5桁のスキで、伝わる言葉の重みを知った。
かくして、noteフェスのレポーターとなったわたしは、下調べとして自分が参加する予定の、トークセッションのスピーカーの記事を読み漁っていた。
そこで、とある方の記事を開いた瞬間、思わず声が出てしまった。
隣で絵を描いている、彼がびっくりしてしまうぐらいに。
スキの数は25,508。(※2021年9月12日17時現在)
はじめて見た5桁のスキに、心の底から驚いた。
一体、どんな方なんだ???
少しずつ浅くなる呼吸と、激しくなる鼓動。
こんなに、覚悟を決めて読むnoteは、これもまたはじめてだった。
彼女のnoteを読んで真っ先に感じたことは。
これは、怒りだ。
しずかで、でも世界の異常さを、あぶり出している。
誰もが知らずに死ぬかもしれないし、誰かが知りながら目を背けている事実を。
彼女はそれを、恐ろしいほどにありありと、日本の「異常さ」を見事に書き記していた。
正直、彼女の話はわたしにとって、非日常の世界の話だった。
つまり、わたしにとっての「ふつう」ではないということ。
わたしは彼女とは違い、ふつうの小学校を出て、ふつうの中学校を出て、そして、当たり前のようにふつうの高校に進学した。
だから、彼女の人生は別次元の話で、「なんだかすごいなぁ」としか思わない。
でも、それと同じように、彼女にとってもわたしの人生は「ふつう」ではないわけで。
この記事を通じて、「ふつう」という曖昧な、勝手な物差しで物事を見てはいけない、ということを強く実感した。
この世界で「ふつう」とされていることは決して「ふつう」ではなくて、ごく一部の理想論でしかないのかもしれない。
「ふつう」とされず少数とみなされるものは、実は大多数なんだ、と彼女の言葉を見て、深く理解することができた。
読み終えた今でも、彼女の激動がまだわたしの中に残っていた。
達観している。
ありきたりで陳腐な言葉だが、わたしのこころにはぽつり、とその感情が芽生えた。
そんな方から、当日はどんなお話が聞けるのだろうか。
正直、怖いとすら感じた。
まだ激しく脈打つ鼓動を抑えながら、来たるイベント当日に希望を抱いた。
彼女のたぎる言葉の重みをずっしりと胸に感じながら、まだ痺れる頭を振り切るように、25,509個目のスキを押した。
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