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より少ない人数で成果を出すリーダーを育む『コーチングの投げかけ』5選

これまで過去の記事でも、未曾有の「超人手不足社会」に突入しているため、“より少ない人数で成果を出せるリーダーシップ”は企業にとっても、これから昇進したいリーダーにとっても必須スキルであるとお伝えしました。

そこで今回は、少ない人数で力強い成果を出せるリーダーを育成するために私が行っている、組織学習に関する統計調査に基づいた『リーダーシップを育む5つ投げかけ』を紹介したいと思います。




『目的(ミッション)』は何ですか?

皆さんの会社や部署には、『目的(ミッション)』はありますか?


なぜ部署やチームに目的が必要かというと、一番の理由は、チーム内で共通の『判断基準』であるから。


例えば、食品工場でよくある不良比率の問題。「衛生面でクリティカルな問題にはならないけど、クレームになるかもしれない不良品」をどこまで許容するかは、どの工場でも必ずある問題です。


不良比率を下げようとすればコストが上がってしまうので、“どこで妥協するか”を決めないといけません。ここで、判断基準になるのが『目的(ミッション)』です。


「安心な食事から健康を支える」ことをミッションに置いたオーガニック食品を扱う企業ならば、不良比率を下げるでしょうし、「激安商品で食事のインフラを作る」がミッションなら、不良比率より低コストを重んじる判断になるワケです。


そして、この『共通の判断基準』が無いことは、あなたの会社の
●生産性の低下
●定着率の低下
●出勤率の減少
…etc
の原因にもなっている
のです。(参考の過去記事



どの『タスク』を捨てますか?

日本企業の8割はプレイングマネージャーなため、マネージャー自身も日々のタスクをこなすのに必死です。


これによる最も大きな問題は、マネージャー・リーダーが短期的な視点で物事をみるため、『タスク』を基準とした判断しかできなくなっていることです。


「ミッションを実現するために必要なものは?」
「どんな業務とチームがあれば理想的?」


長期的な視点で、部署やチーム全体と業務を俯瞰していみると、そもそもこのタスクは必要でないでは?自社でやる必要のないでは?と、リーダーやチームメンバーが盲目的にこなしているタスクの中に、“捨てるべき業務”を見つけることができるのです。



この『業務フロー』っていつ決めたものですか?

上の項と重複するのですが、日々リーダー自身がタスクを追っていると、『業務フロー』全体を見直すことはまずありません。


「前任者が決めたことなので」
「ずっとこのやり方でやってるので」


こう答えるリーダーほど、現在の業務フローのどこが合理的であるのか?を説明できないものです。この状態で何が怖いかというと、実は過去に起こった問題に対応したフローが隠れていて、業務フロー改善した途端に、イレギュラーな問題が山積することです。


その業務やフローが決まった経緯や、現状業務の問題点は現場作業の人材ほどよく知っています。(マネージャー・リーダーは異動を伴うことが多いので、過去の事情が分かりづらい)


そういった意味でも、部署やチームのメンバーとの『関係の質』を高め、意見を拾い挙げる体制と体質が重要です。


あと、業務フロー自体を見直す力をリーダーが持っていないと『受注量が増えたら、単純に人も増やさないといけなくなる』という、人材不足社会では対応が難しい問題も発生します。



『他部署』が困っていることは何ですか?

これまで様々な企業を見てきましたが、おもしろいことに「他部署同士が仲のいい企業」はほぼ見たことがありません(笑)


これは日本企業の『評価制度』にも問題があるのですが、マネージャー・リーダーが自部署の成果だけでなく、会社全体としてどうあれば、より有意義か?という視点を持ちづらい構造になっているからです。


しかし、あらゆるプロジェクトに言えますが、自部署だけで完結するケースはごく稀(むしろ複雑化している)なため、『全体の成果』を重視できるマネージャー・リーダーの存在が会社にとって不可欠になっています。




『手放した権限』は何ですか?

「主体的に動ける社員が育たない」と嘆く会社は多いですが、これは単純に「タスクを基準に人材を充てる」マネジメントしか行っていないからです。

このマネジメント手法の一番の弊害は、メンバーへ『判断と責任の委任』ができないことにより、主体的に業務やタスクを組み立てたり、失敗を含めた責任を負う機会が与えられないところにあります。(※委任 ≠ リーダーの責任が無くなる)


よくあるのは、「上司から口出しされて、何一つ自分で決めていないのに、失敗の責任だけ追及される」パターン。


「どこまで主体的に動いて決めていいか?」という“ルール”がリーダーから明示されていないので、主体的な人材など育つワケがありません。


また、『判断と責任の委任』をできないリーダーがよく勘違いしているのは「自分でやった方が速い」と考えていること。


長期的&全体的に見れば、全ての判断をマネージャー・リーダー自身が行うのは間違いなく非効率である上、マイクロマネジメントせざるを得なくなります。その場合、当然部署やチーム全体としての生産性は下がってしまうのです。



まとめ

今回は、リーダーのチームマネジメント能力を高めるために必要な要素について、コーチが行う投げかけを軸にお伝えしました。


もちろんコレだけが答えではありませんので、引き続き様々な角度からリーダーシップを高める方法についてお伝えしていきたいと思います。


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