これがきっと恋だから、
これはわたしと恋人との話。
付き合う前日の夜、わたしたちはデートをしていた。
付き合う前の、甘すぎるけど、ちょっとだけ苦い時間。
今しかできない会話、今だからこそ意味をなす表現、
そういったものが、確実にしっかりと存在していた。
「結婚して子どもができたら、深夜のコンビニに手を繋いでいくことが2人の特別な時間になる」
デートの帰りにコンビニに寄ったとき、ホットカフェラテを作る待ち時間に、彼がふと呟いた言葉だ。
わたしの恋人は、こういう感性を持った人だ。
わたしは少し恥ずかしくなった。その言葉の持つ意味があまりにも尊くて、儚いものだと思ったから。
胸がキュッとしたけど、この人はわたしと似た感性を持った人だと改めて感じることができて、すごく安心したのを覚えている。
それからわたしは瞬時に考えを巡らせていた。
考えというより、正しく言えば、妄想…か。
2人で訪れたコンビニでアイスを買い、帰り道にある公園のベンチに腰掛け、日常をちょっと忘れて、2人だけの時間に浸る。
誰からも邪魔されず、静かな夜が明けて朝に帰っていくのを、2人で肩を寄せ合って迎えるのだ。
「今日もがんばろうね」
「いい日にしようね」
そんなたわいもない会話が、2人にとっての何よりの栄養素になるのかもしれない。
そしてそんな時間を、いま隣にいる彼と一緒に迎えることができたら、きっと幸せなんだろうな。
ふとそんなことを考えていたら、ニヤついてしまって、急いでなんでもないふりをした。彼は静かに笑っていた。
その日の明け方、作業をするわたしの隣で眠る彼の顔を見て思った。
少し重いかもしれないけど、未来のことを自然と考えることができちゃうくらいに、わたしもあなたのことが好きみたいだ
好きってわかりにくくてごめんね、でも
いつの間にか、あなたなしのこれからを、考えられなくなっていたみたいだ
と。
そして、付き合ってからももちろん、好きな気持ちは毎日アップデートされていくもので。
感情にまっすぐで、でも冷静で、穏やかで、頼り甲斐があって、何よりもたくさんの愛を伝えてくれるあなたのことが、
わたしは本当に大好きなようです。
こんな公開ラブレターのようなものを読んだら、きっと恥ずかしがると思うけど、新鮮な想いは、残せる時に残しておきたかったから。
これからも、付き合ってよね。
あの日の甘くてほろ苦い想い出を、たまには思い出したりなんかしながら、ギュっとして、ハッときて、過ごしていこうよ。
世界にたったひとつの2人だけの想い出を、ずっとあたためていけますように。
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