見出し画像

父上母上、「撮られる」準備はよろしいか。

親がいる人・いない人、親が好きな人・そうでない人。

この辺は、人によって様々だから、このテーマを扱うことに対して、少しためらいが。

しかし、これはあくまでも、私の個人的な気持ちを書いただけにすぎない。色々な考え方の人がいるのだから。そう思って見てもらえると、有り難いです。へぇ、こんな人もいるのねぇ、くらいに。

***

・「親のことを一生忘れない」なんて言えない

皆さんは、「いくつになっても、親のことを忘れない」と自信を持って言えますか。

これは、存在自体のことじゃあありません。例えば、親の顔や声なんかのことです。

私は、ちょっと自信がないんです。だから、この記事を書いてます。「なんて薄情なやつだ」という声がこちらまで聞こえております。まぁ、そうですよね。家族のことが大好きです、なんて散々言っておいて。

おぉ〜ありがとうございます〜〜ね、いま「仮面夫婦ならぬ、仮面家族じゃあねえか!」というツッコミをいただきました〜。こんなん、なんぼあってもいいですからね。(すみません。誤作動で、わたしの中の「ミルクボーイの内海」が急に出てきてしまいました。心よりお詫び申し上げます)

***

・「子どもは撮られてなんぼ」の精神

「親のことを一生忘れない」と自信を持って言えないなぁ、と思ったきっかけがあるんです。

この年末、家族でこたつを囲み、昔のホームビデオを見ながら、昔話に花を咲かせていたときのこと。

・ぽぽちゃん人形のぼっさぼさの寝癖を直す、母性が芽生えたわたし(3才)。
・公園で自分より大きな犬にめちゃくちゃ怯える、臆病なわたし(4才)。
・参観日なのに全く見せ場を作らない、恥ずかしがり屋なわたし(7才)。
・動物園のブタさんを目の前に、「くさっ!」と大きな声で言ってしまう、失礼なわたし(8才)。

おわかりいただけただろうか(急に始まる怖いお話)。

ホームビデオに映るのは、私の姿ばかりだということを。



そうなんです。我が家のホームビデオには、ほとんど父と母が映っていません。私9.9割、父母0.1割。ほんとに、これくらいしか登場しない。映っていたとしても、父と母1人ずつ。2人セットで映っていないんです。

それは、なぜか。理由は簡単。「子どもは撮られてなんぼ」の精神で生きてきたから。

ビデオカメラを握るのは、親の仕事。
撮られる対象は、2人の子どもであるわたし。
だって、わたしは我が家のアイドルなんだもの。
さぁ、わたしのかわいい姿をビデオに収めるがよい!
(ドドンッ!!!!!)

こんな感じでしょう。

おい、わたし。うぬぼれすぎではありませんか。なんと偉そうな子どもでしょう。というか、かなりのナルシスト気質(親の顔が見てみたい)。これじゃあ、ノンスタの井上と肩を並べちゃいますよ。

こうやって生きてきた、これまでのわたしに、ガツンと言ってやりたい。あんなにかわいい、国民的スターの橋本環奈様でさえ、謙虚につつましく生きてるぞ、と。

***

・親も変化する生き物

これまで、こんな風に生きてきたから、今後は、「子どもは撮られてなんぼ」の精神を卒業し、親の姿を沢山撮って、一生忘れないように残しておきたいと思うんです。



顔も体もシュッとした、イケてるお父さんと、シワも白髪も何ひとつない、まだまだピチピチのお母さん。

こんな風な、若かりし頃の父と母の姿を撮って残してあげればよかったなぁ、とかなり後悔してるんです。写真では見たことあるけど、動いている姿は覚えていない。

い、いやいや、今もまだまだ美しいですよ、お母様。お父様は、まあるくなりましたね。いや、違いますって。体のことじゃなく、怖さが無くなったということです。角が取れたという、「いい意味」ですって。



でも、早めに気づけてよかった、とも思います。だって、小学生までは難しいですよね。ビデオカメラで親を撮ろう、と思えるなんて。

だから、これからが勝負。

父と母はあと30年、40年と生きるでしょう(欲を言えば、「きんさん・ぎんさん」を超える長寿になってほしい)。まだまだ、親のことを撮ってあげられます。なんなら、これからの方が、撮り甲斐があります。

親だって、日々変化する生き物だから。

これからだんだん、白い髪が増え、なんなら毛も薄くなり、顔もしわっしわになり、よちよちと歩くようになる。

かっこいい父と、美しい母ではなく、「かわいい」おじいちゃんとおばあちゃんになっていく。

こう考えると、親がかわいく成長する姿(「老化」とも言う)をビデオに残しておくのが楽しくなりそうじゃあありませんか。

まだまだ若い親も、おじいちゃんおばあちゃんになった親も、いつまでも忘れずに覚えておきたい。

***

・おわりに

こんな風に、ついに、我が家にも、ビデオカメラの世代交代が。

お父さんお母さん。20年間、文句も言わず、わたしのカメラマンで居続けてくれてありがとう。

父上母上、撮られる準備はよろしいか。

この記事が参加している募集

#スキしてみて

528,184件

#最近の学び

182,116件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?