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『小説』永遠に宇宙に~さよならは言わない~ 2章 第21話

龍次「急いでくれ虎次!!」
虎次「分かってんよ!!遅れっと煩っせェかんなァ龍(ロン)は」
龍次「すまなかった、今日会う約束をすっかり忘れてしまって」
虎次「んとだよ、俺にも言っといてくれりゃァ良かったのに」
龍次「だよね?」
虎次「ったく┄┄ギリだぞ?GTRでも」
龍次「俺のシボレーよりも早く着くだろ?」
虎次「まァな?┄にしても、何で首都高ってこォもカーブが多いんだってェの!!俺はドリキンじゃねェんだから、ヒールトゥ何て出来ねェぞ!!」
龍次「そォ言うなよ、ドリキン目指してたじゃないか」
虎次「昔の話しだそりゃァ、センスがねェから止めたんだ!!クォ!!」
ギャッギャッギャッギャッギャッ
龍次「い、今のってドリフトだよな?」
虎次「あ、あァ┄┄凄ェ綺麗に流れた」
龍次「そ、その調子で頼むよ」
虎次「ば、馬鹿言え、あれはマグレだ」
龍次「と、とにかく気を付けて急いでくれよ」
虎次「無茶言うなよ┄┄にしても何で新木場なんだ?」
龍次「龍の知人がアゲハで孔(コウ)を見たって知らせが来たらしいんだ」
虎次「そんで新木場か」
龍次「俺達が呼び出される位なんだ、何か掴んだのかもしれないな?」
ギャッギャッギャッギャッギャッ
虎次「┄┄┄┄┄┄」
龍次「す、凄いな」
虎次「ぐ、偶然が2度も」
龍次「目覚めたとか?」
虎次「いや、マジで偶然だ」
龍次「間に合いそォか?」
虎次「多分┄┄┄無理だ」
龍次「ロータリーだからね?」
虎次「お、おゥ」
ギャッギャッギャッギャッギャッ
龍次「偶然が3度?」
虎次「お、俺┄上手くなってるかも」
龍次「それは良かった┄あ、そォ言えばサラがね?虎次に会えなくて凄く寂しがっていたよ?」
虎次「そ、それ┄┄今必要か?」
龍次「一応┄┄」
虎次「そォか┄後で電話しとくわ」

ガチャ┄ドスッ、バタン
龍「7分遅れだ」
龍次「すまない、俺が予定を間違えてしまったんだ」
龍「GTRで来た時点で理解していた」
スッ
龍「コーヒーだ」
虎次「サンキュー」
龍次「ありがとォ」
カチッカチップシュシュ
龍「虎次が居るから、初めから順を追って話す」
虎次「お、おゥ┄悪いな?」
龍「孔はあの日俺達と別れて1人で六本木へ行った、取引を終えた後、その足で大井競馬場に行った」
虎次「アイツ┄競馬何てやってたっけか?」
龍「取引だ、相手は村雨裕矢、依頼内容は殺し」
虎次「殺しって!!アイツどこまで落ちてんだよ!!」
龍「ターゲットは大手会社、崎谷カンパニーの重役で谷淵則隆、前金で一千、残りの二千は始末後」
龍次「1人消すのに三千とは良い額だね?」
龍「孔は前金を貰って上野に向かったが、そこで1度姿を消した」
虎次「金をどこかにって事か」
龍「2日後にここ、新木場のアゲハに姿を現した」
龍次「目撃した人がいたんだね?」
龍「数人の黒人と話した後、彼等と共に外に出た」
龍次「共に?連れ出されたのではなく?」
龍「流石龍次だ、着眼点が違う┄孔は外で黒人達と口論の末、消息が途絶えた」
虎次「あ?ってェと、連れ去られたって事か?」
龍「┄┄┄┄┄┄」
虎次「ん?違ェのか?んじゃァ1人でどっか行っちまったのか?」
龍「┄┄┄┄┄┄」
龍次「龍、理解が出来ない程の事が起きたんだろ?だったら全てを話してくれよ」
龍「┄┄┄龍次、お前は何を知っている」
龍次「その話しは後でするから、今は孔の話しだ」
龍「分かった┄┄黒人達は孔と口論の末、大勢の見ている前で何度も何度も殴り倒し┄┄意識を失った矢先、1人の黒人が銃を取り出し、全弾撃ち込んだ、奴らは何も無かったかの様に、笑いながらその場を去ったらしい」
虎次「んだよそりゃァ!!じゃァ孔は」
龍次「待ちなよ虎次、話しは終わっていない」
虎次「だってよ!!」
龍次「気付けよ!!まだ肝心な所に行っていない、この盡ではさっき龍が言った内容と違う」
虎次「え?」
龍「恐ろしい男だお前は┄全てを見透かされているみたいで気色が悪い」
虎次「龍次、俺にはサッパリ」
龍次「あのな?龍はさっき、孔は消息が途絶えたと言ったんだ、銃で撃たれたのなら死んだ、と言う可きだろ?全弾だぞ?」
虎次「そォだな?それで消息が途絶えたからまだ┄┄凄ェな龍次」
龍次「なァに、龍の如しだ」
龍「現場を見に行ったが、そこには夥しい程の血痕があった」
虎次「なァ、見てた奴がいたんだろ?そいつらって、写真や動画は誰一人撮ってなかったのか?」
龍「殆どの人が撮っていた」
虎次「だったら!!」
龍「俺が現場を見ていたら、1人の男が近付いてきた、刑事だったよ┄俺は共にアゲハに行き、監視カメラの映像をみた、黒人達と話している孔が映っていたよ」
虎次「間違いねェんだな?」
龍「あァ、それと孔が撃たれ、黒人達が立ち去る間、複数の人達が写真や動画を撮っていたらしい、そして誰かが通報した警察のサイレンに偶然にもその場に居た全員が一瞬孔から目を離した」
虎次「全員!!そんな事ってあるのかよ」
龍次「仕組まれていればね?それで孔も写真や動画も一緒に消えたって事か」
龍「何故分かった」
龍次「まァまァ」
虎次「それじゃもォ探し様がねェじゃねェか」
龍「そォだな?」
龍次「うん、そォなってしまったね?」
虎次「ちょっと待てよ2人共!!何諦めムードになってんだよ!!」
龍次「事実だろ?」
龍「龍次の言う通りだ、消えてしまった者をどォやって探すんだ?それこそ不可能な事だ、せめて死体だけでも中国の両親の許へとは思っていたが┄色々すまなかったな?俺は凰華を連れて中国に戻る」
龍次「そォか┄┄なァ龍、こんな時に悪いんだが、とても安全とは言えない場所に、一時だけ凰華を連れて行きたいんだが」
龍「┄┄危険な所だと分かっていて、俺が許可するとでも┄┄┄全て分かっていてか」
龍次「あァ」
龍「お前が一緒ならば」
龍次「当然そのつもりだ」
コクッ
龍次「すまない、恩に着る」


虎次「ハア┄┄┄」
龍次「どォしたんだい?」
虎次「あ?┄┄あァ┄俺ァ龍次も龍も見損なったぜ」
龍次「そォなのかい?それは困ったなァ」
虎次「お前達に取って、孔の存在は┄┄もっと重いものかと思ってたのによォ」
龍次「そんな事はないよ?俺も龍も大切な仲間だと思っているよ?」
虎次「いいって┄┄ハア┄┄何か白けちまったぜ」
龍次「フフフ、そォ言わないでくれよ、あ!!行先は尊天寺だからね?」
虎次「あ?住職って┄凰華を拾ってからじゃねェのか?」
龍次「凰華は次回でね?今回は俺達だけで行くんだ」
虎次「あのよォ┄┄いつも思うんだけどな?龍次って随分先の事まで考えて行動してるよな?」
龍次「アハハハハ、心配性で、安全主義で臆病なだけさ」
虎次「そんなもんかねェ┄┄」

天「龍次さん!!虎次さんもお久し振りです」
龍次「やァ天(てん)君、ん?少し元気が無い様だが?」
天「あ┄┄分かりますか?」
龍次「フフフ話してみなよ」
天「実は┄┄大切に思っている人がちょっと」
虎次「お?彼女か?」
天「だと良いのですが」
虎次「ハハハ片想いか」
天「ハア┄また今度相談します、父さんが本堂で待っていますから」
虎次「あ?龍次、住職に?」
龍次「いいや?まァ良いか、待っていると言うのなら急ごう」
天「あ!!龍次さん」
龍次「ん?」
天「教えて下さい!!新堂には何があるのですか?」
龍次「天君は知らないのか」
天「家族の誰も知りません、父からは絶対に近付くなと言われていますから」
虎次「だったら言えねェよ」
天「虎次さん」
龍次「そォだね?住職が口を閉ざしているのに、俺達が話せる訳ないろ?」
天「ですが┄┄」
龍次「大丈夫だよ?別に疚しい事はしていないから、俺達と帝尊(たいそん)さんを信じてね?」
天「分かりました」
帝尊「龍次、虎次新堂へ行くぞ?」
龍次「分かりました」
虎次「直ぐ行くっス」
タタタタタ┄┄┄┄┄
龍次「何故今日俺達が来る事を」
帝尊「何となくだ、それとお前達に良い知らせと悪い知らせがある」
龍次「どちらもグラン・バルの事ですね?」
帝尊「察しが良いな?」
龍次「悪い方は孔の事」
帝尊「知っておったのか」
龍次「いえ┄何となくですが、でも何故肉体の盡あっちへ」
天「それは話してくれなかった、だが彼はバルからの伝言を伝えて来た」
虎次「孔と話した!!」
龍次「いよいよ始まるのですね?」
帝尊「うむ、我々は計画を実行する、そこで良い知らだ」
ズ、ズズズ┄┄ズズズズズ、ガチャッ
龍次「武器、ですか」
帝尊「違うな?これは身を守る為の物であり、戦う物としてでは無い」
龍次「ですが」
帝尊「うむ、致し方ない時は必ず来る、その時は仕様がない、先ずは己の身の安全じゃ」
龍次「では、この真紅の剣で柱を精製し、その後は護身用として」
帝尊「そォだ、頼んだぞ?」
虎次「何だか分かんねェっスけど、任せてくれっス」

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