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6/7 漫画より現実のがもっと怖ろしい

誰だって人は追い詰められたらダメになってしまうよ。

闇金ウシジマくん

言わずと知れた小学館モーニングの人気漫画。今年最終話を迎え、単行本も46巻で完結。多くの人が「読んだら落ち込む」と言いつつも先を読みたくなるストーリーが惹きつけたんだと思います。私も漫画が好きだった一人です。

読後感で気分爽快になったり、スッキリする人はそうそういないと思いますが、現実に目を向けるには丁度良い内容だと思う。むしろ、リアルにはこれより恐ろしいことが起きてるに違いない。

怖い、汚い、卑しい、嫌だ、嫌だ見たくない

人は自分の行動を自分で選択することができるので、見たくないものは見なくて良いし、知りたくないことは知らなくても良い。けど、己のネガティブな部分はいつどこで顔を出してくるか分からないし、コントロールしきれるかも分からない。学歴や知識があれば漫画のようにならずに済むのか?お金や権力(それを持つ親)があれば避けられるのか?

ウシジマくんを読んでいるとそれらを持っていた、その答えがNOだということが分かる気がする。

ダークヒーロー?

アメリカはヒーローが好きだよね。ダークヒーローとして語られるのはバットマンは自警団として法律では罰しきれない悪を違法な立場(警察ではないのに勝手に暴力行為に臨むという点で)から取り締まる存在として描かれています。一方のウシジマくんは闇金である時点で違法なため、手放しで称えられる訳もなく、どこを切り取っても完全に悪である訳です。

しかし昨今、善悪をはっきりと分けてドラマが作られることが少なくなってきていると思います。何が正義で、何が悪なのか?それはそれを語る主体によって解釈が異なるから。法律的な側面からいえば悪でしかない存在が、時としてある人からは救いをもたらした善なる存在として映ってしまう。

そして本来ならスポットライトが当たるはずのない人達の目線になるのは難しいけど、例えば生活保護くんの回では、生活保護申請を「若いからハローワークで仕事見つけられるでしょ」と切り捨ててまともに対応しない役所の人間は悪であり、頼るところの無い佐古っちが止むに止まれず頼ったウシジマくんは善(ただし条件付きの善)に映ったことでしょう。

急ぎすぎず時間を掛けることが必要

我々は、同時に複数の視点を持つことができない。落ち着いて時間を掛けて複数の視点から物事を見ないと分からないことが多い。重要なのは、ある程度の時間が必要だということだ。タイムラインを流し見して脊髄反射するみたいに読んで反応(”リツイート”なのか”いいね”なのか)するスピードではとても追いつけない。

誰だって人は追い詰められたら、ダメになってしまう。

自分はそうならなくて良かった、という自分のための安心材料として読むのも良いし、世の中の暗部を垣間見る怖いもの見たさでも良い。ウシジマくんから何が学べるのかは分からないけど、ホリエモンが書いた本は読んだけどよく分かりませんでした。






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