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グローバルなエネルギー企業の、痛いニュースと株主のポジション

WTI原油価格の下落が、エネルギー関連企業の株価を直撃しています。新型コロナウィルスのパンデミックによるエネルギー需要の急激な減退と、サウジアラビアが仕掛けた原油増産による価格破壊により、日米欧のエネルギー関連企業の株価がリーマンショックを上回る激震に揺れて、総崩れ状態といっても過言ではありません。

最近の価格帯は、1990年代の20ドル台で推移しています。つい、一か月前までは50ー60ドル台あたりで推移していたので、約6割ほど下落していることになります。

かくいう20.315も、その影響をもろにかぶっています。米国株として保有しているエネルギー関連株はBP(BP=ブリティッシュ・ペトロリアム)とオキシデンタル・ペトロリアム(OXY)ですが、前者は含み損が約-55%、後者にいたっては約-80%とという驚愕のマイナスに陥落しています。

原油価格の急落を受けて、OXYのみならず、シェブロン(CVX)やマラソン・ペトロリアム(MPC)など大手エネルギー企業は、設備投資の抑制や計画縮小、経費圧縮策を相次いで発表しています。

こうした状況の中、気になるニュースがありました。

「アクティビスト(物言う投資家)のカール・アイカーン氏は米石油・天然ガス会社オキシデンタル・ペトロリアムの株式保有比率を引き上げた。原油急落で同社の株価も大幅に下落。原油相場が劇的に下げれば減配を余儀なくされるだろうとした同氏の予想が的中した。(中略)
オキシデンタルの株価は今週56%下げ、足元の時価総額は昨年のアナダルコ買収額(370億ドル)の3分の1にも満たない。同社は10日、四半期配当を86%引き下げると発表。世界的な商品相場急落を受け、債務返済に必要な現金を維持するための措置だと説明した。」(2020/03/12 Bloomberg)

グローバルなエネルギー企業2

アイカーン氏は、OXYの株式持分を2.5%から約10%に増やしたそうです。さらに、OXYの経営陣交代を要求しているといいます。OXYは昨年5月、アナダルコ・ペトロリアムの買収に際して、シェブロンと争い、バフェット氏から100億ドルを調達して買収合戦を制した経緯があります。

つまり、OXYをめぐっては、バフェットVSアイカーンという構図になっているわけです。長期投資家とアクティビストの双方がOXYの株を大量に保有しているわけですが、別に敵対しているわけではありません。

アイカーン氏は株価が戻れば、すぐに売却しそうですが、バフェット氏は今後も長期で保有し続けるでしょう。ちなみに、バフェット氏は、デルタ航空の株を今回の急落時に買い増ししているといいます。

いずれにしても、双方に共通していることは、株価が急落した時に大量購入するという姿勢です。この点は、投資家として学ぶべき点でしょう。

それにしても、OXY、減配が痛いです・・・。1株あたり、79セントだった配当金が、11セントに。-86%の減配です・・・(涙)。

バフェット氏は現況を、株式市場からの「招待」である、といっておられます。オマハの賢人にならえば、今こそ「買い」であり、長期にホールドすべしということでしょう。

このようなマーケットの中で、賢人になるのはなかなか難しいぞ、と思う20.315です。

※写真冒頭は”資源エネルギー庁HP”から、中段は”Sputnik日本”から。


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