見出し画像

就職がゴールじゃない~障害と共に生きる②~

!注意!
こんにちは!障害児育児歴19年。元看護師webライターのそふとナ鬼嫁です。今回は2023年。年明け間もなくアップしたかったnoteを公開します。
実は、10ヶ月眠り続けておりました。
やっと、整えることができましたので読んでいただきたいと思います。季節感がずれているので、そこはすみません💦それでは、どうぞ☟


『2023年』新しい年が幕を開けました。さぁ今年は、どんな一年になるのか楽しみです。お正月は、どのように過ごされましたか?

今回は「就職がゴールじゃない~障害と共に生きる①~」の続編です。
実は、ノンが鬱(うつ)になりました。私達が一番恐れていた二次障害発症です。
2022年12月に受診して間もないのですが、これまでの経緯について書いていこうと思います。


ノンのプロフィール


愛称:のんちゃん
生年月日:2004年生まれ
年齢:18歳 ✨青春✨
学校:特別支援学校高等学園
資格:手話4級(凄いんです!!)
障害:自閉症スペクトラム・軽度知的障害・ADHD(不注意型)
手帳:療育手帳B₂

現在、高等部3年生。4月から、一般企業への就職が決まっています。
ノンの高等部は、コースが分かれていてノンが在籍するクラスでは一般企業に正社員として雇用される生徒も少なくありません。

我が家のお正月

本題に入る前に、我が家の年末年始の事を少しだけ…
我が家には、ノンとオッチビがいまして。特にオッチビは特性がまぁ濃いというか何と言うか。

一言で言うと・・・
た い へ ん な ん で す 。

私達ではなく、オッチビ自身が一番たいへんな思いをして生きています。環境の変化に敏感過ぎて、部屋の一部を変えただけでもパニック。

もうお気づきですね(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
正月飾りや年末の大掃除できません!!いつもと同じように過ごさねばならぬのです。

最初は、季節や行事を教えないといけないと考えていましたが…
教えて満足するのは、親だけ。本人にとっては大迷惑なんですよねぇ。
という事で本題に入ります☟

学校にいけない

高校3年生の冬。
中学校から皆勤賞で登校していたノンはある日突然、学校に行けなくなりました。ここでは、その時のキッカケなどをお話しします。

  • キッカケとなった授業

  • ノンを苦しめたもの

キッカケとなった授業

ノンが、不調を訴えるきっかけの授業がありました。それは、2年生の先生が担当した音楽の授業です。この授業を担当した先生は、進路とは一切関係ありません。

ある授業でのこと。クラスメイトの一人が、歌とダンスを披露。私語などで、ざわつく教室に先生の怒鳴り声が響き渡っていたとか。
クラスメイトのダンスが終わったとき、突然ノンにダンスと歌を披露した生徒への感想を聞かれます。ノンは突然のことに、対応できません。そこで、「突然なので、どう伝えて良いか分かりません」と返答します。

この返答が、音楽担当の先生に引っかかったようで・・・・・

  • 失礼だ。上手だったと言えないのか

  • あなたの就職先は、突然歌ってといわれるのよ

数十人の生徒の中で、ノンだけが先生にあてられ理由なきプレッシャーを浴びせられ。その日の音楽の授業は、終了しました。

音楽の授業の件を聞いた私は、すぐに行動しました。担任を通して、事実確認をする必要があったからです。
このような時に私が気を付けているのは、必ず両者の話を聞くこと。偏った見方をしても何の解決にもなりません。

ただ残念なことに、九割九分九厘「大人は都合が良い」です。こちらの感情をかざしても無意味なので、ノンのフォローに徹することにしました。

ノンを苦しめたもの

ノンを苦しめたのは、まぎれもなく音楽の授業で起きたことに加え過去に起きた出来事でした。
障害が分かるまで、私たち大人に追い詰められてきたノン。歳月と共に、ふたをしてきた記憶が一気によみがえったのです。

そう。
フラッシュバック。
このことが、不眠や涙が止まらない症状へと変化していきました。

  • 涙が止まらない

  • 起きていられない

  • 食欲がない

  • 感情の起伏が激しい など

限界だったと思います。ノンへ、心療内科受診の提案をしてみることにしました。もちろん、受診先はオッチビの通院するクリニック。
ノンは穏やかに見えるので、適応力があるようにも見られますが環境の変化に敏感です。

全く初めての場所が苦手であり、情報量が少ないと絶対「OK」がでないことはわかっていました。そのため、オッチビのことをよく診てくださっているクリニックを選びました。

初めての心療科受診

ノンは、障害が分かってからも療育センターや心療内科に定期的に受診する事はありませんでした。困りごとが表面化しなかったからです。これは、本当に落とし穴に近い状態。
そして、今回ノンが受診する心療内科はオッチビが通院する心療内科にしました。理由は簡単!私が信頼している医師だから(`・∀・´)エッヘン!!

心療内科受診に対する葛藤

心療内科受診を決めたとき、ノンは私にこう言いました
「オッチビと同じ病院なの?精神科なの?」と
学校でも先生に言っていたそうです
「私が行くのは精神科なのかな。」
かなり不安だったのでしょう。そして、心療内科に受診するまでにノンの葛藤がありました。

その理由は・・・
ノンの妹・オッチビは、筋金入りの自閉っ子です。どこからどう見ても、ADHDや知的障害があるのは一目瞭然。
オッチビを見て育ったノンです。オッチビが精神科に入院したこともありました。

だからこそ病院受診に不安が強い。ノンの心は・・・
『私は、オッチビとは違うもん』と言っていたと思います。
私は、ノンに対して

  • 心療内科に受診する事は悪いことではない

  • 今、しんどいと思う事を少しでも軽くしてもらいに行く

  • 先生や看護師さんはとても優しい

  • ママはノンとオッチビを同じだとは思わない

  • 受診がどうしても嫌なら受診しないを選択してもいい

簡単に分かりやすく説明しました。
もちろん、何度も何度も。
ノンが、理解できるまでは数日かかりました。
結果的には、受診すると私に話してくれました。

ADHDもあると判明

さぁいよいよ心療内科受診です。
初診なので医師の診察にたどり着くまで、1時間くらいかかりました。
その間にすることは、看護師さんからの聞き取り。出生時から現在までのことを事細かに聞かれます。
途中で、チェックシートをしたりして・・・

で、何が分かるかというと

  • 自閉症スペクトラムの程度

  • ADHD

  • 鬱の状態にあるのか

ADHDが分かった時、ノンあなたもなのね。と
特別にショックだったわけじゃないけれど。
ADHDのイメージがオッチビ(めちゃくちゃ多動)だっただけに、オットリさんのノンにADHDなんて意外でした。

ただね、思い当たる節が多すぎる((+_+))
忘れ物やケアレスミスね💦

悪夢を見て不眠症

ノン「夜眠れているか」聞くと眠れていると言っていたため、気にしていませんでした。
…眠れていなかった
悪夢を毎日見ていたそうです。

悪夢を見るようになったのは、精神的に不安定になった時期からでした。
手がかからないと勝手に思い込んでいた私は、彼女の変化に気付いてあげられず何をしていたんだろうと落ち込みました。

主治医とご対面

ノンも、環境の変化に弱いんです。
特に、新しいことを始めることが怖い。
待っている間、ノンは何度も私の顔を見てきます。
「大丈夫よね…」と訴える目に、ニッコリするだけで言葉はいらね~

主治医「ノンさん、どぞ」
ノン「Σ(゚Д゚)」
診察室へ~
主治医「よく来たね(⌒∇⌒)大変だったね。本当によく頑張ったんだね。偉かったね。」
べた褒め。
これが、先生スタイル。
警戒心を持たれないように慎重にされているのが毎回伝わってくるんです。

ノンは、ポツリポツリ今までの事を主治医に話し涙しました。
主治医「鬱だね!でもね、この時期多いのよ。心配いらないよ。まずは、睡眠大事だから、悪夢を見なくていいようにしようね!大丈夫大丈夫(⌒∇⌒)」
ノン「ε-(´∀`*)ホッ怖くない」
主治医「いいかい。とにかく睡眠を整えようね。それからね、コンサータ! これはさぁあなたに合いそうだよ。ケアレスミスが多いんでしょ?もっと集中できるようになればできることが増えるから!でも、今は睡眠ね」

ということでアッサリ内服処方。

ノンの特性について

今までも、ノンの特性について紹介してきました。
ノンが、鬱になってから特性が際立つようになってきたのです。
改めて、ノンの特性を書き出すことにしました。

ノンの特性①

ノンの、特性は困りごと等表面では本当に分からない。
理由は二つ

  • ノン自身が困っていたり辛いことを理解できていない

  • 困りごとを伝える手段が分からない。もしくは、理解できていない

ことが起きてから私たちは毎回後悔してしまう。こうならないように、予防線を張っていても予防できていない。
本当に、悔しいばかり。
でも一番辛いのは、ノン本人なんです。

ノンの特性②

言葉を上手く組み立てられない。
この特性は、小さいときから。障害があると判明するまで、ノンは私に話がしたくて「あのね」を永遠に繰り返す子でした。

毎日フルタイムで夜遅くまで勤務していた私には、心の余裕がなく「何言ってるのか分からないよ!」なんて言葉を浴びせてしまっていました。
タイムスリップして、私自身をひっぱたきたくなります・・・・・

ノンの特性③

こちらからの会話を理解できていないことが多い。
そうなんです。
一見、会話に不自由なく見えているノンですが聞き返すと「???」となることがしばしば。

例:私「ノン、夜は眠れているの?途中で起きてない?」
  ノン「うん!寝てる😊」
⇒実際は、夜中に何度も起きていました。

ノンの特性④

視覚優位。
視覚優位とは、目から入ってくる情報を理解することが得意。
言葉で聞くより、絵や写真を使った方が理解できるんです。
※ただし、発達障害と視覚優位の関連性はないとされ視覚優位と聴覚優位のバランスの偏りからではないかと推測されています。

ノンは、小学5年生から特別支援学級に移り担任の先生の協力を得ながら資格支援をしてきました。
今では、100円ショップなどで購入できるイラストカードも数年前までは無くて全て手造り(懐かしい…)

日常生活は絵カードを使用してルーティン化し、今は絵カードが無くても内服管理まで出来るようになりました。
ただし、内服時間を忘れないようにスマホのアラームはかけています。

ここにきて後退

ノン、言葉を上手く組み立てられなくなりました。
どのように、伝えて良いか分かりません。
また、言葉も出にくくなっているのがスグに分かりました。

上手く伝えられない

元々、言葉を組み立てるのが苦手でやっと会話になってきたのは中学校3年生あたりでした。ここまで来るのに、本人の努力なしにはできない事です。
崩れる時は一瞬…
ほんの、数か月前まではハキハキ言えていたことも今は難しくなっています。

メモに伝えたいことを書く時も、誰かの力をかりながら文章にしていきます。本当に、凄いとしか言いようがない。
私が、ノンと同じ立場に立った時に果たして彼女と同じようにできるのだろうか。

この記事を書きながら、涙が出そうになります。
細くなり小さくなった背中。
それでも、一生懸命にスタートラインに立とうとするんですよね。

再びノンは走り出しました

ノンは様々なことを、伝えようと自分なりの伝え方を考えていました。もちろん、アドバイスはしました。
結果的に、
①メモ帳にあらかじめ書いて伝える
②絵カードで伝える
に落ち着きました。

絵カードは、ノンの成長に合わせて推しのカードを(*´▽`*)
※絵カードを使用する場面は、主に学校で「休憩したい」などの表現で使用します。多くの先生方に知っていただくためカードは1枚のみ。

伝える手段を考え行動することが、できたことに救われました。
凄く勇気がいるんです。

これから先のことについて

ノンは、4月から就職が決まっています。
しかし、内定後に発症したため就職先には現状を伝えていません。
私個人の意見は、企業側へノンの現状を伝えたいと考えています。

現状を伝えないまま就職し、病状悪化した際に互いの信頼関係にも影響するのではないかと思うんです。
企業がどう判断するのか、その時にならないと分かりません。
今後、学校とも話し合いを重ねてどのようにしていくのか決めていく予定です。

もちろん、ノンの人生です。
ノンが主役で、彼女の意向を尊重しながら話をすすめます。
今後も、このシリーズは続けていこうと考えています。
とくに、二次障害や就労について伝えていきたいですのでよろしくお願いします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?