仕事をどう選ぶのか?(後編)
前回「仕事をどう選ぶのか?「科学的な適職」」では、私のキャリアの選択の体験を中心に、振り返ってみました。
今回は、私の仕事選びの考え方の基となった2つの理論と、人事としての視点について。
1.最低限必要とする労働条件の整理
ハーズバーグの二要因性理論
仕事における満足は「動機付け要因」から、不満足は「衛生要因」に起因するという理論です。ただ、不満足(衛生要因)を大きく満たしたとしても、それは仕事への満足に繋がるものではないとしています。
動機付け要因
例:達成すること、承認されること、昇進、責任の拡大など
衛生要因
例:会社の方針や職場環境、給与、対人関係、福利厚生
よく「労働条件(給与、休暇、待遇)を志望動機にすると面接で落とされる」と言われるのは、ハーズバーグが提唱している通り「労働条件は不満に思わないための条件で合って、満足(活躍)する条件ではないから」かもしれません。
労働条件は「自分が不満に思わない最低限」が何なのかを、ギリギリのギリギリまでシンプルに考えていました。
2.動機づけされる要因は何なのか
Dsic理論
1920年代にウィリアム・M・マーストン博士により提唱された自己分析方法で、人間の行動思考を以下4つのタイプに分類しています。
「D/Dominance」=主導型※活動的×論理的※
優先事項:即座に成果を出す、行動を起こす、自分や他者に挑戦する
動機付け:権力および権限、競争、勝利、成功
恐れ:コントロールを失うこと、利用されること、弱さを見せること
「i/influence」=感化型※活動的×同調性※
優先事項:熱意を示す、行動を起こす、協働を促す
動機付け:社会的認知、グループ活動、友好な人間関係
恐れ:社会的排除、認められないこと、影響力の欠如、無視されること
「S/Steadiness」=安定型※思慮深い×論理的※
優先事項:正確さを追求する、着実さを保つ、前提に疑問を持つ
動機付け:専門技能を用いる機会、知識を得る機会、クオリティへの配慮
恐れ:批判されること、ずさんな方法、間違うこと
「C/Conscientiousness」=慎重型※思慮深い×同調性※
優先事項:支援する、着実さを保つ、協働を楽しむ
動機付け:安定した環境、誠意のある感謝、協力、支援する機会
恐れ:安定の欠如、変化、和の欠如、他者の感情を害すること
自分がどのタイプかにより、合う社風や経営者の考え方が分かってくるかと思います。特に、「優先事項、動機付け要因がその仕事(会社)にあり、恐れは少ないか」を見ておくとよいかなと思います。
自分の特性から仕事を探す方法は「苦しかった時の話をしようか」でも書かれています。復帰後、キャリアに悩んだときは、こちらの本を参考にキャリアの方向性を検討しなおしました。
参考:キャリアに悩む時:苦しかったときの話をしようか
3.活躍する人の共通項(人事の目線)
仕事選びの成功は「入社後に活躍できるかどうか」だと考えています。
人事として、新入社員10年以上見てきて感じた、入社後に活躍する人の共通点は以下です。
・素直に会社や先輩の方針を実行する
・会社の人(上司・先輩・同僚・後輩)と良き友達になれる
・(200人以下の小さな会社)経営者を尊敬できる
・会社のネームバリューに価値を感じる、サービスや商品が好き
リアルではあまり言えませんが、入社時のスキルや熱意、夢はあまり関係なく、入社していかに早く自分らしく働けるか(会社に染まれるか)の方がずっと大きく影響するなという感想を持っています。
4.まとめ
私が仕事を選ぶ時に考えること
1.最低限必要とする労働条件の整理(二要因性理論)
2.動機づけされる要因は何なのか(Disc理論)
3.会社に身も心も染まれるか(人事目線)
今時点(新卒→転職→育産休→復帰)では、こんな感じです。ただ、ワーママになってから「1.最低限必要とする労働条件」は少し変わりましたので、数年後はまた少し考え方が変わっているかもしれませんね。
キャリアの考え方には様々ありますので、人ぞれぞれ正解は違いますが、人の判断軸や考え方を参考に、新しい「判断軸」で仕事を見直すことができるかもしれません。
もしよければ、皆さんのお考えもぜひ教えてくださいね。
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