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良い論点とはなにか、論点の正体について解説した記事

こんにちは、独立して3年目の経営コンサルティング、顧問業をやっている松本です。経営や投資を通じての日々の学び、気付きや自分の頭で考えたことをnoteにまとめていきます。


◎ はじめに

「この議論の論点て何?」「この事業の論点て何?」と昨今よく論点、論点とこの言葉をよく耳にすることがあると思いますが、じゃあ「論点って何ですか?」と質問されて、明確に、自信を持って回答できる人は少ないのではないでしょうか?

今回のnoteでは『論点の正体』について、以下のテーマに沿ってときほぐしながら解明してきたいと思います。10分程度お付き合いください。w

・ 論点とは『目的達成における的を得た問い』である
・良い論点の構成要素
 1. 論点の背景には『必ず明確な目的や目標があること』
 2. 論点とは『解決できる問いであり、インパクトのある問いであること』
 3. 論点とは『論じたい、論じられるではなく、論すべき問いであること』
・論点思考を身に付ける上でのポイント
 1. この論点は何か?日々問い続ける強い意志
 2. 一度出した論点を見つめ直すこと(論点をイジメ続けること)
 3. 論点の設定に立ち返ること

日々、論点が飛び交う職場で働くビジネスパーソンの方は、ぜひご覧いただければ幸いです。

◎ 論点とは?

論点について辞書で調べてみると「議論の中心となる問題点」とありましたが、簡単に表現すると「答えるべき問い(問題)」です。

ビジネスの現場に置き換えると「目的達成における正しい問い」であり、正しさとは「答えることで目的に近づく=的を得た」という意味合いです。

まとめると論点とは『目的達成における的を得た問い』になります。

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ただ、注意すべきポイントとしては、目的達成において既に、決着がついている問いや白黒がハッキリしている問いは、当たり前ですが議論する価値のない、検討するに値しない問いになります。

そのため、まだ決着がついていない、または白黒ハッキリしていない問いであることが大前提になります。

これがビジネスで使われるいわゆる、論点の定義や使われ方になります。

議論や事業を始めたり、進めたりする上で「的を得た問いとは何かを考える力」が問われてきます。

次に、良い論点に求められる構成要素とは何か?について考えをまとめていきます。

◎ 良い論点の構成要素について

良い論点の構成は、以下の3つの要素が備わっていると考えました。

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1 / 論点には、必ず明確な目的や目標があること

当たり前ですが目的、目標がないと正しい問いを立てることはできません。
また、ここを理解しないと適切な問いを設定することはできません。

例えば、来年の売上目標を作対比で300%を目指すのか?それとも120%を目指すのか?で目的達成における論点の設定は変わってきます。

天才物理学者であるアルベルト・アインシュタインも

「もしも、私が地球を救うために1時間の時間を与えられたのだとしたら、59分を問題の設定に使い、1分を解決策の策定に使うだろう」

と論点設定の重要性を訴えております。

目的や目標と現在の状況との差分を把握し、適切な問いを設定する力や問題を正しく理解することに大部分の時間と労力を集中することが求められてきます。

2 / 論点とは解決できる問いであり、インパクトのある問いであること

問いを設定できたとしても、それが解決できない問いでは、机上の空論です。問いには実行可能性も必ず考慮して設定する必要があります。

どんな難しい問いも、それが正しく立てられているなら解けます。

また、問いの設定を間違えるとその後の解決アプローチをいくら改善、工夫しても、インパクトのある効果は期待できません。間違った穴を掘り続けても原油には一生辿り着けません。

3 / 論点とは、論じたい、論じられるではなく、論すべき問いであること

コンサルタント時代、先輩から以下の2軸のマトリクスを書かれて、「右上(話すべき × 白黒ついていない)が価値ある論点であり、論点には必ず「べき」を入れて欲しい」と指摘をもらいました。

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非常にシンプルですが、自分が今まで考え付かないようなメソッドだったため、目から鱗が落ちました。

・Who:誰がやるべきか?
 例)プロジェクトの責任者を誰がすべきか?
・When:いつやるべきか?
 例)新しいA市場にいつ参入するべきか?
・Where:どの、どこを攻めるか?
 例)新しいプロダクトはどのターゲットを狙うべきか?
・What:何をするべきか?
 例)生産性を改善するためには何をするべきか?
・How:どのように
 例)どのような組織体制にすべきか?
・Do:やる、やらない
 例)A社との業務提携を進めるべきか?

これらの要素が備わった論点が良い論点であり、精度の高い論点が設定できれば、その後は効果、効率的にチームやメンバーを動かすことが可能になります。

さらには、今あるリソースを最大限に生かし、目的達成に至るまでの過程を最短の筋道で到達することができます。

最後に、論点思考(論点を設定する考え方)を身につける上でのポイントについて説明します。

◎ 論点思考を身につける上でのポイント

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身につける上でのポイントは3つあります。

1 / この論点は何か?日々問い続ける強い意志

最も大事な事は、自身が論点思考を身に付けたい、磨きたいと思う強い意志です。

そしてどんな些細なことでも、毎日この論点とは何で?何をすべきか?と意識することです。

例えば、

・空腹を満たすために、ランチは何を食べるべきか?
・顧客との信頼関係を作るために、早急にメールを送るべきか?
・忘年会を盛り上げるために、誰を幹事にするべきか?

と些細なことでも上記で説明した良い論点の構成要素を意識して、以下のセルフチェックを繰り返し、日々問い続けます。

・目的、目標は何か?
・達成時のインパクトは?実現可能か?
・白黒ついてない、決着つけるべき問いなのか?

この思考を身に付けたいと強烈に願望し、アクションに移してみることです。

2 / 一度出した論点を見つめ直すこと(論点をイジメ続けること)

次に一度だした論点に対して、吟味や批判を加えます。鳥の目や虫の目を持って吟味、疑いの目を持って批判を何度も何度も繰り返し、熟成や進化させることができるか?です。

こうすることによって、論点は進化されますが、自分の出した答えに対して、批判の目を持って、イジメ続けることは非常に辛く、難しい行為です。

そのため、一旦論点を時間をおいて、寝かしてみたり、他の人にも論点を聞いてもらい、違和感がないか、辻褄や整合が取れているか?ダブルチェックしてもらうことも有効的です。

一度だした論点をどれだけ見つめることができるかです。

3 / 論点の設定に立ち返ること

はじめから精度の高い論点を設定することは難しいです。そのため、一度設定した論点に対する検証を実施する必要があります。

選んだ穴(論点)から本当に原油が湧き出てくるのか?を検証する必要があります。実際に掘る作業を通じて、経験や感触から論点の確からしさや筋の良さを評価しながら、さらに掘り進めるべきか?それとも穴の選定に立ち戻るべきか?一度、論点に立ち返り、実施後のフィードバックを繰り返すことで設定する力を養い、経験値を蓄積する必要があります。

天気予報の精度は年々上がっているそうです。理由は、テクノロジーの発達ではなく、明確なフィードバックがあり、繰り返すことで精度が上がってるとのことでした。

論点も同様に、一度立ち返り検証することで徐々に精度は高くなってくると考えています。

以上が論点について本日お伝えしたかった3つの内容になります。

◎ まとめ

今回の記事の内容を、箇条書きにしてまとめました。

・論点とは『目的達成における的を得た問い』である
・良い論点の構成要素
 1. 論点の背景には『必ず明確な目的や目標があること』
 2. 論点とは『解決できる問いであり、インパクトのある問いであること』
 3. 論点とは『論じたい、論じられるではなく、論すべき問いであること』
・論点思考を身に付ける上でのポイント
 1. この論点は何か?日々問い続ける強い意志
 2. 一度出した論点を見つめ直すこと(論点をイジメ続けること)
 3. 論点の設定に立ち返ること

また、この記事面白いと思われた方に、次に読んでもらいたい”筋の良い仮説”について解説したnoteを紹介させて頂きます。ぜひ”論点”と”仮説”合わせて読んでみてください。

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