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日本の未来を託す2  スマート社会をつくる鍵(2030年の暮らしを支えるもの)

つながる時代(通信技術)

2020年、日本でも5Gの時代が始まった。5Gは最大通信速度は10Gbps以上であり、4G/8G品質のストリーミング動画も難なく再生する性能を発揮する。また、遅延は1ミリ秒以下になり、タイムラグをほとんど意識することなくリアルタイムに精緻な遠隔制御が可能になる。
さらに5Gの大きな特長と言えるのが、多数のデバイスが同時に接続可能である点だ。4Gでは1回線でせいぜい数台程度の接続が限界だが、5Gでは100台以上のデバイスを1回線に接続できるようになる。これは大規模かつリアルタイム性が求められるIoTネットワークには欠かせない機能であり、5GによってIoTシステム分野がさらに加速すると予想されている

一方で、誰もが大容量の動画を見るわけではない。例えば河川の水位を定期的に通信するくらいなら5Gは大袈裟だ。それに河川は街の中にあるわけではないので、そんなところに5G基地局をつくるのはコストが合わない。また、遠いところにあるデバイスのバッテリー交換は面倒なので、できるだけバッテリーが長持ちする方がいい。そういう場合はLPWAのような低消費電力・長距離無線が可能な無線方式が最適だ

そのほかにも、船舶や飛行機など、基地局の置けない地域をカバーするために、人工衛星による通信システムも進化している。現在では、海上・海中、上空も含めた地球全域で高速通信が可能になりつつある。

Wifi、Bluetoothなど、近距離の通信技術も進化しており、つながる情報の容量や、地域、かけられるコストにあわせた通信技術がどんどん進化しており、あらゆるモノの情報が集積できる基盤は整いつつある

スマートデバイス(モノづくりの技術)

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通信技術の進化に伴い、モノからの情報がどんどん吸い上げられるようになっている。身近なところでは、エアコンはスマートフォンで操作可能になっていて、外出先から自宅のエアコンを操作し、家に帰るまでに部屋を暖めたり冷やしたりすることができる。そのスマートフォンでは消費電力などの情報を見ることができるので、懐の厳しいときは、いつもより設定温度を少し低くしたり高くしたりもできる。

もちろん、エアコンに限らず、ほとんどの家電はネットワークにつながりつつあるし、それこそ、一つのゲートウェイを通じて家にあるものは何でも操作することが可能になっている

便利なのは、スマートキーだ。従来の物理キー(鍵)ではなく、デジタルキーとすることでカギを持ち歩かなくて済むし、データさえ共有すれば本人がいなくてもお客様を家に招くこともできる。

家のインターフォンが鳴れば、その情報はリアルタイムでスマートフォンに連絡され、スマーフォン越しに訪問したお客様と話ができる。宅配の再配達が配送スタッフの仕事を煩わせていることが問題になっているが、外出先から直接話ができれば、置き配してもらうなどもできるので、再配達はずいぶん減ることになるだろう

これはほんの一部の例だ。スマートウォッチ、ウェアラブルデバイス、ヘルスケアデバイス、スマートスピーカー、もちろんスマートフォンやタブレット、PCなど、通信技術が向上し、モノに通信デバイスが乗っかりさえすればありとあらゆるモノがつながる時代になった。

これは家だけではなく、オフィスも移動中(車や電車、飛行機も)もありとあらゆる場所で体感できるものとなっている

通信技術が発展しモノの情報が安価につなげられるようになったこと、通信デバイスやセンサー技術、バッテリー技術が発展することで、すべてのモノがつながる時代がすぐそこまで来ている

情報のサービス化(コトづくりの技術)

通信技術や半導体や電子部品などのデバイス技術の進化は、IoTを深化させ、世の中をDX(デジタルトランスフォーメーション)させていく。ただし、これらハードウェアの進化だけではDXを実現するものとはならない。

ハードウェアの進化により集積することが容易になった情報を、どのように利活用するか、社会にとって有益なサービスとするかなど、ソフトウェアの進化と並行で行われない限りDXは進まない。

現時点においても、IoTやAIを駆使したサービスはたくさんある。youtubeを見たり、Amazonで買い物をすれば、その人の嗜好にあった動画や商品が次々とレコメンドされるし、Google翻訳を使えば日本語を外国語に翻訳してくれる。AppleのSiriに話しかけると音声を認識しなんでも答えてくれるのはご存じの通りだ

ただ、日常的に使っている主要なサービスの多くは、アメリカに起源を置くものが大半で、日本企業はなかなか爪痕を残せていない。世界屈指のモノづくり大国でありながら、世界レベルで社会にとって有益なサービスを作り出せていないのが実態である

日本にもIoTやAIを駆使したサービスがないわけではない。以下にいくつか挙げたが、ガジェットの要素が強く、大きなビジネスになっていないものがほとんどだ。

日用品が無くなった瞬間にボタン一つで注文「Amazonダッシュボタン」
スマホ1台で家中の家電を操作できる「eRemote」
「失くす」を無くすIoTプロダクト「MAMORIO」
スマホでオン/オフをコントロールできるIoT乾電池「MaBeee」
スマホでドアの鍵を開閉できるスマートロック「Qrio」
窓の戸締まりをスマホでチェックできる「leafee mag」
今日傘は必要?ライトの色で知らせてくれる傘立て「Umbrella stand」
加速度センサー内臓のスマートサッカーボールでスキル向上「smart ball」
住人の好みを察して自動で温度調節「Nest Thermostat」
自宅の家電とスマホを連携「au HOME」
家中の全てのスイッチをスマホで操作「マイクロボット・プッシュ」
加速度センサー付きのベッドでパートナーの浮気を検知しスマホで通知「Smarttress」
空気の汚れ具合に応じて空気清浄機を自動制御「Blueair Aware」
地震時に自動点灯するIoTLEDライト「MAmoria it」
ゴミの蓄積状態がリアルタイムにわかるスマートゴミ箱「BigBelly Solar」
駐車場の空き情報を教えてくれてる「Streetline」
どの駅のトイレが開いているかがわかる「IoTトイレ」
自動販売機を監視カメラ化して地域の防犯・防災強化「IoT自動販売機」
橋にセンサーを取り付け保守・点検を効率化「BRIMOS」
都市型水害をいち早く検知「明電マンホールアンテナ」
家にいながら医師の診療が受けられる遠隔医療サービス「PlushCare」
歯ブラシにつけるだけで、最適な磨き方を提案「G・U・M PLAY」
全ての医療機器の情報を一画面で共有「スマート治療室」
遠隔地や離島にいつでも薬を届けられる輸送手段を確立する「KamomeAir プロジェクト」
愛犬の体調データを管理するウェアラブルデバイス「FitBark」
自動配送で再配達ゼロを目指す「ロボネコヤマト」
ハンドルもペダルも無いGoogle発の自動運転車「Waymo」
ドライバーの心拍数をリアルタイムに計測し事故を減らす「hitoe」
大型工場のデータをリアルタイムに見える化(FUJITSU×INESA)
日本を代表するクローズIoTで農業を効率化「スマートアシスト」(ヤンマー)
圃場に行かなくても農作物の状態がわかる(ベジタリア)
室内で効率的に育てるスマートな家庭菜園「foop」
地元の漁師がジュゴンの保護に協力するアプリ「Kii Cloud」
世界中の船舶800隻をIoT化して正確な気象予測と最適航路の提案を実現「Safety Status Monitoring」
ドローンで3D図面を作成し、建機を自動操縦「スマートコントラクション」(KOMATSU)

ヒューマンリソース(エンジニア)

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2018年に発表された、経済産業省(以下、経産省)の『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』(以下、DXレポート)では、DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組みの重要性が言及されており、もしDXが進まなければ「2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性がある」と警告している

https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/20180907_report.html

2019年の経済産業省がみずほ情報総研株式会社に委託した「IT人材の需給に関する調査」では、2030年には最大79万人のIT人材が不足するという試算が出ている。Covid-19を契機に起こったスマートソサエティへの急激なかじ取りを考えれば、もしかするともっと多くの人材が必要になるかもしれない

https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf

通信技術やデバイスの開発技術が進展し、次々に新しいサービスが開発されても、それを導入するための人材がいないのではお話にならない。

Covid-19は、観光、外食、エンタメ、アパレルなど様々な業種業態に影響を及ぼし、多くの人が失職を余儀なくされている。テレワークなどの非接触型の行動様式が定着し、少なからず便利さや合理性を理解してしまった今となっては、Covid-19が収束しても、以前のように通勤したり出張したりということは減ってくる。そうなると残念ではあるが、外食の機会は減るだろうし、おしゃれな洋服を以前ほど買う必要もなくなるのは火を見るより明らかだ

産業構造が変わろうとしている状況において、既存の産業にいる人は、いつ仕事を失ってもおかしくない。新しいスキルを身につけなければ新しい職に就くことは難しくなるだろう。

そういう意味では、志高く、自身の将来設計を考える人たちは、ぜひ、ITスキルを身に着けてDX推進に一役買っていただきたい。産業間の人材シフトが行われなければ、2025年の壁を乗り越えられないし、多くの失業者が街にあふれる時代になってしまうだろう

IT人材といっても範囲が広く多種多様だが、思いつくところを以下に挙げておく。これら職種のスキルを身につけることは、生活を安定させることができるし、何より世界の持続的な成長に貢献できる

【エンジニアの種別】

どういうシステムをつくるかを構想するシステムエンジニア
システムエンジニアのつくった構想をコーディングにより具現化するプログラマー
ユーザの見えるところの開発に特化したフロントエンドエンジニア
モノを制御するシステムをつくる組み込みエンジニア(エンベデッドエンジニア)
web上でやり取りされる情報の通り道を専門に扱うネットワークエンジニア
web上のサービスを提供する装置である「サーバー」の扱いに特化したサーバーエンジニア
インターネット上でのデータを保管、管理している「データベース」の扱いに特化したデータベースエンジニア
情報セキュリティに特化したセキュリティエンジニア
データなどをインターネット上で保管する「クラウドコンピューティング」の技術に精通したクラウドエンジニア
サーバーやデータベースといった、「ユーザーに見えない部分」を担当しているバックエンドエンジニア

今すぐに、IT人材、DXに対応できる人材を育成しなければ、私の描くPicture of the futureは夢と散る

https://note.com/19631018/n/n26475e8ebeff
https://www.alpha-function.jp/


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アルファ・ファンクションの栗本です。ブランディングとIRを組み合わせた企業価値創造メソッドを提唱しています 知る人ぞ知る優良な会社の”意思”を多くの人に知ってもらうことで、企業価値は大きく変わります。 連絡先:kurimoto@alpha-function.jp