再発見ジャケットアート The Beatles / Revolver
再発見ジャケットアート
第一回
THE Beatles
revolver
ビートルズとローリングストーンズはほぼ同時期に同じようにスタートを切ったイギリスのロックバンドで、両者は世界的な人気を得たという点では同じでしたが、その活動内容や経歴を見るとまったく違う足取りを辿ったバンドでした。
もちろん同じ足取りになるわけもないのですが、何が決定的に違ったかというと、ビートルズは活動を9年で終わらせ、ほぼ10枚のアルバムで空中分解してしまったこと。
一方のストーンズは分裂の危機を乗り越え乗り越え、遂に50年の活動歴に迫ったこと。
長ければ良いとかそういう意味ではないですが、ただ間違いなく言えるのはストーンズのメンバー不仲はあくまでバンド内のことだったのに対し、ビートルズの場合はメンバー間の不仲を誘ったのはバンド外部からの影響があったという点でした。
20世紀のアート・芸術活動の中で最も過激で最も力を持った集団がニューヨーク・ダダイズムでしたが、そのダダの一人、オノ・ヨーコという怪物が。事もあろうにジョン・レノンと恋仲になってしまった。
それによってジョン・レノンがどれだけ変化していったかは写真を追って行くと大変によくわかりますが、ビートルズのバンド活動にもついにオノ・ヨーコの影響を受けるようになります。
それが決定的に現れたのが1966年の「リボルバー」でした。
4人はアイドルと言った頃の面影はなく。カラー仕様がない白黒のジャケット。しかも切り貼りされたコラージュという手法によるデザイン。明らかに前衛芸術の手法。
激変したのはジャケットだけではありません。
このアルバムのラストを飾るのは「tomorrow never knows」。
it's only beginning〜という不気味すぎるフレーズを繰り返しながらテープ逆回転などの手法を使ってこれもまたそれまでのビートルズの顔とはまったく違った方向性を指し示しました。
結局、ここから明確に始まるビートルズのメンバーの方向性の違い、その溝は埋まることなく進んでしまい1970年の解散となってしまいました。その後に4人が集まることはなかったし、実質的ラストアルバムの「Abby road」もバラバラの4人の方向と録音をプロデューサーが必死になって繋いで一枚にまとめたというもので解散の足音はとっくに聴こえていました。
ビートルズとストーンズ。
イギリスの二大ロックバンド。
両者は何が違ったか?
いろいろ違いはありましたが、ストーンズはこういう分裂・不仲の仕方はしなかったということです。ビートルズは20世紀芸術運動の最も大きな爆弾みたいな存在を抱えこむようなことになってしまい、それが故にバンド分裂に至った。しかしそれは文字や音楽が本当に社会を変えるだけの力を持っていた時代、その時代の中心にいたビートルズの宿命でもあったと思います。
20世紀の芸術とか文学とか音楽とかは大変な力を持ちました。しかしそれはいつのまにか薄っぺらいものに変わっていきます。
20世紀の芸術運動は。
いつ終わったのか?
私は。
ビートルズの「ホワイトアルバム」revorution no.9
あそこで終わったのではないかと思います、
その話は長くなるのでまた今度。
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