おまえはいつも重そうな鎌を抱えている
数ヶ月に一度会うか合わないかという友人がいる。
その友人はなんとも嫌なやつで,でもどこか愛嬌があって憎みきれないので今まで決別もできずに生きてきた。ここ最近はめっきり顔を合わせることもなくなって旅にでも出ていたのだろうとばかり思っていた。
ところがつい先日顔を合わせたところ,ふらりと見せたその姿があまりにも変わらないでいたものだから,理由もなく泣きたくなってしまった。そのくたびれた靴も,色褪せたコートも新しいものに変えることはしないのだろう。喉が窮屈になって,視界の端が歪ん