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『小説』永遠に宇宙に~さよならは言わない~ 第50話

加奈「やっと着いた」
修二「お嬢様、荷物は全て中へ運び終えましたので」
加奈「もォ修二さん!!お嬢様は止めてって言ってんじゃん」
美菜「ウフフ良いじゃんお嬢様なんだからさ」
加奈「ミーナまで」
美菜「嬉しいんだって修二さんは」
加奈「だからってさァ」
修二「ではお嬢様、屋中美菜様中の方へ」
美菜「何の冗談よ、香月修二様」
加奈「フフフ、ミーナだってキレてんじゃん」
美菜「あ┄┄」
修二「加奈さん、矢張り私は残った方が良いのでは」
加奈「ううん、本当にゴメン修二さん、今回だけはミーナと2人だけでの思い出を作りたいから」
修二「然し」
加奈「パパもママも納得してくれたんだからさ、修二さんもね?」
修二「┄┄┄┄┄」
加奈「ね?」
修二「┄┄分かりました、ですが何かあった時は」
加奈「うん、真っ先に修二さんに知らせる」
修二「美菜ちゃん」
美菜「うん、任せといて?」
修二「お嬢様をお願い致します」
美菜「はい、帰路はお気を付けて下さい」
修二「では」
スタスタスタバタン┄┄ブロロロロ┄┄┄
加奈「ミーナァ!!ちょっとこっち来てェ!!」
美菜「分かった」
タタタタタ
美菜「どォしたの?」
加奈「座って?」
美菜「うん」
トスッ
加奈「見て?私ね?ここから見る景色が一番好きなんだ」
美菜「うん、素敵だね?」
加奈「水平線から昇る朝日、昼の落ち着いたさざ波、夕焼けに染まった海┄┄御祖母ちゃんと一緒に見るのが楽しかった」
美菜「うん」
加奈「でも┄┄今は大切な人と一緒に見てる」
美菜「ありがとォ」
加奈「ありがとォは私が言いたい」美菜「そっか」
加奈「今日ね?花火大会があるの、ここから見ると凄く綺麗に見えるんだ」
美菜「ウフフ、特等席って事だここは」
加奈「ねェミーナ?」
美菜「なァに?」
加奈「色んな事あった」
美菜「うん」
加奈「一矢も」
美菜「そォだね?」
加奈「小学校からの友達だったのに」
美菜「うん」
加奈「今まで沢山の┄皆との思い出が┄でも春になれば」
美菜「春になればまた新しい思い出が作れるね?」
加奈「私は┄┄」
美菜「また皆で」
加奈「え?」
美菜「全部終わったよ?だから話す┄結婚の話しは無し、加奈は今まで通りのS校の女子高生で居られるの」
加奈「本当に?」
美菜「うん、前に裕矢の奴、パパを挑発したでしょ?あれでパパとグレコさんが怒っちゃってさ、村雨グローバルの悪事を見付けて出して、あの会社はもォ終わり」
加奈「そォなんだ」
美菜「それでプログラムが中止になると小父様の会社が大変になっちゃうからって、グレコさんがアメリカの友人に頼んで、プログラムは続行して貰える事になったみたい、あ、でも規模はちょっと小さくなるって言ってたけど」
加奈「会社は無事なんだ」
美菜「まァね?そんで加奈が調べてくれた谷淵って人、何かとんでもなく悪い人だったらしくて、小父様がクビにしたってさ」
加奈「そォ」
美菜「早く教えたかったんだけど」
加奈「分かってる」
美菜「そっか、それじゃァ今度はパパがね?」
加奈「小父様?」
美菜「そ、パパと小父様の2人で食事をしたんだけど」
加奈「嘘!!┄珍しい」
美菜「よね?私も同じ事言った、それでパパが小父様に今回の事と優也君の小父様の事を話したらしいのよ」
加奈「うん」
美菜「小父様は、谷淵の代わりに優也君の小父様を、本社に転勤させるって言ってたみたい」
加奈「え!!パパが?┄┄そんな事する人じゃなかったのに」
美菜「だよね?それで夏休みの終わりに戻って来る事になったから」
加奈「┄┄え!!優也君も?」
美菜「そ、学校に戻って来れる」
加奈「┄┄┄┄パパ」
美菜「意外だよね?あの小父様がだよ?」
加奈「┄┄┄┄ねェミーナ?」
美菜「なァに?」
加奈「思いっ切り泣いても良い?」
美菜「うん、傍に居てあげる」

加奈「よし!!パエリア完成、ポトフもOK、ミーナのリクエストのローストビーフはァ」
ガチャッ
加奈「うん、上出来、良い焼け具合だわ」
カタッ┄┄スッスッスッ
加奈「ミーナァ!!運んで?」
美菜「はァ~い」
タタタタタ
美菜「わァ!!美味しそォ!!」
加奈「フフフ」
タタタタタ
加奈「後は食器か、え~と」
カチャカチャチャチャ
加奈「スプーン、フォーク┄┄ナイフ」
タタタタタ
美菜「後は?」
加奈「この食器と、ローストビーフだけ」
美菜「分かった」
カチャ、タタタタタ
加奈「そォだなァ┄持ってくか」
スタスタ、ガチャッ┄┄バタン
美菜「加奈ァ!!終わったよ?」
スタスタスタスタ
加奈「エヘヘ、ワイン行く?」
美菜「お?良いねェ」
カタッカタッ
加奈「さ、食べよォか」
美菜「どれも美味しそォ!!」
加奈「はいミーナ」
スッ
美菜「ありがとォ」
加奈「それじゃァ乾杯~い」
キキィ~ン!!┄┄ドォ~~ン!!
加奈「あ!!花火始まった」

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