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ロラン・バルト「S/Z」

うちでは本棚の飾りになっているロラン・バルトの「S/Z」(知らぬ存ぜぬの略じゃなかった!)。

「現代アメリカ映画研究入門」は「S/Z」を説明する題材としてリュック・ベッソンが監督した1997年の「フィフス・エレメント」を使っているので、レンタル落ちの安いDVDで鑑賞。

エジプトで学者が絵文字を解読していると、巨大な岩のような宇宙船か降りてきて、ロボットみたいな宇宙人が出てくる。300年後の未来都市になり、ミラ・ジョボビッチが再生して、高層ビルから飛び降りると、ブルース・ウィリスが運転する空中タクシーのなかに落ちる。

そのあたりまでは面白いけど、その後おふざけがすぎる。幸いなことに、五つのコードで細かく分析するバルトの手法を適用しているのは最初のエジプトの部分のみ。

この本、作品研究というより、映画理論の紹介で、「S/Z」の解説などは役に立つんだけど、「ダイ・ハード」「ジュラシック・パーク」「バック・トゥ・ザ・フューチャー」など、理論がわからなくても十分面白い作品を難しく論じているので、帯に書いてあるように「難解だと敬遠されがちな映画理論がぐっと身近」になるのか?

2017年2月2日

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