【詩】片重い青春譚

指一本で簡単ポチッと。
欲しいキャラクターは当たった?そう、良かった。
欲しいアイテムは手に入った?そう、良かった。

なんでも指一本で簡単に手に入る。
欲しい服があればポチッと。
ひとりごとや思い出もポチッと。
月の所有権までポチッと。
いつの日か生きるか死ぬかもポチッと。

芸能人や有名ブランドを退けて、毎回先頭に出てくる貴方のストーリー。
そんなの観ずには居られない。居ても立っても居られない。でも私の気持ちは届かない。
貴方の画面に映る私はどこに居ますか?
緑色したフラフープ回してどこに居ますか?
貴方にしか見えない緑色。私にだけ見えない、貴方の緑色。
どうして?貴方の緑色だけが指一本じゃ手に入らない。

隣の芝生は碧い?そう。
私からしたら貴方の芝生がどんなものよりも碧く見えるよ。
貴方の芝生が羨ましい。貴方が手入れして、貴方が踏み付けて、貴方が捨てるその芝生が何よりも碧く煌びやか。

だから、さあ早く、私をそこへ連れて行って。

はないちもんめ、相談なんて必要ない。
欲しいのは貴方だけだもの。

そんな貴方が指を指すのはどの輪っか?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?