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くも猫ふわふわ日記 日光の棚田稲刈り

くも、ねこ

10月2日 八代市日光(にちこう)の棚田の稲刈りの手伝いに行った。今年の6月たまたま写真を撮りに行ったのがきっかけで、出会った老人チーム (失礼) に誘われ、田植えから、ソバの植え付け、いよいよ今回が最後の稲刈りのサポート体験なのだ。
秋空、吹く風も気持ちよく太陽の陽ざしもまだ強い中、自分たちで春に田植えした稲がこんなにも伸びたのかと、感慨深く思いながら、稲刈りの作業開始だ。田の前は、収穫のお祝いやカラスよけの意味もあり、案山子の家族が出迎え賑やかだ。彼岸花も終わりかけながらも石垣の畔を赤く彩っている。

まずは稲を巻くわらを束ね畔に積み上げる。次に鎌を手に持ちいよいよ稲刈りスタート。育った稲の首をつかむと細い稲、太い稲がまばら。残念ながら、これが素人田植えチームの限界なのだろうか。プロならそつなく稲の束の大きさも長さもそろうはず。そうして刈った稲を山積にしておき、それから最初に作ったわらの紐で稲の束をくくるのだ。まったく無駄がない。

僕の前には御年91歳の地元の農家のおじいさんが居て、膝を落としどんどん稲を刈って前に進んで行く。痩せた細い手首がさっさっと稲を刈る。まるで人間稲刈り機、さっ、さっと前に前に。みんな「無理をしなすな」と気遣うが、本人は止められても体が動くのだろう。(すごい)

さて、しばし休憩、お茶に栄養ドリンクにバナナ。そして刈り取りが済んだ平らな田のスペースに、木の杭を建て掛け干しの柵を組む。「そうりゃ」と、木の杭にわらでくくった稲の束を二つに分け掛けていく。掛け方もコツがあり、7対3くらいで交互に編むように稲のわらを押しながら掛けて行くのだ。本当に無駄のない、緻密な農作業なのだ。

当然、この「素人棚田チーム」を地元の農家メンバーが支えているのだろうけど、作業をしていてだんだん申し訳なくなる。遊び半分で田植えを手伝ったわけではないけど、それにしても自分の作業が雑だった。掛け干しされた稲の実り具合にも差がある。僕らサポートチームの作業の後始末は、地元の農家の人々がこっそりしてくれていたのだろう。足元に落ちた、稲の1本をさりげなく拾い、掛け干しの稲の中にスッと差し込まれているお婆さんの後ろ姿を見ると、自分は何の役に立ったのだろうかと悔やむ。今回収穫された米は地元の学校に全量寄付されるそうだ。

帰りに、夏に撒いたソバ畑のあぜ道を通る。なんと、もう白い花が満開で風に揺らぎ、蜂や虫たちが蜜を吸いに集まってきている。ふわふわの白い雲の棚田広場。こうして、小さな小さな石積の日光の棚田は一瞬息を吹き返し、春には耕作されていなかった草の生えた土地が、白いそばの花で埋め尽くされた。赤い彼岸花、白いそばの花、苔むした灰色の棚田の石垣の景色に、みんなの収穫を祝う声が響く。

 平均年齢70歳 (以上!)老人は土で息を吹き返す!山の狸も猪も、この賑やかさに驚いただろうな。小さな、実りの秋。

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