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高校野球とキャチャーヘルメットのデジタルデータとは

2023年炎天下での高校野球が開催されている。ここでも工業デザイナーの商品が活躍している。私がCADを初めて23年経過したが、未だに工業デザイン業務で思いのままに活用しているデザイナーは少数だ。デザインは手書きでイメージをしなければと発言するデザイナーも少なくない。その中でDXは必須と語る人や評論する人もいる。

さて、CADのスケッチ画でベジェ曲線、スプラインなどで自由曲面の扱いは重要だ。モデリング、アイデアを具現化する構想設計モデリング、材料・コスト・環境・加工法などを配慮したデジタルスカルプチャーテクニックを雑誌に掲載したものを公開します。

3DCADとは

デザインや造形する立場でモノをカタチづくるときに発想をどのようにするかであるが、熟練度の違いや操作の理解度によって完成度は異なる。また、何を伝えた如何によって、主従の考え方で求めるカタチのイメージはもとより、ディテールまで変化する。求める意味性すら、似て非なるものになるときがある。スキルと思考との戦いとなる場合がある。言い換えれば、デザインイメージしたときにCADの履歴(どのように構成するか)をイメージできるかである。

これからの課題 新時代のモノづくり環境は、アイデアや発想を実現化する大きな武器として3次元CADを使用することとなるであろう。

3DCADの使用目的は、近年多様化し、多くの展開をし始めている。
3DCAD22年の経験者の私が感じている課題が3つある。

DX環境が整ったことで暗黙知が形式化してきている

3DCAD初期は、設計者の効率と記録の高度化から始まり、内部構造や稼動部の機構など多くの物理的な制約や検証、確認・シュミレーションそしてコミュケーションのツールとして発展してきた。高性能、軽量化、精密性、精微性など求められる機能をクリアするためにもCADが使われてきた。
「品質向上」のためにもCADは大変活用されてきた。

今や、感性に訴えることは基より、統合的デザインを判断するために高度化してきた。さらに、「デザインの価値向上」のために使っている。又、CADデータの活用範囲が広がり、デザイナーのつくったデータでCAMまで展開できることでデータの一元化が進んでいる。このようにDX環境が整ったことで暗黙知が形式化してきているも経済・文化・教育などに大きく社会貢献しているは周知のところである。

これらの時代変化と同期し、より良い感動を生み、社会貢献できるデジタル環境創意のためにデジタルを活用したモノづくりしているデザイナーもいることを理解したほしい。また、これからの工業デザイナーはさらなるスキル向上が求められると考える。

PC画面でのサイズ観は無意識下にある

次に、画面上で見るサイズと実際の大きさを意識せずモデリングしてしまうことです。
3次元CADの中では、パラメータは存在するが使用者にはサイズ観は無意識下にあるので意識しなければならないことです。

寸法情報をいれてカタチをつくりますが、0.0001mmのモノでも画面いっぱい表示できますし、逆に地球ほどの大きさのものでも1ミリに満たない大きさに画面表示することができます。

画面上に見えているサイズを実サイズと混同し必要以上にモデリングしてしまう場合があります。また、微細な面を修正することに時間をついやしすぎる事があります。現実に必要としない部分やレベルまでモデリングしないように、また、常に、実サイズ、加工をイメージしながらモデリングすることが必要となります。

CADは、あくまで「道具」だ

最後に、辛口な意見を言えば、
CADでモデリングが速く、思い通りにできたとしても、デザインのセンスや感性が向上するわけではありません。デザインスキルの代わりでもなく、もちろん才能の代わりにもなりません。CADは、あくまで「道具」だということを忘れないでほしい。

時代の変遷と共に作業環境が変わり、それに対応するためにCADを使用しているに過ぎないのだ。

これからは、アイデアや発想を実現化する大きな武器として3次元CADをつかい、新時代のモノづくり環境を積極的に同期し共有・活用しよう。

思いのままにモデリングするためのポイント

3次元CADでは、まだ鉛筆で描くように、簡単に形状を描いたり変更したりすることはできません。なぜなら、CADは数理であり、パラメータで構成されているからだ。形状が複雑になればなるほど、モデリングプロセスが複雑となり、作成したモデルの変更や修正に手間がかかる。CADを難しく感じさせ、使用を躊躇させるのは、操作性よりも、形状をモデリングするプロセスが重要である

CADでの形作りは、カタチが同じでもモデリングの方法のプロセスは何十、何百と構成を考えられる。どのモデリング方法を選択するかによってモデルデータの質が代わります。

最適なモデリングを行うには、次のモデリングルールを守りましょう
1. 基準となる点、線、面を整理して定義する。
2. 後に変更、改善しやすいフィチャーとする。
3. できるだけシンプルなカタチを組み合わせ、履歴のすくない構成にする
の3点です。

そして、立体のイメージの成り立ちを考え、要素に分けてモデリングします。どんな複雑な形も簡単な立体の組み合わせで成り立っています

形状要素を積み上げる(プラスする)「彫塑的視点」と大きな塊から不要な部分をカットする(マイナスする)「彫刻的視点」のカタチづくりの考え方をすれば、人の顔のような複雑な曲面を持つ形状であっても作ることが出来る。

CADを活用するには、日々の研究、努力し、スキルを高めることが重要となる。自分が描いたイメージを造り上げるまで、あきらめず、失敗をおそれないで実践することである。

失敗の情報を積み上げることで、色々なモデリングに対する創意工夫、経験知が生まれる。

また、よい商品をつくるには、楽しみながらものづくりすることが大切。

笑顔のある作品からは喜びや楽しさがあふれるが、顔をこわばらせてつくった作品からは、余裕やたのしさが見えないディテールとなる。3DCADでのものづくりも、感性、品格、優しさや思いやりなどがディテールに現れる段階になったように思う。

3次元CADは、情報伝達のために使う

私たちの生活を見渡してください。鉛筆、ノートなどの文具品から、パソコン、テレビなどの家庭電化製品、家具、家、乗り物と多くのモノに囲まれて暮らしている。それらが造られるまでには、多くの人が携わる。工業デザイナーもその1つの役割である。

工業デザインは、主に「商品」のデザインを行います。商品化で起こるさまざまな課題を解決するために、制約条件や問題を分析、整理し、そして、思考を加る。

モノが出来る前に、モノの形態を描き、コンセプトで示された仮説を可視化(見える化)をする。これをモデリングという。

モノのカタチができても、商品にはなりません。「商品」は、デザイン工程だけでつくられるものではなく、デザイナーが創造したモノのカタチは、設計、品質管理、生産管理、製造、営業・宣伝などの多くの工程を経て、「商品」になります。

そのため、デザイナーが創造し、決定したモノの形状、素材、模様、色彩などの「モノのカタチの情報」をモノづくりに関わる全ての人に、細部にいたるまで正確に伝える必要あります。

プロダクトの組織的アイデンティティとは

デザイナーは、これらカタチの正確な情報を伝達する手段としCADデータを基本に3Dプリンタのデータ、解析、動作シュミレーション、分解シュミレーション、商品を撮影したようなビジュアル画像など展開されこと求められています。

また、モノのコンセプトをカタチにすることがデザインの責務であるが素材・加工・コスト・マーケティングなど企業資源と企業の社会貢献まで会社全体のものづくりをマネージメントする統合的な役割と責任を持つ業務となってきた。


言い換えれば、デザインデータは、企業資源であり、企業のプライドであり、アイデンティティでもあるのだ。

企業の未来をつかさどる意味を有しているのである。

これらの役割をPI ( Product Identity)という。

私は、これらの行為すべてが企業の糧であり、工業デザインであり、プロダクトの組織的アイデンティティと考える。

では、デジタルスカルプチャーの実践をご覧ください。

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