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転職せずに社内転職でキャリア転換した話

1. はじめに

”JTC残留エントリ”という形で、転職せずにJTCに留まることを決めた経緯を書いた。

その中でも、”社内で希望する部署に異動するための手段を見つけること”が次の課題であるとしていた。
今回、その手段を社内公募とし、運良く実現することができた。

社内公募に至るまでの経緯や、導き出した社内転職のメリットを書くことでどこかの誰かの参考になればと思う。
転職が当たり前の世の中になりつつあるが、求めるもの次第では社内転職でもいいのかもしれない。

2. きっかけは転職エージェントから来た1件の求人案件

結果としては、転職せずに社内転職とも言える社内公募によって、働く国と業界を大きく変えることとなった。
社内公募に関しては、あまりいいイメージを持っておらず、最後の手段という認識でいた。
具体的には、”裏切り者”というレッテルが貼られるのではないか、所謂”出来レース”なのではないかなどと考えていた。

そんな中でも社内公募を真剣に考えるきっかけとなったのは、とある転職エージェントからの案内であった。
”日系大手の中で成長著しい商材を扱っている部署の海外マーケティング”という求人情報であり興味を持った。
実際にエージェントと面談してみたところ、「あなたの経歴なら7割方内定もらえると思います!」とポジティブな意見を頂けた。

その根拠の一つに、募集条件の一つに”以下の企業に勤務している方を優遇”とあり、その中に私の勤め先が入っているからということであった。
この時点で強烈な違和感を感じたのだが、そこまで言ってもらえるなら先ずはアプライしてみて追い追い考えようと一旦は流した。

「書類審査合格は間違いないです!」との言葉を信じて、面接対策のために業界研究・企業研究を始めた。
B2B事業ということもあり一般的には馴染みがない分野であり、恥ずかしながら競合がどのような企業かすら知らない始末であった。

業界研究の第一コーナーにて、以前に感じた強烈な違和感の正体を突き止めることができた。
競合の一つ、いや最大の競合は”弊社”であった。この製品を扱う事業部は存在こそ知っているが全く馴染みもなく、現在所属している事業部とは全く関係がない。

転職エージェントは、事業部まで見ずに会社名のみを見て私に可能性があると判断したのであろう。

しかしながら、聞いた話を総合すると応募先企業が求めているのは”業界経験者且つ、(かなりピンポイントに)競合企業にて同製品を担当している人”であることが浮かび上がってきた。
これは転職エージェントのミスであろう。
可能性は極めて低いなと判断したものの、念の為エージェント本人に確認してみることとした。

本音か建前かはわからないが、エージェントは「業界経験がなくても可能性はあります。過去にも実績があります。」と変わらずに強気な発言を続けた。
ここで言い争う必要性はないし、何よりも既にアプライ済みであるので、後は淡々と書類選考の結果を待つしかないのが実情であった。

一方で、期待はしないものの、万が一面接に進むことを思うと業界研究・企業研究は続けなければならず、最低限はやり切った。

更に、少々気が早いものの、いざ内定をもらえた際に本当に転職すべきなのかを検討する材料として、応募先企業の年収レベルや福利厚生なども調べてみた。
応募先企業に勤務している友人もいたので、ネットの情報に加えて生の情報も得ることができた。

結果的には、年収レベルは現職と大差がなく、福利厚生は家賃補助などの面では応募先企業が勝り、手残りで考えると多少のプラスはあるかもしれないという程度の差であった。

退職金のことを考えるとマイナスになるのだろうか。
その点は、現在の環境から脱出するためのコストと割り切るしかないのだろうか。そんなところまで考えていた。

さて、内定をもらえたら転職するだろうなと気持ちが固まってきたタイミングで、残念な知らせが飛び込んできた。
案の定といえばそうなのだが、”書類選考で不合格”という結果に正直なところ落ち込んだ。

この一見無駄にも思えた転職活動が転機となり、今回の社内転職に繋がるのだが、勿論この時点ではそんなことは梅雨とも思わなかった。

3. 転職する覚悟に比べたら社内公募は大したことない

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