酩酊小説|宇宙エレベーター
「ドワーン、ギュンギュン、バジューン」
世界初となる宇宙エレベーターが、いま発射された。機体は時速700キロでぐんぐん上昇していく。雲を抜けるとあっという間に空が暗くなってきた。
「すごい、本当にこれが宇宙に繋がっているなんて」
小次郎は興奮して窓の外を見ながら言った。
「そうね本当に素晴らしいわ」
ドロミが嬉しそうに答えた。
開発者である二人は、この歴史的な瞬間に立ち会えたことを心から喜んでいた。そして、この一回目の宇宙間移動が無事成功したあかつきには、小次郎はプロポーズをしようと考えていたのだ。
ボグナーーーーーーーー!!!
グワっシャラドッシャラーーーーーーーーン!!
エレベーター上部から凄まじい衝撃音が聞こえた。
ズガガガガガガガ、ドベーーーーーーーン!! ドカベン!!
「きゃあ、いったいなんの音なの」
ドロミは驚いて尻餅をついた。
「分からない、でも心配ないさ。この宇宙エレベーターは絶対に壊れないように作ってあるからね。それを一番知っているのは僕たちじゃないか」
小次郎はこれでもかと言った。その言葉に、はっとしてドロミは照れ笑いをした。
ボグワーーーーーボグワーーーーー!!
ズモモモモモモ、ズモーーーーーーーーン!!
しかし、凄まじい音は相変わらず続いている。小次郎もさすがに気になり始めた。
「もしかすると、宇宙エレベーターのレールに何かがぶつかっているのかもしれない」
「なにかって、いったいそれは何よ」
小次郎の言葉にドロミは不安を隠しきれない。
チュドーーーン!!
ベーーーーーーーーン!!
モモモモモモモモモ!!
さきほどよりも、さらに激しい衝撃音と共に、エレベーターが激しく揺れた。ドロミはもちろん尻餅をついた。
ズッダーーーーーーーン!! ベキベキベキベキベキベキ!!
メリ、メリメリメリメリ!!
スポン!!
「きゃーーーーーーーーー────────」
その衝撃によって、体重2トンのドロミはエレベーターの床を突き破り真っ逆さまに落ちていった。
「ドロミーーーーーーーーーーー」
エレベーターに空いた穴から顔だけを出して、小次郎が叫んだ。
「小次郎ーーーーーーーーーーーーーーーーー」
ブワーーーーーーーーーーーーーーー、ドガシャーーーーーーー!!
シャ、シャ、シャ、シャジャジャジャジャッジャーーーーーーーーー!!!
ドロミの超高温放射声帯による叫び声によって放たれる、超衝撃烈ッ波時空大爆発砲が、小次郎の乗った宇宙エレベーターに直撃した。
「ドロm……」
小次郎はエレベーターよりも先に宇宙に到達し、そのまま超衝撃烈ッ波コズミックパワーメイクアップの渦の中に消えた。
ドドドドドオドドドドドオド、ドォォォォン!!!
ボンボンボンボン、ボボボボボボボ!!!!
宇宙エレベーターの先端から、爆発が徐々に降りてきた。そして間もなくドロミを巻き込んで大爆発が起こった。
ワァァァァァァァァァァァン!| ワンワンワン!!
ボッツボッツボツボツ!!
ペッペッペーーーーー!!
チュミミーン、デッデーン!! オワリィィィィィ
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