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書評No. 1「愛と情熱の山田うどん 全く天下をねらわない地方豪族チェーンの研究 著北尾トロ えのきどいちろう」

評価 「C

①8点 山田うどん史としてかなり優秀
②4点 今は無い店舗などがあり残念
③9点 私たちは山田うどんを何も知らない
④8点 ライターが書いてるので読みやすい
⑤6点 二冊の本の文庫化と書き下ろし
⑥8点 ちゃんと自分の足で調べている
⑦8点 社長・会長で分からんことすらある
⑧5点  山田うどん愛はすさまじいけどね
⑨8点 タイトルだけで買っちゃったよね
⑩8点 ニッチな本は大抵面白い

合計72点 

評価基準はこちらから確認

まず一発目の書評が、まさかの「山田うどん」に関しての本である。そもそも皆さんは山田うどんをご存知なのだろうか?知らない方は知るために是非読んでほしい。知ってる方はもちろん読んで欲しい。

この本を僕が買った理由は3つ。
まずひとつは「古本屋でたぶん見つからないだろう」という理由だ。こういったニッチな本は古本屋にいってもないことが多いので、定価で買うことにしている。でも意外と古本屋にいくと置いていたりするので、見かけると「俺みたいにこんなニッチな本を読むやつがいるんだ。そして買って結局古本屋に売りに出すバカがいるんだ」と嬉しくなります。
そういうニッチでマイナーな本を買った人と会ってみたいのは私だけ?

二つ目の理由は「単に気になった」だ。カラシ色の表紙+元々河出文庫は黄色いというので真っ黄色である。目につかないわけが無い。山田からの危険信号である可能性がある。

三つ目の理由は「経営論として読んでみたい」だ。うどんと言えば丸亀製麺やはなまるうどんなどが思い浮かぶが、関東では頭の片隅に「山田うどん」がある、サブリミナル山田うどん、関東人類はみな山田うどんから誕生したと言っても過言では無い(過言である)。本当に全国的では無いこのうどん屋、どうして成り立っているのか気になるではないか。よし買おう。これで君も山田だ!

評価は「C」ランク。古本なら買っても損は無いレベルだ。とはいえ古本屋に売ってないと思って買ったからこの論法はいささか矛盾をはらんでいるがそれはさておき。

内容は「山田うどん」という関東を根城にしているファミリー食堂と、それに付随する関東の歴史、とりわけバイク乗りや車乗りの人達のロードサイド物語ともいうべきルポだ。

私は山田うどんに行ったことがないのだが、近所に3店も出店されていることは知っている。この本を読んだあと、無性に山田うどんに行きたくなってしまった。まだ行けずにいるが、私の頭の中には山田がこびりついて離れないのだ。早い・安い・普通というなんだかまさに山田といった感じだが、それでも行きたいと思わせる本ではある。なにせ読み終わった日の日記の書き出しが「山田うどん」だったくらいだから。

この本の値段は税込979円。山田うどんのメニューを見ると、この値段より安いのしかない。なんなら二つ頼んでもこの本の値段を越えない。心配になってくる。諸君が山田うどんを一万円分食べるまで帰れませんをやったときに、この本が売られていることを願うばかりである。 

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