【短歌】なってない人間の自暴自棄短歌
下に書かれているのは、陰気な大学生が書いた陰気な短歌20首です。暇なときにちまちま作っていたものですね。
極めて暗い歌ばっかりです。卒業ソングと自己啓発本を忌み嫌うひねくれダメ人間としては、やっぱり文学は暗くないとねと思ってしまうわけです。そう、これは意図した陰鬱さなんですよ。嘘です。心根が暗いのでジメジメネッチョリした歌しか作れません。悲しいね。
恋歌が多いですが全て妄想です。
近年、文学の世界では、当事者意識の発露が強く評価されるようになり、作者の境遇•属性と作品を強く結びつける動きがにわかに起こっているように思います。詩歌の分野でも「実体験」という言葉をよく耳にします。やはり、リアルな体験こそが臨場感溢れる“本物の言葉”を産むのでしょうね。
うるせ〜〜〜〜〜〜〜この作品はフィクションです!!!!!!!実感がこもってるかこもってないかじゃなくてよォ、いかに実感こもってるように見せられるかが文芸だルォ!!??人生経験皆無の箱入り高下駄お坊ちゃんが歌舞伎町のドロドロ小説書いてもいいンだよ!!中学校の読書感想文じゃねえんだから、エピソードの特異さで勝負すんのやめろ!!俺負けるから!!
見てママ、あの人何か叫んでるよ。シッ見ちゃいけません!あれは文学部の亡霊よ。
内心の澱の濃度を見抜いてか俺だけ避ける新歓の人
少なくとも俺もお前も佐渡も恥をかくべく生きてはいない
髪も服も匂いも無理になっちゃった末端衝撃波面だったの
行為だけ論ったら前科とかつくかもだけど心を見てよ
土下座慣れしてる以外に欠点がないの髪とかサラッサラだし
空きグラスとビジューリボンと貧困と原子番号10の煌めき
この人で最後にするの本気だよ未必の故意をソーダで割った
尊厳と身の安全と元彼じゃどれが一番惜しいのですか
スカートを初めて折った日の当番想いよ届け嘘やっぱ死ね
リクスーと喪服が異様に似合う顔コピペみたいな君が愛しい
天井に汚れがあるなあ酒瓶もレンチも爪も武器ではないよ
新月を背にジェルネイルの牽連犯ただ恋だけを言い訳にして
俺の履歴はあいつの鏡に通じてる毒樹の果実は美味かったかよ
似た色を重ねて騙した初恋が暗く濁って立ち戻る年
家の猫の瞳の色に似てたからただ同様に愛しただけだ
秋晴れの茶屋町空は青く抜けカップルカメムシカメムシカップル
涼しくて出かけたくなる寛解の兆しの先から踏切の音
アキアカネの頭だけある縁側の下から猫と何かの呼び声
秋という事情がなければオレンジのオレンジすぎる服を買えない
秋天は遠く2キロは澄み渡り長距離狙撃に極めて適す
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