父上母上、「撮られる」準備はよろしいか。
親がいる人・いない人、親が好きな人・そうでない人。
この辺は、人によって様々だから、このテーマを扱うことに対して、少しためらいが。
しかし、これはあくまでも、私の個人的な気持ちを書いただけにすぎない。色々な考え方の人がいるのだから。そう思って見てもらえると、有り難いです。へぇ、こんな人もいるのねぇ、くらいに。
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・「親のことを一生忘れない」なんて言えない
皆さんは、「いくつになっても、親のことを忘れない」と自信を持って言えますか。
これは、存在自体のことじゃあありません。例えば、親の顔や声なんかのことです。
私は、ちょっと自信がないんです。だから、この記事を書いてます。「なんて薄情なやつだ」という声がこちらまで聞こえております。まぁ、そうですよね。家族のことが大好きです、なんて散々言っておいて。
おぉ〜ありがとうございます〜〜ね、いま「仮面夫婦ならぬ、仮面家族じゃあねえか!」というツッコミをいただきました〜。こんなん、なんぼあってもいいですからね。(すみません。誤作動で、わたしの中の「ミルクボーイの内海」が急に出てきてしまいました。心よりお詫び申し上げます)
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・「子どもは撮られてなんぼ」の精神
「親のことを一生忘れない」と自信を持って言えないなぁ、と思ったきっかけがあるんです。
この年末、家族でこたつを囲み、昔のホームビデオを見ながら、昔話に花を咲かせていたときのこと。
おわかりいただけただろうか(急に始まる怖いお話)。
ホームビデオに映るのは、私の姿ばかりだということを。
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そうなんです。我が家のホームビデオには、ほとんど父と母が映っていません。私9.9割、父母0.1割。ほんとに、これくらいしか登場しない。映っていたとしても、父と母1人ずつ。2人セットで映っていないんです。
それは、なぜか。理由は簡単。「子どもは撮られてなんぼ」の精神で生きてきたから。
こんな感じでしょう。
おい、わたし。うぬぼれすぎではありませんか。なんと偉そうな子どもでしょう。というか、かなりのナルシスト気質(親の顔が見てみたい)。これじゃあ、ノンスタの井上と肩を並べちゃいますよ。
こうやって生きてきた、これまでのわたしに、ガツンと言ってやりたい。あんなにかわいい、国民的スターの橋本環奈様でさえ、謙虚につつましく生きてるぞ、と。
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・親も変化する生き物
これまで、こんな風に生きてきたから、今後は、「子どもは撮られてなんぼ」の精神を卒業し、親の姿を沢山撮って、一生忘れないように残しておきたいと思うんです。
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顔も体もシュッとした、イケてるお父さんと、シワも白髪も何ひとつない、まだまだピチピチのお母さん。
こんな風な、若かりし頃の父と母の姿を撮って残してあげればよかったなぁ、とかなり後悔してるんです。写真では見たことあるけど、動いている姿は覚えていない。
い、いやいや、今もまだまだ美しいですよ、お母様。お父様は、まあるくなりましたね。いや、違いますって。体のことじゃなく、怖さが無くなったということです。角が取れたという、「いい意味」ですって。
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でも、早めに気づけてよかった、とも思います。だって、小学生までは難しいですよね。ビデオカメラで親を撮ろう、と思えるなんて。
だから、これからが勝負。
父と母はあと30年、40年と生きるでしょう(欲を言えば、「きんさん・ぎんさん」を超える長寿になってほしい)。まだまだ、親のことを撮ってあげられます。なんなら、これからの方が、撮り甲斐があります。
親だって、日々変化する生き物だから。
これからだんだん、白い髪が増え、なんなら毛も薄くなり、顔もしわっしわになり、よちよちと歩くようになる。
かっこいい父と、美しい母ではなく、「かわいい」おじいちゃんとおばあちゃんになっていく。
こう考えると、親がかわいく成長する姿(「老化」とも言う)をビデオに残しておくのが楽しくなりそうじゃあありませんか。
まだまだ若い親も、おじいちゃんおばあちゃんになった親も、いつまでも忘れずに覚えておきたい。
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・おわりに
こんな風に、ついに、我が家にも、ビデオカメラの世代交代が。
お父さんお母さん。20年間、文句も言わず、わたしのカメラマンで居続けてくれてありがとう。
父上母上、撮られる準備はよろしいか。
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