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春ビールを調べて曲を合わせてみた話

前回春のビールと曲をペアリングする投稿をした、その続き。
今回は実際に飲んだわけではなく、あくまでこんなビールもあるよ、という紹介なのでどうぞよしなに。


■伊勢角屋麦酒/さくらペールエール

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醸造所:三重県 伊勢角屋麦酒
入手難易度:A
スタイル:アメリカンペールエール
原料:大麦麦芽、ホップ
度数:4.5%

限定品。クラフトビールを扱う店舗に行かなかれば見ることはないが、
東京駅近くに店舗もあるしクラフトの中では大手醸造所なので、
流通量は比較的多くAとした。


◆ラベル
ロゴを大々的に印字し、デザインリニューアルしたばかりの同社。
ピンクを目立たせるために白を基調にしており、
桜の写真もあり他の情報を排した伝わりやすいシンプルな構成。

◆味
HPによると定番品と違う点は酵母を変えたこと。
"「さくらの花酵母」は、控えめな酸味と瑞々しいマスカットの様な優しくフルーティーな香りを作り出すのが特徴です"
とのこと。
ベースはあの名作ペールエールなので間違いない出来でしょう。

◆合わせたい曲
宇多田ヒカル/SAKURAドロップス

伊勢角屋さんは和だけど、ビールはアメリカンペールエールだし、変に洋楽を選ぶよりは日本で飲むんだから難解じゃないJーPopの方が絶対飲んでる時に邪魔にならないし…と
1本目から合わせる曲にとても悩んでたらw
この方が全部の要素を巻き取ってくれましたw
繊細で儚さもあるけどポップな明るさも内包しており独特な世界観をもつ、不思議なシングル。
「どうして同じようなパンチ何度もくらっちゃうんだ」は漫画好きの彼女が当時はじめの一歩を読んでいたことから採用した歌詞。



■オリオンビール/一番桜プレミアム

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醸造所:沖縄 オリオンビール
入手難易度:B
スタイル:フィールドビール
原料:麦芽、ホップ、大麦、桜花塩漬け
度数:5%

11月から既に発売されている季節限定品だが、そろそろ販売終了し始めているせいかスーパーでも流石に見かけなくなってきた。
大きな酒屋スーパー系列か酒売り場が充実している店舗ならば探せるかもしれないのでBとした。
オリオンビールは元々沖縄の会社だが、2016年からアサヒ、
バヤリースと合同会社となったため本州では製造はオリオン、発売はアサヒからとなっている。


◆ラベル
普段のデザインに桜を加えたラベルデザインは華やかで一目で限定品だなとわかる仕様。
沖縄はハイビスカスだけでなく桜も咲き乱れるんだから!

◆味
桜の花びら塩漬けを実際に使っているビール。
そういうのを何気に大手が出してるっていうだけでかなりすごいと思う。
非熱処理の生ビールの銘記も然り。
定番より若干モルティなスッキリピルスナー。

◆合わせたい曲
Shaolong to the sky/愛の歌

合わせたいというかこの曲に限ってタイアップ曲の紹介(手抜きじゃないよ )
沖縄ではきっとよく流れていたのだろうが本州に住む自分は見た記憶はなく、折角なので。
沖縄出身のベテラン3ピースバンドで骨太ロックサウンドがウリ、エフェクトも多用しない姿勢にthe pillows好きはシンパシーを感じるはず!
メッセージがシンプルに伝わってくるので頭に残る。最後のシャウトもいい。


■網走ビール/桜エール

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醸造所:北海道 網走ビール
入手難易度:S
スタイル:フィールドビール
原料:糖類、麦芽、ホップ、桜花、香料、アントシアニン色素
度数:5%

限定品であり、桜DRAFTという商品も出しているがこちらは桜エールという商品。
現在通販か北海道物産展系くらいでしか手に入らないことから、
わざわざ調べないと買えないという意味でSとした。


◆ラベル
全体的にピンクで統一され、しかし色調は抑えめなので大人びてどこかシック。
ボトルからも香りが漂ってきそうな、かわいい桜が中央でチャームポイントとして機能している。

◆味
青いビール「流氷ドラフト」で一躍話題になった網走ビール。
色とりどりのビールでみるだけでも楽しい商品が多い中、
春限定で発売されたのがこちら。
傾向的にボディ薄めなのでこちらもさっぱりした仕上がりでしょう。

◆合わせたい曲
CHE.R.RY/YUI

こんな色のビール出されたら場が盛り上がること請け合い!ってことで、
そんな世代の人たちが盛り上がる春の曲はこれかなと。
恋愛初期の甘酸っぱくて楽しくて少し不安な気持ち。
春の新生活とリンクして大ヒットした国民の名曲。
FIRST TAKEで本人が歌唱したことも大きな話題に。今でも愛されてるー!


■いわて蔵ビール/桜嵐IPA~Pink Tyhoon~

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醸造所:岩手県 いわて蔵ビール
入手難易度:S
スタイル:IPA/フィールドビール
原料:麦芽、ホップ、桜の葉
度数:6%

なんと2000本限定生産品のため、HPからの通販が最も確実な入手経路。
今のところまだ販売中のようだ。

◆ラベル
今年のバージョンは習字で書いたような黒い漢字が印象的な、和を感じさせる佇まい。タイフーン、IPAという商品のキーワードをうまく表している。

◆味
実力的に期待できるのはやはり世喜の一。こちらも桜の葉を使っているものの、IPAだったり泡の味まで拘っているところが競合とは一味違う。
色合いも桜を想起させるコパーで、最もクラフトらしいアプローチと言える。

◆合わせたい曲
いきものがかり/花は桜 君は美し

IPAの力強さは桜の儚さとはそぐわないが、この曲の荒々しさならイメージを損なうこともないだろう。
2008年発表の疾走感あるナンバー。春って天気悪い季節でもあるし、
こういう面もあるよね。
この後に代表曲でありデビューシングル「SAKURA」を流せば、最強の流れ。


■田沢湖ビール/桜こまち

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醸造所:秋田 田沢湖ビール
入手難易度:S
スタイル:Untappedによればブロンドエール
原料:麦芽、ホップ
度数:5%

こちらだけ限定品というわけではないが、天然酵母「秋田美桜酵母」を使用した特別なビール。

◆ラベル
日本語もあるためさくら色と淡いタッチが優しいラベルデザイン。
小町というネーミングも相まって女性も手に取りやすそう。

◆味
今度は桜酵母を前面に押し出したビールで、小町というのは美人という意味。
アルトで知られる実力派の田沢湖さんなのでおそらく品質も安定しているだろうがちょっぴりドライめだとか。
しかし酵母は興味はあるけど300以上のサンプルから選び抜いた…という
ありがたみがユーザーには伝わりづらいのがネックよのう。

◆合わせたい曲
サザンオールスターズ/彩~Aja~

女性のイメージがちらつく華やかな人たち…なんてもうこの方達しかいないでしょう!
山下達郎氏と同じく一周回ってAOR感も出てきたと個人的には思うのだけど、外飲みか、レコードで聴きたい。
と思ったらレコードも発売していたようだ!さすが!
因みに、Ajaはスティーリーダンから拝借し、桑田氏の亡くなった父に捧げたパーソナルな曲という逸話も。


■特別掲載 T.Y. HARBOR BREWERY/夜桜

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醸造所:東京都 T.Y. HARBOR BREWERY
入手難易度:ー
スタイル:アンバーエール/フィールドビール
原料:不明
度数:5%

毎月限定ビールを発表するT.Y.の2018年の季節限定品。
もう作られていないため飲むことはできないが、初めて飲んだ桜のビールだったため参考として特別掲載。
ベースは当時から評判高かった同社のアンバーエール。

◆当時の感想ノート

"さくらもち。定番のアンバーに桜を加えた変化球ながら、ちょい苦でこれが大変相性が良い。冷えたシャープさから香っていく麦の香ばしさの変化も
スモークビールのようで余韻に浸れる"

とある。
今年は「桜花爛漫」という名前で桜葉の塩漬けゴーゼを出しているようだ。

◆合わせたい曲
松任谷由実/卒業写真

人は桜にある種のノスタルジーを感じる生き物。
昼間目にする桜は明るいイメージだが、夜桜といえばしんみり。
時には昔を思い出す時間があっても、いいだろう。


他に自分が飲んだものでは、うしとらの花見でいっぱい2021や、京都醸造の春の気まぐれなどもあるが、今回はここまで。
今年はとにかく桜の塩漬けサワーゴーゼ風の多いこと多いこと。
トレンドなのだろう。確かに思いつきやすい。
春限定ビール≒花見で乾杯ビールという印象もすっかり定着してきた感があるが、
金麦が季節で味を変えるという驚きの取り組みや、
各社カブらないように微妙に色を出していて、毎年特集組むの楽しいだろうなとやりがいを感じながら執筆できましたっ

日本ならではの楽しみ方として、毎年注目していこう。
アナタにも気になるビールがあったかな?

ビールと音楽とクリエイティブを中心に少し突っ込んだことをまとめるように心がけています。 サポートしていただけると心の励みになります。