高邁な理想
幸せになる勇気 No7 アドラー心理学の掲げる目標
教育の鍵は、人間知にかかっている
人間知、それは、”わたし”を知り、”あなた”を知ること。人間の本性を知り、人間の在り方を理解すること。
カウンセリングも同じである。相談者の自立に向けて援助し、そのために必要な人間知を共に考える。
ここで哲人は改めて、アドラー心理学の掲げる目標について話します。
行動面の2つの目標
①自立すること
②社会と調和して暮らせること
そしてその行動面の目標を支える心理面の2つの目標
①わたしたちには能力がある、という意識
②人々はわたしの仲間である、という意識
この4つの目標が教育現場においても重要であると。これらは、人生のタスクとして以前紹介しています。
漠然とした生きづらさの処方箋
哲人は、「漠然とした生きづらさを感じる、われわれ大人にとっても、これらの目標に到達できず、社会生活に苦しんでいる大人は大勢います」と言います。
今のこのコロナ渦、特にその傾向が強いのではないでしょうか。仕事や趣味を奪われたように感じ、どのように生きていったら良いのかわからない人々は多くいそうです。
そんな渦の中で横行するのが犯人捜しや誹謗中傷。匿名性を盾に、様々なヘイトスピーチが飛びかいます。それは、マイナスのオーラの出口であり、はけ口である、そう考えてしまいますが、果たしてそれで良いのでしょうか。わたしたち個人がもっと意識を高く持つ必要はないのでしょうか。
「もしも自立という目標を置き去りにしてしまったら、教育やカウンセリング、あるいは仕事の指導も、すぐさま強要へと変貌します」
そう、すべての人、つまり、自分も含めたすべての人が自立しているんだ、という感覚が持つこと、そうすれば、自立した他者への敬意と尊重心が芽生えるだろうと思います。
それは、教育やカウンセリングであっても同じ。教師であれカウンセラーであれ、「強制的な介入に転落するのか、自立を促す援助に踏みとどまるのか。それは教育する側、カウンセリングする側、指導する側の姿勢にかかっているのです」と哲人は言います。
それに対し、青年は、「同意しますよ、その高邁な理想には。~しかし、問題は抽象ではなく具体です。空論ではなく、地に足のついて実論をお聞かせいただきましょう」と食い下がります。
続きが楽しみです!!
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