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最近の半導体産業の動き(2)

ここに来て日本の半導体産業の動きが活発である。
TSMCが九州熊本に工場誘致で沸き立っているが、既に熊本に2つ目の工場誘致の話が出ている。誠にもって景気のいい話である。

更に、TSMCは2020年5月にアリゾナ州への進出をしているが、第二期に着手すると発表した。

TSMC絶好調。独走状態である。

ここまでTSMCが事業拡大し、日本に工場が誘致されているのは日本の賃金が国際的にみても低いというのもあるが、

米国の政治が大きく関連している。

トランプ大統領の頃から米国は中国を最大の脅威と認識している。殆ど、ヤクザの因縁に近いHuawei問題がいい例。

確かに、半導体の製造も含め「製造」という分野では世の中は中国抜きでは語れない。今や、ほとんどの工業製品がmade in china。最終製造で、made in Japan、made in Ameriaを謳っていても中の部品の多くは中国製だったりする。が、他の工業製品とは違って半導体だけは、米国は中国に譲れない。軍事力に強く関わるからである。

下手をすると国家間のパワーバランス、国家安全保障にも関わるからである。軍事力で中国が優勢になる状況はなんとしても避けなければならない。ヤクザの因縁でHuaweiにイチャモンを付け、潰しにかかったくらいでは全然足りないのである。

で、米国はどこに目を付けたというと、半導体製造装置である。いくら中国でも半導体製造装置が無いと半導体を製造できない。この半導体製造装置であるが、実は日本のメーカが結構なシェアを握っている。

世界の半導体業界では製造工程の細分化・専門化が進んでおり、なかでも前工程では各段階の製造装置が米欧日の大手メーカーの独占状態になっている。露光システムのASML以外にも、例えばエッチング装置ではアメリカのラムリサーチ、アプライド・マテリアルズ、日本の東京エレクトロンの3社が世界市場の9割を握る。

https://toyokeizai.net/articles/-/649705

半導体の生産量では昔は50%くらいのシェアを握っていた日本も、日米半導体摩擦ですっかり米国の術中にハマり、今ではその見る影もないが、実は・・・地味ではあるが、半導体製造装置は高いシェアを握っている。

この、半導体制御装置を握っちまえばいいんじゃないか・・・

というのが米国の考えらしい。半導体制御装置が無ければ、いくら中国でも半導体が生産できない。そのためには、米国、日本、オランダでタッグを組んで半導体制御装置の中国への輸出規制をかけてしまえばいい。昔の対ロシアへのココム(COCOM)のようなものである。

あと、これに半導体製造ファンダリの最大勢力である台湾TSMCを巻き込みたい。台湾にしてみれば中国は最大の半導体輸出国であるが、台湾と中国が親密になってもらっては困る。半導体制御装置の輸出を握っても、生産した半導体を台湾から中国にじゃんじゃん輸出されたんじゃ意味がない。
台湾にも少し甘い汁をなめさせて、でタッグを組めば、中国に勝てる・・・という算段なのではないだろうか?

米国が中心で、
半導体製造装置は米国、日本、オランダ
半導体製造ファンダリは台湾TSMC、日本、米国に工場進出

という体制で中国を囲い込みにかかっているのではないか?

と、言った流れの一環で、昔は半導体製造で高いシェアを握っていた日本にも半導体製造工場を誘致という話がでてきたのではないだろうか?
台湾と日本の九州は地理的にも近いし、日本と台湾の友好関係いいし。

と、言った感じで「対中国」をスローガンに一致団結した感が強い。


100ワニをパクって退職エントリでバズろうとしたけど、全然バズらなかったワニ。 副業のオファーあればよろしくお願いします。 Twitterのフォローもよろしくおねがいします。@180wani