遠野

文学と岩手県が好きな学生 基本的に何をやらせてもだめだが緑茶の消費量に関しては他の追随…

遠野

文学と岩手県が好きな学生 基本的に何をやらせてもだめだが緑茶の消費量に関しては他の追随を許さない

最近の記事

【短歌集】長距離狙撃に極めて適す

 溜まってきた短歌の総集編です!今までの記事で出したのも、新しいのもあります。気に入るものがあったら嬉しいです。増えたらここを更新します。 春に悖る学生課心理センターから出ずる俺だけ避ける新歓の人 似た色を重ねて騙した初恋が暗く濁って立ち戻る春 穏やかでおうむ返しの相談員 四月は外に出られないのね 看板が焦げてる理由を考えて考えつかず花見に向かう 春来たり生命保険加入済みさあこの血肉がいつまでもつか もう卒業することはない身でありながら卒業ソングが未だに憎い 青

    • 【短歌】なってない人間の自暴自棄短歌

      下に書かれているのは、陰気な大学生が書いた陰気な短歌20首です。暇なときにちまちま作っていたものですね。 極めて暗い歌ばっかりです。卒業ソングと自己啓発本を忌み嫌うひねくれダメ人間としては、やっぱり文学は暗くないとねと思ってしまうわけです。そう、これは意図した陰鬱さなんですよ。嘘です。心根が暗いのでジメジメネッチョリした歌しか作れません。悲しいね。 恋歌が多いですが全て妄想です。 近年、文学の世界では、当事者意識の発露が強く評価されるようになり、作者の境遇•属性と作品を

      • 【短歌】クソつまらん就活セミナー夏の雲メモに短歌が25首ほど

        ダメな大学生なので、前の方で知らん人間がおもんない話をするイベント中は、基本的に短歌などの韻文を作っています。憎しみや諦観は文学に転じやすいので、話がおもんないほどたくさんの短歌ができます。たのしいね。 夏に作ったものが溜まったので、noteに放流します。ヤケクソの趣きを感じる作品が多く、作者の情緒が計り知れます。 なんであれ夢を諦め海に来たカツオノエボシの青を触りに 白浪を海と思って生きてきた瀬戸内海は静止画だった にえたぎる愛よ秩序よ強迫よあるべきものをあるべき場所

        • 【超短編小説】怠惰な日の小説

          「あまりに忘れっぽい」と人に相談したところ、「日記をつけるべし」との助言をもらった。それに従い、4月のあたまから日記をつけている。その日の出来事や買った本の題などを書くようにしているが、日記に書くことが何もないほど怠惰に過ごすこともよくあるので、そういう日は代わりに短い小説を書くことにした。何かやった感も出るし(何もやっていない)、日記帳も埋まる。怠惰ノベルがいくつか溜まったので、noteに放流する。 📖月磨き(5月4日)  月を研磨する仕事をしている。地球から月が美しく

        【短歌集】長距離狙撃に極めて適す

          【俳句集】ランダムSF俳句生成記

          これらの句は、暇な大学生が科学史と国文学の講義中に作った単語カードを組み合わせてランダム生成した俳句の中から、いかにも意味ありげで文意をこじつけられそうなものをピックアップして文法の体裁を整えたものである。全体的にSFっぽいが、ぜんぜん違うのもある。解説文のようなものを添付しているが、ほぼほぼランダム生成であり技巧はおろか作者の意図すら存在しないので、解釈は自由である。 夏休み姉の忘れた二十五歳  あの日のお姉ちゃんはなんかおかしかった。  2年前の夏、あの蒸し暑い田舎の家

          【俳句集】ランダムSF俳句生成記

          【読書感想文】論理国語とイーハトーブ

           高校の同窓会に出席するため、私は十年ぶりに花巻ガンマ地区の第3ドームへ足を踏み入れた。ドームフロントで滅菌処理と論理レベルのチェックを済ませてから、会場のホテルへ向かう。正直、高校のクラスメートのことなんてほとんど覚えていない。とりたてて悪い思い出はなかったが、逆もまた然りだった。私の三年間は起伏のない平々凡々なものであり、その凡夫っぷりは高校、就職予備校、現在に至るまで続いている。地元の同級生たちに話したいような波乱万丈な冒険譚は持ち合わせていない。それに、私はあの前時代

          【読書感想文】論理国語とイーハトーブ

          【読書感想文】最果タヒと心象スケツチ

          『何を言っているのかサッパリ理解できないまま最果タヒの新刊が出るたびに買っているが、何回読んでも毎度毎度あとがきしかまともに意味がわからなくって宇宙猫フェイス社会主義共和国連邦』が近年崩壊の一途を辿っているのは周知の事実である。かく云う私も隣国の『最果タヒの現代詩? あーあれね、完全に理解してる民主主義人民共和国』に高飛びしたいのだが、我が国は出入国の審査が異様に厳しく滅多な理由がなければビザがおりない。アルストツカに比べればここも幾分かマシなほうだとは聞くが、私はもういい加

          【読書感想文】最果タヒと心象スケツチ