見汐麻衣

singer,musician / writer ✍️. 初エッセイ集『もう一度 猫と…

見汐麻衣

singer,musician / writer ✍️. 初エッセイ集『もう一度 猫と暮らしたい』(Lemon House Inc. )発売中。 Lemonhouse https://lemonhouse.jp/artist/mishio-mai

マガジン

  • 歌詞集(1999〜)

    これまでにリリースしてきた作品(リリースしなかった作品)の歌詞をこちらにまとめておこうと思いました。リリース順ではないですが、不定期に掲載していこうと思います。

  • 音楽

    音楽にまつわる雑文。 寿司日記に書いていたものをアーカイブしていこうと思います。

  • 寿司日乗または雑記

    日記。雑感。

  • NEWS

    新作、新譜リリース、ライブスケジュール等についてのお知らせなどになります。

  • おはよう、荒野。

    見汐麻衣による連載エッセイ。毎月、隔週土曜日の更新です。 (※ここ数週間更新できておらず申し訳ありません。2024・8・13現在)

記事一覧

『永い瞬間 Eternity As An Instant 』

知らずに解けた 一瞬で めまいがする朝 気付いた 水面を揺らさず 鳥が飛ぶ 写真撮る隙 旅立つ 「あぁ......さよなら」 ささやく 胸につかえてる 青い棘 抜いてもい…

見汐麻衣
3日前

『エンドロール』

経ち疲れて朝のねごと 「終わったこと」 全てがただそこで在ったこと、と ただ それだけのこと 通りを歩く 静かに汚れた美しさを 話す相手もいないまま ただ それだけの…

見汐麻衣
3日前
1

イ・ラン with オンニ・クワイヤ@渋谷WWW

歌詞が書けない。この3年程、正直歌詞を書くことが苦痛で仕方がない。好きな音楽家の歌詞を読んでいると(また、それらが受け入れられる時代の風潮を感じようとすると)オー…

見汐麻衣
3日前
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寿司日乗667〜673

2024年9月23日(月)晴れ 昼、みしお食堂用食材の買い出し、年々食材を真剣に選んでいる紳士淑女の皆様の所作に人生の経験値を感じ取ろうとするワタクシの悪趣味が開眼して…

見汐麻衣
3日前
8

『その夜』

愛が泣く 夜が明けないと わがままに時々は孤独でいたいと 浮かばない 沈む気持ちは 最初で最後の今日だと知って 手ほどきで伝わるようなそんな言葉じゃなくて この想い…

見汐麻衣
10日前
1

『さ​よ​う​な​ら​、​さ​よ​な​ら​ ​If you say so​,​goobye』

黙って閉じたパタンと今夜も 私は知っている みんなが知らないことを いつかは失う 手にしたつもりの あなたの世界や 気配のもろさを 「バカげたこと」と笑うひとたち…

見汐麻衣
10日前

寿司日乗660〜666

2024年9月16日(月)晴れ 午後起床、冷蔵庫を開けて残っている野菜がみんなシュン……としている。私もシュン……となり起きた側から項垂れました。しかし君達は旨い品に変…

見汐麻衣
10日前
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【新連載】My Favorite Booksスタート【NEWS】

タワーレコードwebサイトMikikiにて始まりました〈My Favorite Books〉にて選書しております📚1回目に選んで頂き光栄です。 【新連載スタート!】My Favorite Books

見汐麻衣
13日前
3

寿司日乗653〜659

2024年9月9日(月)晴れ 午前起床、下北沢。みしお食堂の食材買い出しなど。買い物帰りにふと見上げると入道雲が立派なこと。わぁ......と思う景色や情景、状況が訪れた時、…

見汐麻衣
2週間前
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『たしかに愛を Certainly The Love』

踊って 忘れて  跳ねたら ふいにでも ぶつかってうまれる歌だって ある 笑って 見つめて  素敵な かんちがい かさなってはじまる恋でも いいと思うよ しぜん…

見汐麻衣
3週間前

『1979 Midway(1979)』

楽しいひととき 想いは 紡ぐことなく 独りずつ それぞれの 胸に 優しいその声 涙は こぼすことなく 乾いた みずうみの 底へ テーブルには 枯れた気品と  つい…

見汐麻衣
3週間前

寿司日乗646〜652

2024年9月2日(月)曇りのち雨 早朝、エンジンの音で起きる。家の斜め向かいに駐車場があり、一台のクラシックカーがいつも駐車してある。とても大切に扱っているのがわかる…

見汐麻衣
3週間前
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インタビュー(2018)

読売新聞 The Japan Newsで受けたアルバムリリースインタビュー(2018)が現在英字版webサイトにてアーカイブで読めるようになっています。過去のものですが今一度是非。 Y…

見汐麻衣
1か月前

『春』

君のため息に涙が誘われて とりあえず手を繋いでみた 伝えたい言葉はなにもなく静かに 測れない時間を止めるんだ 春が来てまたわからなくなってしまいそうだ 烟る午後の…

見汐麻衣
1か月前
1

『だから私と』

さよならばかりして此処まできたもの 道、道草を問うてうなだれ 辺りいちめん菜の花畑 揺れて、揺り揺られて此処まできたもの あの日と人のうた忘れる前に 思い出さずに此…

見汐麻衣
1か月前
1

『なぞなぞ』

ひきしおのにおいと いくつかのなぞなぞ 解いたり 唱えたり 夕立ちでうまれかわる 街の色が増す頃 わすれられる過去 みちしおのリズムと いくつかのなぞなぞ 解いたり…

見汐麻衣
1か月前
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『永い瞬間 Eternity As An Instant 』

知らずに解けた 一瞬で めまいがする朝 気付いた 水面を揺らさず 鳥が飛ぶ 写真撮る隙 旅立つ 「あぁ......さよなら」 ささやく 胸につかえてる 青い棘 抜いてもいいけど うしなう 身体を揺らして ひとりずつ 踊りながら泡になる 「あぁ......きれいだな」 泣けちゃう 時間の被膜が 破れたら 新しい人で ようこそ 嘘も建前も 本当も 言葉の落穂 あつめて 「あぁ......さよなら」 はじまる (2022)

『エンドロール』

経ち疲れて朝のねごと 「終わったこと」 全てがただそこで在ったこと、と ただ それだけのこと 通りを歩く 静かに汚れた美しさを 話す相手もいないまま ただ それだけのこと 最後に目を閉じたら 素敵だった時だけが浮かぶかしら 傾く頬 約束のあとの光と影 全てはただそこで在ったこと、と ただ それだけのこと 最後に目を閉じたら あなたのどこかはが浮かぶかしら 経ち疲れて朝のねごと 「終わったこと」 全てはただそこで在ったことと ただ それだけのこと 通りを歩く 静

イ・ラン with オンニ・クワイヤ@渋谷WWW

歌詞が書けない。この3年程、正直歌詞を書くことが苦痛で仕方がない。好きな音楽家の歌詞を読んでいると(また、それらが受け入れられる時代の風潮を感じようとすると)オーセンティックなものが年々求められているように感じる、それは正直さとも言い換えることができるかもしれない。もっと言うと音楽の中でも選び抜かれた正直さ、真っ当さを歌詞に対し切実に求める人達が増えているのではと最近は考えることが増えた。そういうことを日々考え出すと余計に歌詞が書けなくなっている。そのくせ日々、感じることをつ

寿司日乗667〜673

2024年9月23日(月)晴れ 昼、みしお食堂用食材の買い出し、年々食材を真剣に選んでいる紳士淑女の皆様の所作に人生の経験値を感じ取ろうとするワタクシの悪趣味が開眼しています。スーパーはある意味人間交差点。 仕込みをやりながら安住紳一郎のラジオアーカイブを聴くなどしていると直ぐに夜、机に向かい雑務後肌寒さを感じ外に出ると涼しい。秋、きましたな。鍋を食べたくなり再び近所のスーパーへ。 見事に豆腐や白菜、豚肉がなくなっており、紳士淑女の皆様も考えることは同じなんですかな、鍋、温

『その夜』

愛が泣く 夜が明けないと わがままに時々は孤独でいたいと 浮かばない 沈む気持ちは 最初で最後の今日だと知って 手ほどきで伝わるようなそんな言葉じゃなくて この想いの先端にただ 触れて欲しいと思うの 昇るだろう朝陽は 解けるだろういつか全ては 知らないふりして本当は知っているんだから 愛が泣く 夜が明けないと わがままに時々は孤独でいたいと 浮かばない 沈む気持ちは 最初で最後の今日だと知って 今日だと知って (2005)

『さ​よ​う​な​ら​、​さ​よ​な​ら​ ​If you say so​,​goobye』

黙って閉じたパタンと今夜も 私は知っている みんなが知らないことを いつかは失う 手にしたつもりの あなたの世界や 気配のもろさを 「バカげたこと」と笑うひとたちへ 「哀しいひと」 と笑いかえすの 黙って閉じたパタンと今夜も 私は知らない みんなが知っていることを 静かに近づく 悲しいうわさや 愚かなものともども 連れ立ってやってくる 「些細なこと」と笑う人たちへ 「さよなら二度と会うこともないでしょう」 ゆっくり開いた音などたてずに あな

寿司日乗660〜666

2024年9月16日(月)晴れ 午後起床、冷蔵庫を開けて残っている野菜がみんなシュン……としている。私もシュン……となり起きた側から項垂れました。しかし君達は旨い品に変えてやる、パスタで昼飯。 雑務を少し、のち友人に誘われ夕方より新宿、数人のお誕生日を祝う会、馴染みの店。気心知れた皆様と遅くまで飲食。友人が手作りのレコードバッグを作ってくれたとのことで贈り物として頂く。しかしなぜ人はのべつまくなし話しをするのか、いつも酒場でふと思う。他人と向かいあって話す、輪になって話す…

【新連載】My Favorite Booksスタート【NEWS】

タワーレコードwebサイトMikikiにて始まりました〈My Favorite Books〉にて選書しております📚1回目に選んで頂き光栄です。 【新連載スタート!】My Favorite Books

寿司日乗653〜659

2024年9月9日(月)晴れ 午前起床、下北沢。みしお食堂の食材買い出しなど。買い物帰りにふと見上げると入道雲が立派なこと。わぁ......と思う景色や情景、状況が訪れた時、無意識に口から出る歌があり、今この瞬間にピタリとくる歌詞があることの幸せ。「今日が最後の入道曇〜今日が最後の夏の日〜カゴをぶらぶらひと歩き 豆腐屋の笛も遠のいた 思い出して嬉し泣き 肩の力は抜け切った〜♩」Ett渓さんのギターとさゆりさんの歌が鳴る。口にすると何故か涙を誘うも気分が良くなる。 Ett「山

『たしかに愛を Certainly The Love』

踊って 忘れて  跳ねたら ふいにでも ぶつかってうまれる歌だって ある 笑って 見つめて  素敵な かんちがい かさなってはじまる恋でも いいと思うよ しぜんに 手をとって しずかに 扉をあけて ふたりで 夜の街へ たしかに愛を ただしく まよって  いつでも さよならを ふりかえって言えないことだって ある さいごに 呼びあう  なまえを もう二度と くちにすることなどなくても いいことあるよ しぜんに 手をとって しずかに 扉をあけて

『1979 Midway(1979)』

楽しいひととき 想いは 紡ぐことなく 独りずつ それぞれの 胸に 優しいその声 涙は こぼすことなく 乾いた みずうみの 底へ テーブルには 枯れた気品と  ついたての嘘を 残したまま 夜が明けたら 誰でも ためらうことなく 観じて 寄る辺なき 明日に テーブルには 錆びた時計と  ついたての笑顔 飾ったまま (2016)

寿司日乗646〜652

2024年9月2日(月)曇りのち雨 早朝、エンジンの音で起きる。家の斜め向かいに駐車場があり、一台のクラシックカーがいつも駐車してある。とても大切に扱っているのがわかる程に小綺麗な車体。そのエンジン音を初めて聞いた。ブゥゥン、ドゥルルル……とても大きな音なのだがこれが五月蝿いと思わないのだから不思議。エンジンの唸り方に俺は現役だぞという気概があるかのよう。 実家が国道の側に建っていた頃、週末は走り屋のエンジン音が凄く毎週聞くとあぁ、金曜の夜だと思ってコチラも五月蝿いとは思わ

インタビュー(2018)

読売新聞 The Japan Newsで受けたアルバムリリースインタビュー(2018)が現在英字版webサイトにてアーカイブで読めるようになっています。過去のものですが今一度是非。 You can read an archive of the interview (2018) on the Yomiuri Shimbun English website. Please take a look.

『春』

君のため息に涙が誘われて とりあえず手を繋いでみた 伝えたい言葉はなにもなく静かに 測れない時間を止めるんだ 春が来てまたわからなくなってしまいそうだ 烟る午後の中めくった富士日記 燻らし忘れ煙の先 こぼれ落ちるのが笑顔でも涙でも そこに訳なんかいらないんだ 春が来てまたわからなくなってしまいそうだ 残酷だ 曖昧な リズムと温度が重なってつくる 気が振れて 形を成す夢なら 踊り狂わないと 春が来てまたわからなくなってしまいそうだ 春が来てまたわからなくなってしまいそ

『だから私と』

さよならばかりして此処まできたもの 道、道草を問うてうなだれ 辺りいちめん菜の花畑 揺れて、揺り揺られて此処まできたもの あの日と人のうた忘れる前に 思い出さずに此処まできたもの 「誰でもいいのさ」と日暮れを待って ひとりになってまた夜になって 笑いたい人には笑ってもらって ケセラセラセラセとどうぞ、笑って それでも私と一緒に来るなら 辺りいちめん菜の花畑 (2007年)

『なぞなぞ』

ひきしおのにおいと いくつかのなぞなぞ 解いたり 唱えたり 夕立ちでうまれかわる 街の色が増す頃 わすれられる過去 みちしおのリズムと いくつかのなぞなぞ 解いたり 唱えたり 忘れないで帰り道 鼻歌で照らす 忘れられる過去 おしゃべりをやめて つたわること 無意味なものほど 愛しいもの ひきしおのにおいと いくつかのなぞなぞ 解いたり 唱えたり 忘れないで帰り道 鼻歌で照らせ 忘れられる過去 忘れられる過去 忘れられる過去 (2006年)