映画his

映画hisを鑑賞。非常に印象深い映画でしたのでnoteに感想を残しておきたいと思います。

最初は1月27日に地元で一人で鑑賞、次に仲間と新宿で2月4日に鑑賞。子どもと映画館にアニメや仮面ライダー、戦隊ものを観に行く事はありましたが、自分が観たい映画を映画館に観に行ったのは本当に久しぶり。そして同じ映画を映画館で2度も観たのは初めてかもしれないです。

LGBT、離婚裁判、親権問題、シングルマザーの厳しい現実等重いテーマに感じますが、岐阜県の自然の中で温かく、美しく、愛おしく描かれていました。

これは子どもを同意なく連れて出ていかれた別居親としての感じ方かもしれませんが、日本に「離婚後の共同親権制度」があれば渚や玲奈、空ちゃんはあんなに苦しまずに済んだのではと感じました。

お子さんの描写も非常に上手く描かれていましたね、空ちゃん役のお子さんが演技が凄く上手でした。学校で誰とも喋らなくなると言うシーンがありましたが、表情の演技がとても上手で見ていて胸が痛くなりました。あれは片親疎外の影響を描いていたのかなとも感じています。ラストシーンの空ちゃんの台詞もとても印象的でしたね。

鈴木慶一さんの存在感も素晴らしかったです。演技を超えた存在感。「好きに生きたらええ」の台詞は非常に重みがあり、胸に響きました。そして緒方さん(鈴木慶一さん)が創るイノシシ鍋がとても美味しそうでした。

根岸季衣さんの演技にも痺れました。主人公の迅がゲイであることが発覚した時の台詞が「年をとったら男も女も関係ない」「長生きしろよ」。こんな台詞を普段タバコの代わりに禁煙パイポを咥えている女性が、亡くなった方が吸っていた煙草を咥えながら言い放つと言う。亡くなった方の思いを伝えるようなシーンでもあり感動し涙しました。

迅役の宮沢氷魚さん。身長も高く男前!演技も自然体で持っている空気感が独特で、温もりや存在感を感じさせつつも寂しさや孤独を感じさせる雰囲気が非常に印象的でした。お父さん(宮沢和史さん)の音楽や演技が好きだった世代の者としては、薪を割るシーンや山の中で猟をする際の表情がお父さんそっくりで、血の繋がりってすごいなと感じました。

子どもと満足に会えない別居親の立場としては玲奈が空ちゃんをタクシーで連れ去るシーンはあまりにも悲しくて切なくて涙が止まらず。空ちゃんの切なそうな表情、渚のどうにも出来ないやるせなさと悲しそうな佇まい。

映画館であんなに泣いたのは初めてですね。2度目の鑑賞でも号泣してしまいました。

避難ではなく同意なき子どもの連れ去りはダメだよ…。子どものためにも本人のためにも。絶対に誰も幸せになれないよと感じました。

そう言った視点で観てもラストシーンに向けた渚と玲奈の感情の動きや判断は、空ちゃんの事を考えた時にあの時点でのベストだったのかなとも感じました。

本当に見応えのある素晴らしい映画でした。

多くの方に観て欲しいと感じています、ぜひ映画館で鑑賞していただきたいです。


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