見出し画像

4/20 奇跡のトリガー(鬼滅の刃)

今週は以前からニュースにもなっていた週刊少年ジャンプの発売延期の日。

もし私が小学生なら「はやく来週来ないかなぁ」とボーっと1週間を過ごしていれば良かったのですが、いい歳した大人なので仕事をしなければなりません。なので、恐らくあっという間に来週が来てしまうとは思うのですが、ここはじっくりと来週に向けて備えていきたいと思います。

危機的状況からの復活

現在進行形で炭治郎がまさに直面していますが、少年漫画誌において主人公は多くの「危機的状況」と向き合うことになります。その試練を乗り越えた先に明るい未来(結末)が待っている訳で、ジャンプが掲げる「努力・友情・勝利」が煌びやかに輝くための不可欠な要素です。しかし、試練を「乗り越えない(乗り越えられない)」という結末(いわゆるバッドエンド)が存在するのかは原作者、ならびに漫画の担当編集にしかわかりません。もし少年漫画誌でバッドエンドをやってのけたら正直驚きますが、一方で貴重なイノベーションとしてそれはそれで(大人は)楽しめそうです。

ちなみに、これまでの作品でも孫悟空(ドラゴンボール)、ルフィ(ワンピース)など、多くの主人公たちが絶体絶命な危機的状況からの復活を遂げてきました。孫悟空はスーパーサイヤ人になることで、ルフィは覇王色の覇気を覚醒させることで。それを奇跡と呼ぶのだとすれば、奇跡を起こすにはトリガーが必要です。孫悟空にはクリリンの存在、ルフィには兄エースがいました。

画像1

画像2

本作「鬼滅の刃」においては炭治郎自身が危機をもたらす側に転化してしまったことが波紋をよんでいますが、この場合何がトリガーとなって奇跡を起こすのでしょうか?そもそも、本作にとっての奇跡とはなんぞ?ということが非常に曖昧ではあるのですが。

個人的に注目しているポイントを1つ挙げたいと思います。それは、以前書いた記事で引用した「ジョーの命題(※足立加勇)」です。ジョーの命題をベースにして、奇跡を起こす要素を主人公の信条(友情・絆・愛)としました。

今のところラスボスである「鬼舞辻無惨」を死まで追い込んだのは何も炭治郎1人ではありませんでした。「柱」たちが正に死にものぐるいで追い込み、過去に無惨と闘った「継国縁壱(よりいち)」が付けた傷もが蓄積ダメージを与え、最後の最後で止めを刺したのが炭治郎だった。ある意味、命がけの総力戦を仕掛けてようやく討ち果たしたということを考えると、その炭治郎が鬼化にしてしまったことで「あれ?どうなるの?」と読者の側は相当に混乱しました。

画像3

ここから何かしらの奇跡が起こるのだとは思いますが、「何が(誰が)奇跡のトリガーとなるのか?」が非常に待ち遠しいです。これまでのジャンプのフォーマットに則るのであれば「(禰豆子との)兄妹の絆」あるいは「(善逸や伊之助との)隊士間の友情」「(炭治郎の)あらゆる人に向けた愛」がトリガーになり得るでしょう。

しかし、私としては絶対悪の鬼舞辻無惨が死に際に感動し、その(純粋な悪の)想いを炭治郎に託したとするなら、これはここで結末を迎えることなく新たな展開に進むことこそが吉ではないかと思う訳です。なので、突拍子もないことをいえば、無惨の想い(信条と言い換えてもいい)が奇跡のトリガーになる可能性だって考えられます。それが読者が望む展開かどうかは分かりませんが。

とはいえ、いくらやっても外野の予想でしかないので、原作者からの答え合わせを待ちたいと思います。色々な人がドラゴンボールの例を引き合いに「ここで終わるのが吉」という風に言っていますが、鬼舞辻無惨の想いにここまでフォーカスした展開になった以上、続けて然るべきというのが想いです。個人的には間延びだとかなんとかは気にならないので、この先も作者・吾峠氏の世界観を見続けていきたいと個人的には思います。


この記事が参加している募集

私のイチオシ

もしサポート頂けることがあれば、それは金額の多寡というより、そのお気持ちが私に多大なる自信を与えてくれます。それに感謝致します。