見出し画像

【短歌】クソつまらん就活セミナー夏の雲メモに短歌が25首ほど

ダメな大学生なので、前の方で知らん人間がおもんない話をするイベント中は、基本的に短歌などの韻文を作っています。憎しみや諦観は文学に転じやすいので、話がおもんないほどたくさんの短歌ができます。たのしいね。
夏に作ったものが溜まったので、noteに放流します。ヤケクソの趣きを感じる作品が多く、作者の情緒が計り知れます。


なんであれ夢を諦め海に来たカツオノエボシの青を触りに

白浪を海と思って生きてきた瀬戸内海は静止画だった

にえたぎる愛よ秩序よ強迫よあるべきものをあるべき場所へ

パンプスを履きたくないからレールから逸れたそれでも飯は食えてる

太白や楕円軌道の夢を描け均しさばかりが真ではないと

血の色を努な忘れそ八月三十一日この液をこそ生命と呼べ

自棄になり買った中古のアコーディオンFだけ鳴らんがまあよしとする

幸せは人に分けると目減りする俺のところで堰き止めるべき

サイダーを懐古に使うなあれはただ幸福だった夏のイコンだ

ノイキャンを破るクマゼミアブラゼミ冷房のないクソ無人駅

髪も服も匂いも無理になっちゃった終端衝撃波面だったの

診断書にすら折り目をつけるほどだめな子なんですマスタードガス

転けたふりをした先にいた死んだ夏蝉が入った蝉の抜け殻

だめになる前にどうする?やっちゃおか?リベレーターを撒け撒け撒け撒け

デカい蛾と二人暮らしよたまに来る彼も入れたら三人暮らしよ

氷屋に変わらぬ君がいたとしていたとしてもだ俺は客B

金がないから死にてえな。金がありゃひときわ豪華に死にてえな、うん。

草熱れあんた終わりよこの夏で原稿用紙の減りは僅かで

なにが愛だ見栄だ貨幣だ成長だ屍食教典儀でも読んでろ

背の高い人が大好き見下ろすと私の爪先が見える構図よ

向日葵の種を集める初バイトお前はどうだ何か為したか

透明なグラスを数えてもう仕舞えクマゼミ未満の酒焼け声を

原液で飲んでも夏は戻らない吐くな絵の具にもなりやしねえ

僕の夜です僕だけの宵なんです電話を寄越すな月も隠るな

ミズクラゲの胃から入れる閉架書庫五冊目を手に取っ、あっ目が覚めた

この記事が参加している募集

夏の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?