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なぜRPGの村人はうろうろしているのか

 新書っぽいタイトルをつけてみた。あるいはビジネス書っぽい感じだろうか。「なぜ~は~のか」系のタイトルは多いよね。

 さっそく本題に入る。ドラクエでもFFでもロマサガでもいいんですけど、村とか町とかに入るとそこの住人がうろついてるじゃないですか。町角で。スピードは同じままでランダムな動きをしていて、話しかけると同じことしかいわぬ。会話が終わるとまたうろうろとあてもなく歩く。なんなのだ。

 日本のRPGっていうと、たぶんドラクエからの伝統芸で(ルーツとしてはもっと古いものがあるだろうが)中世ヨーロッパを思わせる風景や描写が多い。そこでだ、中世という時代背景において村人ないし住人は暇だったのだろうか、うろうろしている暇があったのだろうかと考える。仕事はないのか。生活上の雑務はないのか。なぜあなたはうろうろしているのか。そんな毎日リアルな存在なのか。

 まあ通常の考え方をすれば、ゲームとしてのお約束で「この村には人が住んでいますよ」の描写なんだろうけど、あの徘徊、いや、うろうろを最初に考えた人は立派だ。あたくしRPGツクールをいじったことがあって、そこでも村人の動きを指定することができたんですね。このキャラは止まっているとか、ランダムに歩くとかを選べる。簡単な設定でうろうろが選べるのだった。そのくらい普通のことなんですな。うろうろとは村人のスタンダードであると。

 村を出ればモンスターが出てくる。だもんでそんなところには村人は行けない。村人が落ち着ける安全な場所とは村だけなのだ。安全で平和、ましてや暇、そうしたらうろうろのひとつもしたくなるものかもしれない。

 あたくしもうろうろはする。本棚を眺めつつ部屋をうろうろする。ただそういう目的のないうろうろというのは家の外ではやりにくくて、即座に不審者に、または不審者の候補くらいには見なされるような昨今である。やりづらい。これが松屋とかラーメン屋とかスーパーに行くとかだったらいいじゃないですか、目的があるから。でも目的がない場合は苦しい。やってみればいつかは警官に職務質問されることになる。そのときにはあたくしもまた、「なぜあなたはうろうろしているのか」と問われるだろう。あたくしは答えられるのか、「村人だからです」というように。そうして警官と固い握手を交わし、涙を流して国家権力と和解するのだ。俺たちはしかと抱き合って勝利への予感を歌い、共通の敵を、俺たちの未来を脅かす者どもを睨む、もうこの大地に血は流させまいと誓い、急ぎ準備をして勝負に挑むのだ、もう一度この国に日が昇ることを祈りながら!

 話がなんか変な方向にいっちゃったので、このへんで。これじゃ怪文書だよ。馬鹿じゃねーの金井。

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