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こんな舞台を観てきた(2022年7~9月)

2022年の観劇記録。7~9月編。


その他の観劇記録はこちら。

ハリーポッターと呪いの子

ホリプロが間違いなく今一番注力してる作品。

楽しみに劇場に行ったら、まさかの客席で公演中止を告げられるという事態。

その後、チケットを手配し直し、悲願の観劇。
(どうしても期間限定出演の藤原竜也さんで観たかった。)

とにかくお金と時間をかけた作品だなという印象。
演劇なんだけれども、テーマパークのアトラクションのような雰囲気もあり、これまで観たことがないエンタメだなと思った。

戯曲を読んでから観劇したので、「ここをそういう風に演出するのか!」といった驚きと面白さがあった。

キャストでは、嘆きのマートル役の美山加恋さんが凄かった。
出番はそこまで多くないものの、「何もかもがイメージ通り!」と感じさせるほど、マートルそのものだった。

ミス・サイゴン

6年ぶりに観て、こんなに辛い作品だったかと実感。

作品全体を通して、「戦争の愚かしさ」がひしひしと伝わってきた。
登場人物それぞれの考えが交差していて、でも決して交わることがないもどかしさ。観ながら「すべて戦争のせいじゃないか」というモヤモヤが募っていく。
キャストが好演しているからこそ、一幕の途中から観ているのが辛いくらいだった。

すごく辛いけれども、今後も見続けて自分が何を感じるかを知りたいなと思う。

2022/8/7のキャスト

頭痛肩こり樋口一葉

井上ひさし作品はこれまで何本か観てきたけど、一番好きかも。

80年代に書かれた戯曲であるものの、全く古びた印象を受けなかった。
(新作の芝居と言われても違和感がないくらい)
当時の女性たちの生きづらさも丁寧に描かれているのが、印象的だった。

ラストシーンは状況的に明るい場面ではないけれども、観ていてすごく勇気をもらった。

香寿たつきさんの胸にすーっと染み込んでいく歌声に癒された。
(いつもヒーリング効果がありそうな歌声だなと思う笑)

シュレック・ザ・ミュージカル

2008年にブロードウェイで初演された作品の日本初演。

元々のアニメ映画がアンチディズニー気味のパロディとB級感満載の作品だと思うのだが、そこにダイバーシティ的な視点を無理やり付け足したように感じてしまった…。

フルオーディションを実施したということで、キャストは皆さんハマっていた。
(特にドンキー役の吉田 純也さんの芸達者ぶりと、ドラゴン役の須藤 香菜さんのパワフルな歌声が印象的。)

帰還不能点

「いやぁ、すごいものを観たな…」と観劇後もしばらく余韻から醒めることがなかった作品。

かつての総力戦研究所のメンバーが、劇中劇の形で「なぜ日本は戦争への道に進んだのか」を再現する、というシュチュエーションがとても演劇的でいいなと思った。
物語が進むにつれ、「現在」と「当時」の境界線が揺れ動いていく感じにゾクゾクした。

俳優たちのアンサンブルが素晴らしく、劇場全体が終始いい緊張感に包まれていたような気がする。

ピピン

2019年の日本初演で大きな衝撃を受けた作品。

ウェイトレスでも思ったけれど、ダイアン・パウルスの演出が好み。
物語の世界観を作るのが上手だなといつも思う。

ハムレットも、それこそ呪いの子もそうだけれども、こういった自分探しの物語って普遍的だし、いつの時代にも刺さるんだろうなと思った。

再々演があるかはわからないけれども、ガラッとキャストが変わるとまた印象が違いそう。

メタ的な視点が随所にあるのが特徴で、第四の壁をぶち破ってくる作品なのに、ご時世柄そこがフルに機能していなかったのが少し残念だった。

COLAR

ホリプロのオリジナルミュージカル。
濱田・成河の回を観劇。

個人的には、なぜこの話を舞台にしたのだろうと思った。
原作が実話を基にしたエッセイなのだが、本の内容をそのまま舞台にのせた感じが否めなかった。

また、新国立の小劇場での公演だったが、正面向いてソロを歌ったり、映像をバックに流したりしていて、「もっと観客を信じても伝わるキャパなのに」と思った。

とはいえ、ホリプロのオリジナルミュージカルを作り続ける姿勢はすごいと思うので、今後も続けてほしいなと思う。

薔薇とサムライ2

肩肘張らずに楽しめる清々しいエンタメ。

劇場を出るときに、「あ〜楽しかった」と掛け値なしに思えた作品だった。
(特に宝塚ファンというわけではないが、燕尾姿の天海さんを観て、ちょっと寿命が伸びた気がした笑)

これまでの新感線と少し違うなと思ったのは、敵役とも必要以上に戦おうとせず、対話で解決しようという姿勢が随所に見られたこと。
時代の流れか、ウクライナ情勢を反映したのかわからないけれども、個人的にはこの変更点は結構いいなと思った。


新感線の観劇記録まとめはこちら


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