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一流を目指す社長の矛盾とは?

ある店の朝礼でのことです。煙草が好きな社長がくわえ煙草で入店しました。朝礼で社長は「一流を目指す」と語りました。僕の隣にいた社長の奥さんが小さな声で発した一言は「くわえ煙草で歩く人がよく言いますね」。

会社の内外にいるありがたいファン

ファンとは会社が大事にしている価値を支持している人たちです。「がんばってね」と応援し、「ダメじゃないか」と叱咤し、「大丈夫だよ」と救いもしてくれる存在です。そんなありがたいファンはどこにいるのでしょうか。

実は会社の外にも内にいます。外はお客さま、内は社員です。どちらも大事ですが、多くの会社は業績に影響を与えるお客さまを大事にします。しかし、僕は社員が先だと思っています。

会社を嫌いになろうと思って入社する人はいない

当たり前のことですが、会社を嫌いになろうと思って入社する人はいません。程度の差はあれ、会社を好きになり、貢献したいと思って働きます。会社も仕事を通じて早く成長してほしいと願って接します。

しかし、力を発揮できない人がいたり、退社する人もいます。その原因は何なのでしょうか。仕事への適性、給与や待遇への不満、職場の雰囲気、人間関係など、自分にとって働きやすい環境でないことが原因です。

社員が自社の一番のファンになる

しかし、働きやすさを高めるだけで社員はファンになるでしょうか。そもそも、中小企業は給与や福利厚生などで大手にはかないませんし、働きやすさを改善しても、それは当たり前になってしまいます。

中小企業にとって「人材の採用、定着、成長」は重要かつ緊急の課題です。この課題の解決策は「社員が自社の一番のファンになる」ことです。そのためには、働きやすさだけでなく、働きがいを追求する必要があります。

価値を実現しようとする人たちへの共感

働きがいはどこから生まれるのでしょうか。それは会社が大切にしている価値に共感することです。さらにその価値を実現しようとする人たちに共感することです。給与や待遇ではなく、人への共感から働きがいが生まれます。

そのためには「お客さまに共感してほしい価値と社内のすべてのことが矛盾していない状態」を作る必要があります。冒頭のような小さな矛盾がきっかけとなり、社内外の価値が乖離すると、働く動機が不明確になります。

経営は「きれいごと」だけではできませんが、社員はこの矛盾していない状態を望んでいます。ブランドとは約束です。社内外への約束を実行し続けることでブランドは育ちます。自戒を込めて、そう思います。

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