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『小説』永遠に宇宙に~さよならは言わない~ 2章 第10話

虎次「なァ母ちゃん?┄┄遅ェな?」
蘭「うん┄┄遅いわね?」
龍次「もォ直ぐ来るだろ?」
虎次「それにしても遅くねェか?」
蘭「そォよね?遅いわよね?」
龍次「全くこの2人は」
虎次「母ちゃん、時間と場所は合ってんだよな?」
蘭「うん、手紙には今日って」
虎次「写真持って来たよな?」
蘭「あ┄┄ダイニングテーブルの上かも」
虎次「マジでか!!」
蘭「で、でも虎次顔覚えてるんでしょ?あんたいっつも女の子ばっかり見てるから」
虎次「見てねェよ!!ってかどォすんだよ、俺顔覚えてねェぞ?」
蘭「どォしよォ┄私も覚えて無い、ひょっとしてもォ」
虎次「それ┄マジでヤバくねェか?」
龍次「ハア┄┄お?いたいた、おォい!!3人共こっちだよ?」
蘭「へ?龍次覚えてたの?」
虎次「お前チラッとしか見てなかったじゃねェか」
龍次「大した事じゃ無いよ?仕事柄それだけで十分覚えられるさ」
ガラガラガラガラ
サラ「遅くなってすみません、ちょっと」
龍次「うん、コンビニに寄ってたんだね?無事で良かったよ、日本へようこそサラちゃん、ティム君┄ニーナ」
ニーナ「ん?私だけ」
サラ「グレコ・サラです、私達にさんや君は要りません、ほらティム」
ティム「OK┄グレコ・ティムデス」
ニーナ「グレコ・ニーナ」
蘭「ようこそ、私が蘭よ?そしてこの2人が」
龍次「18分早く生まれたから一応兄をやっている龍次(りゅうじ)だよ?宜しくね?」
虎次「18分遅く生まれたから一応弟をやっている虎次(とらじ)だ、宜しくな?」
ニーナ「プッ、変な兄弟」
サラ「ちょっとニーナ!!」
ニーナ「あ┄sorry」
龍次「アハハ気にしなくて良いよ?」
サラ「英語分かるんですか?」
龍次「全然?単語だけだよ、でも変な兄弟ってのは当たっているよ」
虎次「だな?俺達は特別に変な兄弟なんだ、だから気にすんな」
ニーナ「うん」
蘭「さァ、挨拶はこれくらいにして、長旅で疲れているんだから帰りましょ?」

蘭「荷物載せちゃいなさいね?」
龍次「ニーナ、貰うよ?」
ニーナ「Thank You so much」
龍次「えェと確かYou're welcome」
ニコッ
虎次「サラのはこれか」
ズシッ
虎次「うォ!!┄┄重てェなこれ」
サラ「ご、ゴメンなさい」
虎次「だ、大丈夫だ┄┄ふんぬ!!」
ドサッ!!
虎次「フゥ┄さァ乗った乗った」
サラ「それにしても┄まさか日本に来てまで」
ニーナ「うん、フレディーと同じ車に乗るとは」
サラ「大丈夫なの?」
ニーナ「えェ、未練は無いわよ?思い出は全部置いてきた」
サラ「そっか」
蘭「早く乗って?」
サラ・ニーナ「はい」
タッタッ┄ガァ~~バタン!!
蘭「これから一旦家に行って、食事を済ませたら今後のあなた達が住む家へ送るからね?」
サラ「蘭さん達と同じ家じゃ無いんですか?」
蘭「蘭で良いわよ?あなた達は大切な預かりものなのよ?放し飼いの猛獣がいる家には住まわせられないわ?」
サラ「そ、そんな」
龍次「アハハ、そォ言う事、気にしなくて良いからね?」
虎次「サラって日本よりアメリカの方が長いんだろ?」
サラ「はい、殆どU.S.Aで育っています」
虎次「の割には日本語完璧だな?」
サラ「母と日常的に、日本語で会話をしていましたので」
蘭「菜智ったらこォなる事を予想していたのかしら、他には何か教わったの?」
サラ「はい、習慣と作法を」
蘭「どォやら初めから計画していた様ね?うん、サラは大丈夫、で?ニーナは?」
ニーナ「菜智とサラに教わりました、でも緊張すると駄目、英語に戻ります」
蘭「そっか、まァ少しずつ慣れていくしかないわね?」
ニーナ「はい」
虎次「ティムはどォなんだ?」
ティム「what?」
サラ「speak Japanese」
ティム「oh!!ダイジョブ、スコシワカリマス」
龍次「会話は出来そォだね?」
ティム「ハイ、イマノリュジのコトバワカリマス、カイワOK」
虎次「そォ言ャ暫く会わねェ内にニーナって無口になったな?」
ニーナ「そ、それは」
蘭「疲れているのもあるし、大人になったって事よ?アンタみたいにいつまでも子供じゃ無いの」
虎次「けっ!!母ちゃんだってガキみてェじゃねェか、遺伝だ遺伝」
龍次「俺はてっきりお腹でも空いているのかと思っていたよ」
ティム「YES!!オナカヘッテイマス」
龍次「それじゃァ早く帰らないとね?」

サラ「わァ┄┄大きな家」
蘭「死んだ夫が大工だったのよ、時間があれば増築してさ、いつの間にかこんなに大きくしちゃって」
ニーナ「亡くなったんですか?」
蘭「ニーナがアメリカに戻って直ぐにね?癌だったの」
ニーナ「あの┄私」
虎次「なァ、飯ってこれからなのか?」
蘭「ちゃんと準備はしてあるから直ぐ出来るわよ?」
龍次「若しかして」
蘭「そ、蘭特性のスペシャルカレー」
ティム「WOW!!special Curry!!ソレハタノシミデス」
虎次「なァ┄┄いつものあれだろ?」
龍次「あァ、間違いないね?」
タタタタタ
ニーナ「蘭!!私も手伝いたい」
蘭「疲れているんだからゆっくりしていれば良いのに」
ニーナ「大丈夫、作り方知りたい」
蘭「ウフフ、菜智の言ってた通りね?本当に料理が好き何だ」
ニーナ「うん」
蘭「そォ言えば菜智よりも上手なんだって?」
ニーナ「そ、それは」
蘭「フフフ御祖母さんが凄い料理人だったんでしょ?」
ニーナ「はい、沢山教わりました」
蘭「私に色々教えてね?私からは日本の料理を教えてあげるから」
ニーナ「はい」
虎次「なァ母ちゃん?カレーって本場はインドじゃねェの?」
蘭「良いの、蘭のスペシャルカレーは日本風だから」


蘭「これも見てて?」
サラ「アルバムだ」
龍次「俺達も見るの久し振りだな?」
虎次「あァ」
サラ「わァニーナちっさ、可愛い!!」
龍次「まだ3歳だったんだ、忘れてしまった事も多いだろォね?」
ニーナ「その事なんですが┄┄日本に居た事の記憶が一切無くて」
サラ「ママが言うには事故の所為じゃないか?って」
龍次「事故?」
サラ「うん、16の時に生死を分ける程のね?」
龍次「そォだったのか」
虎次「昔の話しが出来ると思って楽しみにしてたのにな?」
ニーナ「ゴメンなさい」
龍次「謝る必要なんてないよ?日本の生活に触れていれば、思い出す事もあるかもしれないね?」
虎次「だな?お!!これが俺達との最後の思い出の場所だ」
サラ「ディズニーリゾート?」
龍次「ニーナがどォしてもと騒いでしまってね?」
ニーナ「そ、そォだったんだ」
蘭「ダニエルさんは帰国を遅らせたくないからって反対したんだけどね?」
サラ「パパが?ニーナの押しに負けたって事?」
蘭「違うわよ?こんな時の権力者は?」
ニーナ「ママが」
蘭「そ、鶴の一声ってやつね?ダニエルさんはぐうの音も言えなくなっちゃって、その姿を見た主人が大笑いしてたっけなァ┄┄懐かしいわ、あの頃が」
サラ「この頃は双子って感じだったんだね?」
蘭「そォなのよ、一卵性だって言うのに」
虎次「俺は親父に似ちまって、龍次は母ちゃん似だ、羨ましいぜ┄母親だからあんま言いたく無いけど母ちゃん美人だろ?だから龍次の顔は整ってる」
サラ「虎次だって凄く格好良いじゃん私タイプだよ?」
虎次「お?そんな事初めて言われたぜ、母ちゃん、俺格好良いってよ?」
蘭「はいはい、あんたはいい加減お世辞を覚えないとね?まァ無理か、あんたはあの人にそっくりなんだから」
虎次「ったく、だったら何で親父となんか一緒になったんだよ」
蘭「分からない?あんたと同じ、お世辞が分からなくてね?そのママ強引に押し切られたの」
虎次「え┄┄それじゃァ親父のやつ」
蘭「半ば強引過ぎだった、OKもしていないのに┄┄それであんた達が出来たの」
虎次「おいおいマジかよ、犯罪じゃねェか」
蘭「そォね?でも私はあの人とあんた達と生きる道を選んだ」
龍次「納得した?」
蘭「徐々にね?一緒に居る時間が長く成る程あの人を分かって来た、それでもっと知りたくなった途端」
龍次「親父は若しかしたら自分の病を知っていたんじゃないか?」
蘭「あ┄┄┄」
虎次「ハハハ決定だな?馬鹿親父は計画犯だ」
龍次「ニーナ?」
ニーナ「┄┄┄┄┄┄」
龍次「気分が優れないのなら、少し横になっていた方が」
ニーナ「┄┄┄ドラゴ┄┄┄┄タイガ」
虎次「り、龍次」
龍次「あァ、ニーナ?何か思い出したのかい?」
ニーナ「┄┄ううん」
サラ「ニーナが言った言葉の意味は?」
龍次「当時小学生だった俺達に英語はまだ理解出来ていなくてね?俺達の名前を呼んでいる事は分かったんだ」
虎次「龍次はドラゴ、俺はタイガまァ今となっちゃ理由は分かってるけどよ?」
サラ「龍次はドラゴンだからドラゴ、虎次はタイガーだからタイガか、3歳にしては凄いネーミングセンスだ事」
龍次「俺達には大切な思い出の1つでね?中の良い友人はそォ呼ぶ様にしてくれている」
虎次「ティム?先から何見てんだ?」
ティム「ン?ohコレデスカ?コレハニホンデノカイモノリストデス」
虎次「ちょっと見せてみろよ」
ティム「OK」
虎次「うわァ┄┄凄ェあんな?」
サラ「何これ、こんなの用意してたんだ」
虎次「これ全部買うのか?」
ティム「NO、ホシイモノカイテタラ、トマラナクナッテシマッタヨ」
虎次「ハハハまァそォなるわな?」
龍次「虎次、ちょっと良いかい?」
虎次「ん?あァ、ほれ」
龍次「本当だ、凄い量だね?フムフム、all movie┄成る程」
ガタッ、カタカタカタタンタンタンカタカタカタ
サラ「ん?龍次は何を始めたの?」
虎次「まァまァ、んで?ティム、お前日本ではどんな喰いもんが喰いてェんだ?」
ティム「what?クイ?」
サラ「eat」
ティム「oh!!ワタシCurryハタベマシタ、アトハ、スブタ、パスタ、ビビンバ、ポトフ、オコノミヤキデス」
虎次「あ~~ってか、殆ど日本のものじゃねェんだけど┄まァ良いかい、分かったよそれ全部美味ェ店知ってるから連れてってやる」
ティム「ホント!!Thank You so matchトラジ」
カタカタカタタンタンタン
龍次「よし、これで全部終わりだ」
虎次「全部あったのか?」
龍次「あァ、BluRayの方だけね?ゲームは全然分からないから虎次の所の」
虎次「OKだそっちは任せてくれ、大和(やまと)に頼んでおく」
龍次「なら全て解決したね?」
サラ「何を解決したの?」
虎次「ん?あァ、今龍次がな?ティムの書いてあったリストのもん全部ネットで買ったんだよ」
サラ「はい?」
龍次「1番遅いのでも3日後には届くから、心配ないよ?」
サラ「いやいやいやいや!!ちょっとえ?な、何言っちゃってんの?あれだけの量全部って┄幾らすると思ってんのよ」
虎次「そんなにしたか?」
龍次「いいや?思っていたより全然少なかったけど?」
サラ「あ┄┄┄パパとニーナとボブと同じ匂いがする」
虎次「あ?何だ?同じ匂いって」
ティム「サラ?何の話をしているんだ?」
サラ「あのね?龍次が、ティムの為にリストに書いてあったアニメ全部を買っちゃったのよ」
ティム「Really!!どォしてそんな事を」
サラ「分かんない、今聞いてみる┄ねェ、ティムも不思議に思っているんだけどね?どォしてそんな事」
虎次「どォしてって┄┄な?」
龍次「あァ、友達にプレゼントするのに理由何ているのかい?」
サラ「だって!!私達先初めてあったばかりじゃ」
虎次「ニーナの姉妹、それに従兄だろ?ただの友達って事じゃ無いんだから」
龍次「そォだね?ニーナの身内にプレゼント、だから何も気にしなくて良いからさ」
サラ「だからって」
蘭「フフフ、ダニエルさんと同じ匂いか、强間違っちゃいないわよ?サラ」
サラ「ヤッパリ」
蘭「あのね?龍次はコンパニオンを派遣する会社を経営していて、虎次はそォ言った子達や、お客商売をしている人向けの洋服のレンタルと販売を経営しているの」
サラ「2人共社長さんなんだ」
龍次「まァまだどっちも大きくは無いけどね?それなりには成功しているよ」
サラ「ハア┄┄分かった、ティム、彼等は私達とは別世界の成功者、つまりボブやパパ達と同じ世界の人だったのよ」
ティム「で、でも」
サラ「ニーナも知っといてね?日本にはそォ言った気遣いを何の気にも止めないで行う習慣があるのよ、まァ勝ち組って種族の中だけどね?」
ニーナ「分かった」
サラ「そォ言う人達の新設を断ってしまうと、凄く失礼になってしまうから、だからここは素直に受け入れなさい」
ティム「OK、アリガトゴザイマスリュジ」
龍次「あァ」
虎次「納得したって事で、ゲームの方は俺に任せといてくれ、俺の部下に凄ェ詳しい奴が居るからさ」
ティム「ソコマデアマエラレマセン」
虎次「おいおい、龍次は良くって俺は駄目だなんて言わねェよな?ティム」
ティム「ゴメンナサイ、トラジノイッテルコトワカリマセン」
サラ「さっきも言ったでしょ?断るのは失礼だって」
ティム「でも」
サラ「ティムの気持ちは分かる、でも虎次はこォ言ってるよ?龍次のが良くって、俺のは駄目なのか?ってさ」
ティム「う!!」
サラ「納得しなさい?ティム」
ニーナ「良かったね?ティム」
ティム「え?あ、あァ┄┄うん、そォだな?┄アリガトトラジ」
虎次「うし!!そんじゃ龍次、家の説明しろよ」
龍次「そォだね?君達がこれから住む間取りなんだけど、実は2部屋しか無いんだよ、それとダイニングキッチンと風呂とトイレ、まァ少し大き目なウォークインクローゼットが2つあるから、収納には困らない筈だ」
虎次「って事でティムはここになるんだが」
ティム「OK、シカタナイネ?ガマンスルヨ」
ニーナ「サラ?1週間なんだもん一緒でも良いでしょ?」
サラ「そォ言うと思った、私は平気よ?」
ニーナ「ありがと、りゅ┄いいえ、ドラゴ?ティムも私達と一緒で構わないわ?」
龍次「分かった、じゃァ話を進めるね?家賃と光熱費は一切払わなくて良いから」
サラ「いやいやいやそれは駄目だって、東京の物価って物凄く高いって知ってるよ?家賃なんて世界で見てもトップクラスだって事も、だからそこまで甘えられない」
ニーナ「そォね?自分達の事は自分達で何とかして行くわ?」
龍次「まァまァ、とにかく、必要な物は全て揃えてあるから、それでも足りない物は言ってくれれば用意するよ」
サラ「龍次と虎次がお金持ってるのは分かった、でもこれだけは引けない」
ニーナ「そォね?用意して貰った物は仕方ないけど、家賃と光熱費、それとこれから必要になるものは自分達で何とかする」
虎次「龍次、また悪い癖出てんぞ?」
サラ「悪い癖?」
虎次「あァ、自分が分かっている事は相手も理解している、そォ勘違いして説明をハショる、それが龍次の欠点だ」
龍次「しまった┄気を付けてはいたんだが、あのね?実はその家には家賃が発生しないんだよ」
サラ「はァ?どォ言う事?」
虎次「そこは龍次が買った家だ、だから家賃なんてもんは存在しねェ」
龍次「それとね?光熱費は自動的に引き落としになっているからだから君達の所に請求は来ないんだ」
ニーナ「持ち家ならば当然か」
サラ「そォだったんだ┄じゃァせめて自分達が使う消耗品だけは、自分達でやらせて?」
龍次「分かったよ、それじゃァ行こォか」

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