「教会アトリエ」 ～あったらいいな

私は今　障がいある人もない人も
自由に制作するアトリエを開いている

そこに指導や評価は存在しない
ひとり一人の存在を当たり前に許される
そんな教会のようなアトリエだ

絵を描く人
機嫌の悪い人
ふて寝する人
読書する人
お菓子食べて寝る人
おしゃべりしたい人
何も考えずにボーっとする人

いろんな人がいる

この人たちがそこにいながら
自分たちらしく
一日仕事に携わる場所を創りたい

どんな仕事だっていい
いろんな仕事があっていい

例えば　お世話好きなゆいちゃんは
絵を制作する人のお手伝いアシスタントがいい
車いすのはるちゃんが制作するときは
ゆいちゃんのサポートは抜群だ
また正規のスタッフさんのお手伝いも得意だ
事務仕事や運搬　その他もろもろのことも

おしゃべり好きなかずちゃんは
いろんな人と距離を感じず　親し気に話す
相手を楽しい気持ちにさせて
相手から言葉を引き出す
かずちゃんは
いろんな人の気持ちを引き出し
その人の心を和ませる
だから人の心を癒すカウンセラーみたい

ゆうちゃんはいつも黙々と絵画を制作する
仕事のように　作家のように

けんちゃんは
誰もまねできない独自のデザインで
イラストを描く
海外から買い付けが入ったこともある
ナチュラルで気分屋だから
描いたり描かなかったり
その時の気分で　
おしゃべりで一日の大半を過ごすこともある
気のままに描いた作品は人の目に止まり
何かしら外部からのオファーがよく来る

たかちゃんはいつも大変だ
心の中は常に変動していて
ほんとに生身の心で生きている
悔いたり　安堵したり　悲しんだり　喜んだり
それを繰り返しながら
これまたとんでもない作品を生み出す

心の中をすべて映し出したような
生きた絵を描くたかちゃんの作品は
どんなものでもデザイン化できる
グッズや建築の壁もデザインできる

しげちゃんは
アトリエに和やかな空気を醸し出す
人間まるごとにその優しさで人を包み込む
そしてのんびりと自分の好きな切り絵に勤しむ
だけどやっぱり人が好きでおしゃべりしたくなる

私はアトリエの中から自然と生まれる仕事や
社会や地域という外から必要とされる仕事を融合し
この教会のようなアトリエで仕事として携わり
働いて一日を当然のように過ごす
そんな場所を創り出したい

それは福祉事業所か
はたまた会社か

どんな事業形態か　今はわからないけど
教会のように　誰もが存在が許されて
ひとり一人が働いて一日を過ごす
みんなの居場所のような
そんな「教会アトリエ」を
この世の時代に創りたい


2024年8月14日