「君のCanは…
・テレアポで話が盛り上がることが多いよね
・○○のサービスの提案は他の人より契約率が良いよね
・一見ニーズの見えないお客さんをその気にさせるのが上手だよね」

Canというので誤解されがちですが、
特に得意な事(強み)具体的に出してあげるのが重要です。

この得意な事(強み)がMustやWillを実現するための足掛かりになるので、出来るけど苦手意識のあることを抽出していたり、抽象度が高いままにしていると、つながりと納得度が薄くなってしまいます。

2.WillとMustをつなげられない

メンバーのWillが
「マネージャーになりたい」
「営業で1位をとりたい」
という場合はいいのですが、

以下のようなWillが出た時、
どうしたらよいかわからなくなってしまう管理職は多いと思います。

例:
・10年後は、専業主婦になって家族を支えたい
・5年後は、家業を継いで日本一にしたい
・役職は興味ないけど、人の役に立ちたい


この場合は、
Willを実現するために必要な力
小さくなるまで分解して、

その力を身に着けられるMust(業務)を探し、

「君のやりたいことに繋がるから、
日々の業務でこの力をつけていこう」

というストーリーを一緒に考えていくことが必要です。


上記の例でいうと、こんな感じですね。

管理職「では、どんな専業主婦になりたいのかな?」

メンバー「家族をサポートして、子供たちの将来を叶えられるお母さんになりたいです」

「子供たちの将来…か。では、進学とか、就活の相談にのれるといいよね」

「はい、そういう時に頼りがいのあるお母さんは理想です」

「では、その時に自分の体験から語れるように、『仕事で活躍する人』ってどんな人なんだろうと学びながら仕事をするのはどうかな?

仕事ができる人の判断軸とか、能力とか、そういうことを実感値で分かっているお母さんってすごいと思わない?」

「…そうですね!それができたら仕事で活躍することを見据えた子育てもできそうです!」

「では、そのためには、普段の仕事でどんな経験をしたらいいのかな?」

「…なら、一度No.1営業を経験してみたい。一番になるためにはどんな能力が必要なのか理解したいです!」


この話は、実際に前職で先輩から聞いた話です。

専業主婦を目指していた先輩は、このWCMで自分の仕事を頑張る意味を見つけ、営業でトップを目指し、新規事業の提案まで挙手してバリバリに仕事をしていました。

キラキラとした目で自分のWCMを語れる先輩をみて「格好いいな」と強烈に思った記憶は今でも残っています。


3.Mustを中心にCanとWillを寄せながら話してしまう

「2.WillとMustをつなげられない」時に、してしまいがちですが、

やるべきこと(業務)の延長線上に、メンバーのWillを強引に持ってきてしまうケースも多くあります。

この場合、メンバーの納得感が醸成できておらず、結果、WCMが機能しないことが多いのです。

以上、3つはWCMを経験したことのない管理職が陥りやすいポイントですので、導入する際は、意識して、説明やフォローをしていくと良いかなと思います。




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