マガジンのカバー画像

【書籍編】愛するということ(エーリッヒ・フロム)

13
エーリッヒ・フロム著「愛するということ」について思いついたことなどを綴ったものをまとめました。
運営しているクリエイター

#神

「神様は私の心の中に」の話

「神様は私の心の中に」の話

神は人間であること、男であること、父親である事をやめ、様々な現象の背後にある統一原理の象徴となり、人間の内にある種子から育つであろう花を象徴するものになった。

だから神は名前を持つことができない。
なぜなら、名前というのはつねに物とか人間とか、何か限定されたものを示す。
神は人間でも物でもないのだから、名前を持てるはずがあろうか。

ー エーリッヒ・フロム

「超越者はその多様性・統一性・網羅性

もっとみる
現代の社会システムに対する「怒りと絶望」の正体

現代の社会システムに対する「怒りと絶望」の正体

「現代社会を構成する資本主義が人の心から深く思考するリソースを失わせている」

その一言が、まるで先行きの見えない中に晴れ渡らせる日の光が差し込んだかのような納得感を与えた。
私が抱いた怒りと絶望感のかけらが、そこに見えた気がしたのだった。

特定個人ではなく、社会的に人々の心がないがしろにされているのが気に食わないのか?

同等の話が、当たり前を追求できる人が少なすぎる。
苦境を必要な犠牲と捉え

もっとみる
「現代社会における神に何の意味がある?」の話

「現代社会における神に何の意味がある?」の話

我々は、現代西洋資本主義が掲げる「効率的な大量所有と大量消費」という原理によって、生まれながらに毒されている。

その原理は「効率化」の名において地球規模で人を拘束する。

「多様性を重んじる」と言いながら自らの利益を案る。

各人が「人生における絶大な優先度を誇る目標」もなく淡々と目の前の流れ作業をこなす。

ふと訪れる社会や隣人や自分にすら疎外されることに由来する「至極真っ当な孤独感」に対して

もっとみる