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「京都、パリ この美しくもイケズな街」を読んで

本書は横浜市生まれのフランス文学者である鹿島茂氏と、京都府生まれの日本の建築史家・風俗史研究者である井上章一氏による2人の対談本です。

井上氏は2016年に「京都ぎらい」で新書大賞を受賞されています。京都ご出身の方がこのような本を書かれるとは興味深いのですが、私はまだ読めておりません。

さて本書読むにあたり、京都にもパリにも住んだことのない私にとってあまりに知識・見識不足で、様々な話題が展開されるお2人の対談にほとんどついて行く事ができませんでした。
従って長い時間をかけて何度も読み返す本にしようと決め、時間があれば時々手に取って開くようにしていました。しかし2年くらい経った今にも、まだ正確に理解しているとは言えません。。

しかしそれでもお二人の独特な世界観に浸ることで、例え今は理解できなくてもまた読もうと動機づけられる不思議な本です。

京都とパリは姉妹都市の協定を結んでおり、互いに長い歴史を持つ都市の比較が2人の対談形式で繰り広げられます。

そもそも「京都」とはどこか。洛中・洛外という差があり、洛中の中でもその洛中観が異なるようです。京都とは「御池から五条まで」、「二条通ぐらいまで」、「丸太町通から五条まで」など様々だそうです。
それぞれの立場によって中心意識が異なります。
パリの人々にとってパリとは「城壁の内側」だそうです。ローマ時代にセーヌ川の中洲にリュテシアという都をローマ人がつくり、次第に南の方にローマの植民都市が築かれ浴場や格闘技場などもつくられました。

この意識や感覚は場外にいる私からはおそらく一生理解できないでしょう。

本書はその他、京都とパリの人々の様々な意識の違いが述べられます。勿論お2人の世界観が全てではないでしょうが、本書読了後から、「京都とパリ」という私にとって全く新しい視点を自分の中に取り入れていきたいと思っております。

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