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『小説』永遠に宇宙に 完結編 ∼さよならからの始まり 絆は永遠に∼二章ノ3 選ばれた戦士1

優司「ここは······グ、グラン•バルじゃないか···指輪を砕かれたら······死ぬんじゃないのかよ、何故爽はこの事を黙って」
「アハハハハ···それマジか?」
優司(祭壇の上から声が······若しかして他の誰かも戻されて···行ってみるか)
タタタタタ
龍牙「ん?ハハハもォ1人帰って来たぜ?」
虎牙「ほォ優司か、まァまァ保ったじゃねェか」
タタタタタ
香瑠羅「あ!!優ニャンだ、おォ〜い」
優司「香瑠羅ちゃんも戻って来たんだ」
香瑠羅「も?」
優司「うん、祭壇の上に何人か居るみたいなんだよ」
香瑠羅「じゃ早く行くニャン」
優司「うん」
タタタタタ·········
虎牙「ハハハ、お前達駄目だったか」
香瑠羅「どォ言う事ニャン?皆死んだんじゃ···ここって天国?」
龍牙「俺達もそォ思ってんだが、でも違ェみてェだな?」
優司「ヤッパこれって爽が仕組んだ事じゃ」
虎牙「しかねェだろ?まァ当の本人はまだ姿見せてねェけどな?」
香瑠羅「亜利愛ニャン!!」
亜利愛「香瑠羅ゴメン」
香瑠羅「ううん、私も悪かったニャン、それに私も亜利愛ニャンと同じだからさ」
亜利愛「じゃ真を庇って」
香瑠羅「そ、でも勘違いしちゃ駄目ニャン私は庇っただけ、亜利愛ニャンみたいに恋愛感情は無いから」
亜利愛「うん、ありがと」
虎牙「何の話しだ?」
香瑠羅「内緒、虎ニャンは空気読まな過ぎニャン」
虎牙「そォか?まァいいや、で?優司は誰に殺られたんだ?」
優司「俺は······その」
虎牙「あ?真逆自爆だなんてオチじゃねェだろォな?」
優司「それだったらまだマシっスよ」
虎牙「んァ?何だそりゃ」
龍牙「優司話してみろ」
優司「俺は加奈さんと行動してたんです、でも敵と対面した時に邪魔だからって加奈さんが俺の指輪を」
虎牙「マジカよそれ」
香瑠羅「優ニャンの事だからどォせ加奈さんに失礼な事でも言ったニャン」
優司「言って無い···と思う、多分···きっと俺が母さんの息子だから」
虎牙「だろォな?」
龍牙「それしかねェだろ?」
爽「間違い無いね?流石加奈さんだ」
優司「爽!!」
龍牙「ちゃんと説明しろよな?」
爽「当然、その為に来たんだからさ」
虎牙「もォ俺達はあっちに行く事は出来ねェのか?」
爽「行く前に言ったろ?指輪はあれしか無いって」
龍牙「だったっけか?じゃ説明してくれ、今後の俺達の事もな?」
爽「この計画は子龍と決めていた事なんだ、俺達は過去の戦士達だけで行く予定だったんだけどヤッパ歳には勝てなくてね?そんな矢先の事だった、獅牙が事故で植物状態になってしまってね?回復が見込まれ無いって判断した子龍と凰華は獅牙の死を選択した、そこで僕が条件を出したんだよ」
虎牙「パラサイターか」
龍牙「そォなのか?」
虎牙「そっか、兄貴は知らねェんだ」
爽「虎牙の言う通り、獅牙を生き返らせる代わりに豹牙の始末をさせる事ってね?」
優司「何でそんな事を」
爽「そんな事って言うけどさ、僕も含め子龍と凰華に取っては大切な事なんだよ」
香瑠羅「それって聞いてもいいニャン?」
爽「うん······僕と子龍は豹牙とは義兄弟でね?凰華は妹······豹牙は地球で殺されかけた時にグランに呼ばれ同化してしまったんだ」
龍牙「強制にか?」
爽「ううん、グランもその時怨皇にやられて死ぬ寸前だった」
虎牙「互いの一致って事かよ」
爽「あァ、それで僕達はパラサイターになってしまった豹牙がこれ以上誰かを殺す事はして欲しくない、って思うのは自然だろ?」
優司「そォだったのか」
虎牙「でもよォ、何で俺達を選んだんだ?」
龍牙「違ェだろ?俺達が志願したんだ、そんで香瑠羅達を巻き込んだ」
香瑠羅「別に巻き込まれたなんて思って無いニャン?」
亜利愛「うん」
龍牙「ってかそもそも俺達が行くって言い出すのも子龍さんの策なんだけどな?」
爽「君頭いいね?その通り、君達が自ら行く様に誘導していた」
香瑠羅「何の為ニャン?」
龍牙「言ってたろ?オールドよりヤング、若い方が力も素早さも上って事だ」
爽「正解、だけどヤッパ人の親だ、自分達の用事を押し付けといて犠牲にさせる訳には行かないだろ?だから僕が指輪に細工をしたんだ」
虎牙「何でその事を黙ってたんだよ」
爽「ん〜君は余り賢く無いんだね?」
虎牙「んだと!!」
龍牙「行く前にんな事聞いちまってみろ、いつ死んでも平気だ、なァんて思いながら戦えば···虎牙お前戻される前の戦い方が出来たのか?」
虎牙「·········ゴメン兄貴、そりゃ無理だ」
爽「話さなかったのは正直に謝る、でも君達は本当に良くやってくれたよ、結果は残念だったけどさ、後は残った者に任せな?」
龍牙「まァモヤモヤも分かったし謝罪もされた、んで?」
亜利愛「うん、私達はこの先どォなるの?」
爽「あれ?君ってそんな喋り方だったっけ?」
香瑠羅「愛のパワーで普通になったニャン」
亜利愛「もォ!!香瑠羅ちゃんってば!!」
香瑠羅「おわ!!ちゃんって呼ばれたの初めて···引くわァ」
亜利愛「マジで!!···ちょっとショックなんだけど!!」
香瑠羅「アハハハハ嘘ニャン」
亜利愛「もォ!!」
龍牙「フフフ、んで?」
爽「君達は地球に戻って今まで通りの生活に戻るだけさ」
虎牙「そォか···まァそれも何だかって感じだけどな?」
香瑠羅「ん?虎ニャンは帰りたく無いニャン?」
虎牙「だってよォ···ハズくねェか?息巻いて出て来たんだぜ?それなのに負けて帰えされましたァ、なんてよ?」
龍牙「ハハハだな?俺も面子立たねェ、けどこれが現実だ負けは負け、素直に認めろ虎牙」
香瑠羅「弱い自分が悪いニャン」
龍牙「そォ言う事···ってかキンタが戻って来てねェのが不思議なんだけどな?」
香瑠羅「私と亜利愛ニャンに2度も助けられてるニャン、どォせ今頃コソコソ隠れて逃げ回ってるに違いないニャン」
亜利愛「そんな事無い!!真はちゃんと頑張っているから!!」
香瑠羅「あ、うん···なんかゴメンニャン」
虎牙「アイツ···何があったんだ?」
爽「まァまァ、話しはこれでお仕舞だからさ、後ろの柱に触れれば帰れる様にした、もォここには用が無いんだからさっさと帰ってくれるかい?」
虎牙「ハハハ自分で呼び出しといて負け組には厳しいな?」
爽「まァね?僕はまだやる事があって忙しいんだよ」
龍牙「全員戻って来るまではここにって思ってたが、仕方ねェ帰るとすっか、世話になったな?んじゃァ先行くわ」
タッ···ボワァ〜
虎牙「俺も行くかな?アバヨ爽、楽しかったぜ?」
タッ···ボワァ〜
香瑠羅「バイバイニャン」
タッ···ボワァ〜
亜利愛「八面玲瓏(はちめんれいろう)」
タッ···ボワァ〜
爽「心に蟠りが無い···か、それは良かった」
優司「···············」
爽「残りは君だけだよ?」
優司「·········俺は」
爽「早く帰ってくれるかな?」
優司「俺は亜利愛ちゃんの様には」
爽「蟠りがあるんだ」
優司「当然だろ!!俺はあっちで何も···母さんにだって会えていないんだ···何で加奈さんは俺の指輪を」
爽「あちゃァ···会えてなかったんだ、でもそれは仕方ないよ、会えなかったのは君の運命だったって諦めるしか」
優司「諦めるなんて出来る訳無いだろ!!もォ一度俺を行かせてくれ!!」
爽「出来ないって言ったじゃん、男じゃ無いなァ···本当に美奈の子供かよ、こんなに女々しく育ったのって父親の所為かなァ」
優司「女々しくたっていい!!女以下だって思ったっていい!!俺は母さんと話しをしなければ!!頼む爽!!頼むからもォ一度だけ俺を行かせてくれ!!」
爽「···············」
優司「爽!!」
爽「ん〜〜〜·········」
優司「頼むから!!」
爽「ハァ···まァいいや、分かったよ」
優司「いいのか!!」
爽「だって僕がOKしなければずっとここに居るんだろ?」
優司「あァ」
爽「それじゃ僕の気持ちを伝える、僕はね?美奈に恋しているんだ」
優司「え?」
爽「だから美奈があっちに行く事は正直納得していない、それなのに美奈は加奈の為に行ってしまった···行かせたく無かった理由は君だよ」
優司「俺?」
爽「美奈は加奈の所為で君を見捨てた、母親の愛情が必要な時期だってのに親の責任を放棄して···だから僕は美奈を許せなかったんだ」
優司「許せないって···恋してるんじゃ」
爽「あァ、恋しているからさ、だから美奈には幸せになって欲しかったんだ、君と幸せになって貰いたかった」
優司「爽」
爽「僕は昔親に捨てられたんだ」
優司「え?」
爽「多分まだ生きてるんじゃないかな?捨てられた僕は孤児院で育ってね?白い戦士として呼ばれてしまってここで死んだ」
優司「爽が···白い戦士」
爽「でもね?奇跡が起きたんだ、死んだ筈の僕はパラサイターに近い存在で生まれ変わった」
優司「パラサイターに近いって」
爽「僕はパラサイターの様に寿命は増やせない、でも僕には寿命と言う概念が無いんだ、理由は分からない恐らく突然変異なんだろォね?」
優司「あ···でも、爽が母さんを愛しているんなら俺じゃなくて爽が」
爽「僕は親に捨てられた、それで美奈は君を捨てた、この意味が分かるかい?」
優司「······あァ、俺も理由が知りたかったし、母さんと話しもしたかった、すまない今度こそちゃんと話しを付けて来る、だから」
スッ
爽「この指輪は僕の物だ、この意味が分かるね?」
優司「······凄く重いな?」
爽「うん、流石僕が惚れた人の息子だ、それともォ一つ渡しておく」
スッ
優司「この指輪って加奈さんと同じ」
爽「見たんだ、それはね?特別な指輪でさ、僕が直接届けるつもりだったんだけど、優司に任せるよ」
優司「俺に!!」
爽「それは本当に大切な物なんだ、君の為でもある」
優司「俺の為?」
爽「それは必ず美奈に渡さなければならない、これは絶対にだ、出来るかい?」
優司「出来る!!」
爽「君よりも強い者が4人も脱落したんだぞ?」
優司「大丈夫だ!!俺は美奈の息子、必ず届けてみせる」
爽「そっか、じゃァ頼んだ、時間が無いから早く行ってくれよ」
優司「ありがとォ爽!!」
爽「どォ致しまして」


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