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熱くなるってどういうことなんでしょうか?


「熱くなれ!」が口癖の創業社長

取引先の創業社長の口癖は「熱くなれ!」だ。社長は昭和20年代の生まれだ。僕らの世代は感覚的にわかるけど、若い世代はいまひとつピンとこない。でも、ピンとこないのを反対や否定だとは思わない。

あるとき社長の息子さんから「熱くなるってどういうことなんでしょうか?」と問われた。そのときは「パフォーマンスも必要じゃないの」という曖昧な返事ですませた。正直いって、よくわかっていなかったからだ。

熱さの源は「止むに止まれる思い」

しかし、いまではこんな風に理解している。熱くなるには何かしらの源が必要だ。その源とは「止むに止まれる思い」。辞書的に解釈すると「やめようとしても、やめられない。そうするよりほかない」ということになる。

「何としても解決する」「どんなことがあってもやり遂げる」、そんな感情のほとばしりが熱さの源だと思う。そんな話をすると「ちょっと重たくないですか?」といわれた。うーん、熱さに重いも軽いもないんだけどね。

「どう考えてもおかしい」と思う瞬間

幕末の思想家「吉田松陰」がこんな言葉を残している。「かくすれば  かくなるとしりながら  やむにやまれぬ  大和魂」・・・解釈すれば、「こうすればこうなるとわかっていながら、やらずにはいられないのが日本人の魂だ」

経営も同じだ。「どう考えてもおかしい」と思う瞬間がある。本質が通じない理不尽なこと、誰も幸せにならない矛盾、世の中が困っているのに解決できていない課題・・・仕事とは関係ないようでいて、実はつながっている。

怒りや憤りが仕事のエネルギーなのだ

仕事柄、多くの経営者とお会いすることが多い。創業者もいれば後継者もいるが、事業をぐいぐいと切り開いているのは、止むに止まれる思いを持っている人だ。ある意味では、怒りや憤りが仕事のエネルギーになっている。

「熱くなれ!」の社長の会社は日本の伝統的ないるである着物の小売りだ。産地は後継者不足に悩み、市場は縮小している。自社の利益というよりも、「産地や作り手の状況を何とかしたい」という思いが熱くさせている。

小さなことでいいので、行動を起こせ!

もちろん、そうはいっても簡単には解決できないことの方が多い。自社だけではどうにもならない。売上や利益の方を先行すべきかもしれない。それでも、我慢できない。止むに止まれない・・・じゃあ、どうするのか?

「何とかしようと動き出す」あるいは「そういうものだとやり過ごす」・・・創業社長の「熱くなれ」は、前者の「まずは行動を起こせ!」だ。社長になった息子さんは、創業社長と同じように熱くなっている。

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