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劣等感による成長について -アドラー心理学から学んでみる

劣等感ってネガティブな感情ですが、逆にこの感情を成長につなげることもできるんです。
本記事ではアドラー心理学における劣等感への考え方について解説します。


劣等感による成長

アドラーは、劣等感が個人を成長させ、文化を発展させるとも述べています。
見る視点を変えれば、“劣等感”は“よりよく生きるための訓練”という捉え方です。

ちなみにこの“劣等”というのは、

  • 器官劣等性

  • 劣等感

  • 劣等コンプレックス

…の3つが主にあげられます。
以下にそれぞれ解説します。

器官劣等性(身体の器官が先天的な障害を持つ)

器官劣等性は、身体の特定の器官が先天的に障害を持っている状態を指します。
これはアドラー心理学の中で、個人が直面する物理的な制約や障害として理解されます。
器官劣等性は、その人の生活や能力に特定の困難をもたらすことがありますが、アドラーはこれを克服する努力が個人の成長に繋がると考えました。

この努力は、新たな能力の発達や創造的な問題解決へと導くことがあり、個人が自己の制約を乗り越えて成長するための動機付けとなることがあります。

劣等感(主観的に自分の一部を劣等と感じること)

劣等感は、個人が自分自身の特定の側面を主観的に劣っていると感じる心理状態です。
アドラーによれば、全ての人が何らかの形で劣等感を持っており、これが自己改善や成長の強い動機となるとされています。
劣等感は、自己認識の過程で生じ、個人が自分自身の能力や特性に不満を感じるときに現れます。
この感覚は、自己を超越し、より良い自己を目指すための原動力となる可能性があります。

劣等感を適切に認識し、それを乗り越えようとする努力は、個人の成長や社会への貢献につながることがあります。

劣等コンプレックス(自分が劣った存在であることを示し、やるべき課題から逃げること)

劣等コンプレックスは、自己の劣等性を過度に強調し、それによって生じる自己卑下や行動の抑制を指します。
これは、単なる劣等感が極端な形で表れたものであり、個人が自己の能力や価値を過小評価し、困難に直面することを避ける傾向があります。
劣等コンプレックスは自己実現の妨げとなり、個人が自己の可能性を十分に発揮することを阻害します。
この状態では、個人はしばしば自己防衛や言い訳に頼り、自己成長の機会を逃すことがあります。

アドラーは劣等コンプレックスを克服し、自己を肯定的に捉えることが個人の成長に不可欠だと主張しました。

障害を持つことは劣等感につながる?

現実の自分と目標とのギャップに対して抱くマイナスな感情=劣等感ということになります。
障害を持つ人の多くはこの劣等感を少なからず抱いていることが多いことは周知の事実です。

それが先天的な障害でも、後天的な障害でも同じことです。
この劣等感が何かしらの“生きづらさ”を抱えることになるのなら、それを少しでも軽くするような配慮も、セラピストにとっては必要なアプローチなのかもしれません。

まとめ

そう考えると”生きにくさ”を感じている人にだってセラピストは貢献できるってことかもしれないな…なんて考えています。

“生きやすくするためのリハビリ”ってのも重要かもしれませんね。

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